~晃華学園中学校(東京都)にて『いのちの持ち物けんさ』を行いました~
公開日 : 2016-02-04
晃華学園中学校(東京都)にて、『いのちの持ち物けんさ』を実施
2015年11月4日、晃華学園中学校にて約150名の中学3年生に、『いのちの持ち物けんさ』の出張ワークショップを行いました。
『いのちの持ち物けんさ』は、学校の先生や生徒さんが主体となって実施していただくことも可能ですが、今回は学生団体SOAR(国連UNHCR協会のインターンを中心とした学生団体)から5名が参加して運営をお手伝いしました。
今回は午前と午後の合計3コマを使って難民について学んでもらう、まさに「難民についてまなぶ日」とも呼ぶべき構成で、たっぷりと時間を使って学びを深めました。
『いのちの持ち物けんさ』

午前中の1限目に『いのちの持ち物けんさ』を行いました。
2限目に『いのちの持ち物けんさ』を振り返り、<中学生の自分たちにできること>を考えて、実際にみんなの前で発表してもらいました。
今回は中学校の体育館を使用し、生徒の皆さんには6人程度のグループに分かれてもらった上で、SOARのメンバーが生徒さんの前で進行を行う、という形式で実施をさせて頂きました。
『いのちの持ち物けんさ』は、2つのパートに分かれています。
1つ目のパートでは、自分の「大切なもの」をワークシートに書き出して、自分にとって大切なものは何かを考えます。そうすることで、私たちの周りには、普段は意識しないけれど、沢山の「大切なもの」があることに気づきます。生徒さんたちは、周りと相談しながら、自分たちの「大切なもの」をそれぞれ書き出しました。中には、「大切なもの」がすぐには思い浮かばない生徒さんもいましたが、周りの友達と話していくなかで、段々と「大切なもの」に気づくことが出来ました。
2つ目のパートは、その「大切なもの」を失っていく疑似体験です。難民の人々は、戦争や災害で自分の家を離れなければならなくなった瞬間から、沢山の「大切なもの」を失っていきます。『いのちの持ち物けんさ』では、ワークシートに書かれた「大切なもの」を消しながら、もしそれを失ってしまったらどんな気持ちになるのかを想像します。「難民」と聞くと遠く離れた存在のように感じるかもしれませんが、こうした体験を通じて彼らの心情や状況を段々と理解していくことができるのです。
自分の大切なものがなくなったらどんな気持ちになるか…普段仲良くしている友達といざ真剣に語り合うとなると、生徒さんたちは少し恥ずかしそうな様子でした。しかし、段々と「大切なもの」が失われていくにつれて、生徒さんたちの顔はどんどん真剣になっていきました。特に「自分の命」以外をすべて失ったとしたら…について考える最後の部分では、150人の生徒さんが集まった体育館がシーンとなるほど、深く考えることが出来ていました。
また、最初は遠慮しあっていたグループ内でのディスカッションでも、SOARメンバーの助けもあり、段々と、自分の思いをはっきりと伝えられるようになっていきました。また、後半になるにつれて、皆の前でグループの意見を発表することもスムーズにできるようになりました。
難民問題授業

午後の3限目の時間には、難民問題授業を行いました。
生徒さん一人ひとりが、今の自分にできること、将来の自分にできること、社会にできることを考えました。
今の自分にできることとして、学校で取り組んでいる衣料品回収のボランティアや友人に今日の話を広めること、それから難民問題について自分で勉強することを挙げてくれました。また、将来の自分にできることとして、大学生になったら国連UNHCR協会でインターンシップをしたり、SOARのメンバーとして活動したりしたいと話してくれました。

今回の出張授業を通じて、生徒さんたち一人ひとりが、今まで他人事のように感じていた「難民問題」について、しっかりと実感してくれました。
150人という大勢の生徒さんに対して、グループワークを含めた授業を行うのはなかなか難しいところもありましたが、中学生の皆さんに難民問題について考えてもらう、素敵なきっかけになりました。
晃華学園中学校のみなさん、ありがとうございました!