教室から少女が消える ~シリア難民の少女たちが直面している現実~

公開日 : 2016-06-30

オマイマが家族とともにシリアの首都ダマスカスから、ヨルダンのザータリ難民キャンプに逃れてきたのは2013年、彼女が11歳の時のことでした。そして、キャンプで通いはじめた学校のクラスから、同級生の女の子が一人また一人と姿を消しはじめたのです。やがて、いなくなった友人たちが若くして結婚したことを知りました。親友だったバスマも14歳の誕生日を機に教室を去りました。その背景には、やはり終わりの見えないシリアの紛争が影を落としていました。

紛争前のシリアでは、18歳未満の既婚者は全体の13%でした。ところが2014年、ヨルダン国内に住むシリア難民の中では、その数字が32%まで上昇しています。ヨルダンに避難したシリア難民の多くが貧しい暮らしを強いられるなか、その負担を軽減するために親がまだ10代の娘を結婚させるというケースが増えているのです。

少女たちが失おうとしているのは、子ども時代や学ぶ機会、将来の夢や人としての権利など、かけがえのないものばかりです。またそれだけでなく、極端な早婚には精神的なダメージや若年の妊娠による健康面でのリスクも伴います。オマイマは言います。「バスマは結婚したくはありませんでした。でも両親は、それが彼女にとって最良の選択だと思ったのです」。親友バスマのことをきっかけに、少女たちの意思に沿わない早婚の防止を働きかけるオマイマの活動が始まったのです。

女の子を助けるキャンペーン

オマイマの早婚防止キャンペーンは、その身体的・肉体的なリスクを調べ、両親や少女に早婚を思いとどまるように情報を共有したり、絵のクラスを開催して早婚の危険要因を視覚化することで理解を促すなどの活動でした。そしてその活動が実を結び、学校に通い続けられるようになった少女もいました。いま、オマイマはボランティアとして児童保護グループとともに活動しています。
そんな彼女も、いつの日か結婚することを夢見ています。「でもそれは大学を出てからです。結婚するときには、この難民キャンプを出て暮らしているといいのですが……」。少女たちが望んでいるのは、何も特別なことではないのです。友達と遊んだり学校に行ったりするなんでもない日々や、少しゆっくりと流れる大人になるまでの自由な時間。そんな、等身大の子ども時代と平和に暮らせる未来だけなのです。

UNHCRは、18歳未満で結婚しようとしている少女とその家族に極端な早婚によるリスクを知ってもらうカウンセリングを行ったり、結婚する子どもが15歳未満であったり、また婚姻が強制的に行われようとしている確証がある場合に政府の家族保護部門と協働して事情を聴き早婚を未然に防ぐよう働きかけるなどの活動をしています。意思に沿わない早婚から一人でも多くの少女を救うためにも、ぜひ皆様のご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

例えば、毎月10,000円のご寄付を1年で、1人分の高等・専門学校の就学支援が可能となります

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります。

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