実践例:中学1年生が難民問題に触れて考えたこと…
2016年6月24日(月)鈴鹿中学(三重県)にて学生団体SOARが「いのちの持ち物けんさ」を、UNHCR職員と共に実施しました。
公開日 : 2016-07-13
今回、参加した中学1年生103名はこのワークショップを通して難民の人々ためにどんなアクションを起こしていくのでしょうか?
以下、ワークショップを行った学生団体SOARからご報告いたします。
多様な命の在り方を目前にして…

「いのちの持ち物けんさ」では、3色(赤・黄・青)の付箋を使った喪失の体験を通して、自分は何によって成り立っているのか、その成り立ちの上にいる自分が何を難民の人たちのためにできるか、ということについて考えてもらいました。
3色の付箋にはそれぞれ意味があります。
赤:あなたにとって変わりのないもの。かけげえのないもの。(例:いのち、家、友人など)
黄:赤、青のどちらでもないもの。自己を証明するもの。
(国籍、資格など)
青:あなたにとって変わりのあるもの。お金で買えるもの。
(靴、服、筆箱など)
*「いのちの持ち物けんさ」について詳しくはこちら
「他人事」を「自分事」へ…。

生徒に難民の人々の写真を見せていく中で、「可哀想な人」「貧しい人」などの意見が出る場面もありました。しかし、生徒は自分を成り立たたせている付箋を取っ払い、いのちだけになっている状態で難民と向き合ったことで、難民の人々との間に共通の部分が見えたのではないかと思います。想像を膨らませて難民に心を寄せたことで、ワークショップの最後に話し合った「自分たちにできること」では、具体的な意見が出て盛り上がりました。意見の中には、募金活動を企画するなど行動的な意見から「将来UNHCRの職員になる」という将来の夢に繋がる意見も聞かれました。
つい最近まで、難民問題を遠い国で起こっている社会問題と思っていた生徒や、「難民」という言葉すら知らなかった生徒がいましたが、このワークショップを通して生徒は「難民問題を他人事から自分事として」とらえ、これから何ができるかについてたくさんの意見を出してくれました。なかでも印象的だったのは、「難民という人たちがいることを忘れない」という意見でした。難民の数は年々増加する傾向にあります。忘れないということは、難民問題の解決に繋がる重要なことだとこの意見から考えさせられました。私たちは頭の片隅に難民問題を記憶させておくことで、解決や支援のアイデアへと繋げることが出来ます。私たち学生団体SOARも、生徒からの意見から改めて難民問題に向き合うことの重要性を学びました。
鈴鹿中学の1年生103名は今回の学びを通して、難民の人々への募金活動と現代の国際問題についての展示を文化祭で実行するそうです。
文化祭での活動についても後日ご報告します!今後の鈴鹿中学の活躍が楽しみです!
以上学生団体SOARからの実践報告でした。
*学生団体についてはこちら
実践場所:鈴鹿中学校
実践対象:中学1年生103名
実践日:2016年6月27日