UNHCRはカメルーンにいる難民が安全に帰還する権利を強調
公開日 : 2016-03-09
UNHCR副高等弁務官ら、カメルーンを訪問
UNHCRは、難民が安全に、かつ尊厳を保って、自発的に帰還する権利を保証するために、カメルーンとナイジェリア両政府と協働する予定であると、保護に関わるUNHCRの最高担当官はカメルーン滞在中に述べました。
フォルカー・ターク副高等弁務官は、カメルーンの最北部にあるミナワオ・キャンプに住む難民を訪れたときに、パートナー間の三者間合意に向けたUNHCRの協力について再度述べました。このキャンプでは5万人以上のナイジェリア難民に避難場所を提供しています。
タークは、「私たちは、状況が許すのであれば、カメルーン・ナイジェリア・UNHCRの三者が、基本原則と国際的な保護基準に基づいた難民の自発的な帰還を保証するための三者間合意を形成するのに、協力する用意があります」と言いました。
UNHCRの協力
ナイジェリアのボコ・ハラムが2015年に国境を越えてテロを行ってから、カメルーンは2万人以上のナイジェリア人を武装された国境地帯から送り返しました。多くの人が、どうしようもなかったと述べています。UNHCRはカメルーンとその他の難民受入れ国に、国境を閉じず帰還する難民が自発的に帰還できるようにと促しています。
副高等弁務官は、UNHCRとその他のパートナー組織が現地での保護や支援に尽力している、26万人以上の中央アフリカ共和国難民、7万人のナイジェリア難民、そして15万8千人のナイジェリア国内避難民が置かれている苦境に対し、世界の注目を向けるためにカメルーンを訪問しました。
24日、タークは3日間の訪問を終える前に、カメルーンの国内避難民と現地の人々がテロ攻撃を受けた地域を訪れました。
ミナワオ・キャンプの難民の声
ミナワオで、彼は、子どもの教育、生活の手段、衛生がすぐに必要だと話す難民女性たちに会いました。彼女たちは生まれた村に戻ることに関しても、心配していました。
「私たちは、安全に家に帰るため、政府に、ナイジェリア北東部の平和と安定を回復させるために必要なすべての手段をとることを求めます」と難民のリーダーの一人、アリ・シュエックは言いました。
治安の問題も、祖国から逃げてキャンプに住む45歳の難民イブラヒマにとって最も重要なことでした。「私たちは本当に家に帰りたいと思っています、しかし、祖国に戻ったところで、どこに住めばいいのかわかりません。私たちの村は完全に壊され、安全かどうかもわかりません」とイブラヒムは語りました。
キャンプと近くの一時滞在センターを訪ねたあとで、タークは、過去のつらい経験にも関わらず、収入を得るための活動を通して自らの人生を再設計しようとしている難民たちの強さと勇気に心を動かされました。「今日、見たり聞いたりしたことは、私を励まし、そして悩ませました」と彼は述べました。
ナイジェリアの難民状況
ナイジェリア北東部における政府軍とボコ・ハラムの紛争では、ナイジェリアのボルノ、アダマワ、ヨベ州の村が攻撃され、7万人以上がカメルーンに避難しました。さらに、紛争はカメルーンにも飛び火し、約15万8千人が北部で国内避難民となりました。
副高等弁務官は、24日にナイジェリアから帰国する前に、政府高官、ドナー、駐ヤウンデ国連代表に面会しました。
詳細はこちら(英文)
UNHCR highlights right to safe return for refugees in Cameroon