あかりがもたらすもの 難民キャンプにともる希望

公開日 : 2016-01-15

日が暮れた難民キャンプに「あかり」がもたらすのは、避難を余儀なくされた人たちの暮らしと、その未来を照らす光です。そのメリットは、ともすると「暮らしの質の向上」という一言に集約されがちですが、ことに難民キャンプにおいてあかりがもたらすものの意味は、もっとずっと大きなものです。

安全と安心を生むあかり

写真:難民キャンプの様子

暮らしに必要な設備が完全には整っていない仮設住宅での生活は、夜間に外へ水汲みに行くことや住居外にある共同トイレに行くことも必要です。そしてそれは、性暴力などにさらされる可能性のある女性たちにとって、危険が常に隣り合わせにあることを意味しています。だからこそ、キャンプにあかりが灯るということは、彼女たちの毎日がより安全で安心なものへと近づくことを意味しています。また、紛争により心に傷を受けた子どもたちは、日が沈んだ後に暗闇に包まれると、恐怖を感じることも少なくないそうです。そうした時にあかりを灯せば、 子どもたちは安心して眠りにつくことができるといいます。

キャンプにあかりを届ける取り組み

2010年からUNHCRのパートナーとして世界の難民キャンプで支援を行っているIKEA Foundationからの寄付(「難民キャンプに明かりを届けよう」 LED電球ひとつの売り上げにつき一ユーロが寄付されるキャンペーンによるもの)を受けて、UNHCRは日が暮れると闇夜に包まれる都市部から離れた難民キャンプに太陽電池で作動する街灯とランタンを届けました。今年で6年目を迎えるシリアの紛争から逃れた人たちが暮らすヨルダンの難民キャンプでも街灯とソーラーランタンが使われています。いまだに厳しい生活を強いられている人たちが集まるこの地においても、暗がりに灯るこのあかりはその暮らしを静かに照らしています。

子どもたちの未来を照らすあかり

写真:難民キャンプの子ども

昨年末までに国連の調べで630,000人以上が登録されたヨルダン。難民の多くは18歳未満の子どもともいわれています。また子どもの数に対して圧倒的に学校の数が足りないなど、UNHCRをはじめ各支援団体が多方面から支援をしても、難民の子どもたちの学習環境はまだ整っていないというのが現状です。そんななか、ソーラーランタンが各家庭に届けられ、日が暮れた後でも明かりのともる空間で思い思いの時間を過ごすことができるようになったことは、明るいニュースのひとつです。それは避難を余儀なくされた人たちのキャンプでの日々が普通の暮らしに一歩近づくことでもあり、子どもたちに学ぶ意欲があれば、その好奇心をどこまでも伸ばしていくことができるということでもあります。

今はその場に留まることを余儀なくされていても、子どもたちの学習環境が整い、学ぶことを継続していくことができれば、その将来は大きく開ける可能性を秘めています。難民キャンプに届けられたあかりは、未来に訪れるであろうシリアの再建と、その際に大きな力となる子どもたちに差しこむ光なのです。

UNHCRは引き続き難民問題の解決に向けて包括的に取り組み、キャンプでの生活環境と子どもたちの学習環境の改善にも取り組んでいきます。


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