ヨーロッパに旅立つ難民の女性や子どもが増えた理由

公開日 : 2016-03-31

安心して暮らせる土地を求め、簡素なボートで荒れる海を渡り、その後陸路でヨーロッパを目指す難民たち。その多くを占めるのは、女性や子どもたちです。昨年ヨーロッパに渡った女性や子どもの割合は全体の3割程度だったのに対し(2015年9月時点)、今年に入ってからは全体の6割を占めるようになりました。この背景には、紛争に巻き込まれて家族を失った人や、ヨーロッパに逃れる途中に海でパートナーを失った人が多くいるという現実があるのです。

危険に満ちた女性や子どもたちの旅

難民キャンプの野原で遊ぶ難民の親子

女性や子どもたちだけでヨーロッパを目指すということには、その道のりで暴力や搾取の対象になる可能性と常に隣り合わせにあるということを意味しています。3歳の息子を伴って海を渡った24歳のアフガニスタン人の女性は、その旅の途中で密航業者から暴行を受けたことを後に告白しています。彼女はトルコからギリシャに逃れる際、25日もの間宿泊施設に閉じ込められていました。

このような事態が後を絶たないことから、UNHCRはパートナー団体と協力して難民が移動するルート上に女性や子どもを支援する施設を20箇所に設置することを計画。ヨーロッパの入り口であるギリシャのレスボス島をはじめ、すでに数箇所の施設が開設され、トラブルに見舞われやすい女性や子どもたちのケアをしてきました。離れ離れになった家族の捜索、小さい子どもを抱えた母親と子どもが安心して過ごせる空間の提供、病気やトラウマのケアをはじめ精神的に不安定になった子どもや女性へのカウンセリングを実施するなど、その支援の内容は多岐にわたります。

このような支援を受ける女性や子どもたちがいる一方で、ひとりで旅を続ける難民の子どもたちも多く、彼らの保護には難しさが伴います。一刻もはやく安心して暮らせる国にたどり着きたい子どもたちは、旅の途中で保護されることを一種の拘束ととらえることも多く、それを避けるために年齢を偽ることもめずらしくないのです。紛争によりふるさとでの日常を失い、暴力的な光景や、目の前で人が殺されるのを目撃した子どもたちは、そのトラウマを抱え、不安を口にすることもできないまま、ひとりで旅をしているのです。

ヨーロッパ各地で国境が封鎖された今、ギリシャとマケドニア間の国境付近では1万2千人以上の難民が足止めをされています。その中には、前に進むことをひたすら待ち続ける女性や子どもたちの姿も多くみられます。難民をめぐる状況は刻々と動いています。その変化とともに難民が必要とする支援の形も変化しています。UNHCRはそこに生きる難民とその支援のニーズを見極めながら、今後も支援を届けていきます。皆様の温かいご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

X

このウェブサイトではサイトの利便性の向上を目的にクッキーを使用します。詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。

サイトを閲覧いただく際には、クッキーの使用に同意いただく必要があります。

同意する