難民のボランティア教師がキャンプでの不十分な学習を補う

エチオピアのキャンプで、スーダンのベテラン教師が難民の若者に、英語と平和について教える学習センターを発足させました

公開日 : 2016-10-07

教育の可能性を信じるアルナー・バーテル

シェルコール難民キャンプ(エチオピア)、2016年9月27日 ― アルナー・バーテルは年を取ったかもしれませんが、母国のスーダンで出会った大学の教授らが彼を鼓舞し、将来のためにしっかりした日々を過ごして、一生懸命勉強をするきっかけをくれたことを今も覚えています。

2011年からエチオピアのキャンプで過ごしているバーテル(71歳)は、同じキャンプにいるスーダンの若者にとっての同様な導き手になろうとしています。

「人生や発達にとって、教育が助けになります」とバーテルはエチオピア西部にあるシェルコール・キャンプのライト語学センターで言います。彼は一部屋しかない小さな学習センターを自ら建て、適切な教育や職業訓練を受けていない若い難民に英語と公民を教えています。

「難民の若者たちは何もしないで、人生を無駄にしています」と彼はつけ加えます。「このような問題をそろそろ解決しなければいけません。この若者たちは私たちの国の未来なのです。」

故郷のスーダンでは、バーテルは公立の高校とオムダーマン大学で英語を教えていました。「私は、彼らの内面を育もう、と思いました。たった一人の人生でも変えることができたら、世の中も変わるでしょう。」

バーテルを含む、スーダン難民1万1,200人が暮らすシェルコール・キャンプを管理しているUNHCRは、できるだけ教育を提供できるように努めていますが、資源は限られています。UNHCRが呼びかけているエチオピアへの支援には、わずか35%しか資金が集まらず、1億8,100万米ドルが不足しています。つまり、教育よりも難民の生活に必要なシェルター、食糧、そして医療ケアの提供が優先されます。

そこで、バーテルのような、献身的なボランティアが教育のギャップを埋めるために大切なのです。彼は難民ボランティアの仲間2人と共に、130人の生徒に英語と公民、透明性、法の支配、そしてバーテルの言うところの「平和的共存」を教えています。UNHCRとエチオピア政府の難民機関であるARRAは、黒板を2つとチョークを提供しました。

バーテルはスーダンの南コルドファン地域のヌバ山地にあるカウダ出身で、そこでは、2011年に再び政府と反政府勢力の衝突がありました。2011年6月にバーテルと妻が家を逃れた日は、「ヌバの人々がたくさん殺された日」だったと彼は目に涙を浮かべながら、当時を思い出します。彼の2人の叔父が殺され、家は破壊されました。

「知識以外はすべて置いてきました」とバーテルは語ります。「私の夢は、若者のための教育サービスを展開していくことです。生徒に、お互いに学び合うよう促しています。それぞれが自信をつけていくきっかけになります。ちょっとの自信が必要なだけの素晴らしい生徒がたくさんいます。」

バーテルの授業に影響を受ける若者たち

ライト学習センターは2016年1月から開校していますが、バーテルの生徒はすでに授業の大切さに気づいており、さらに勉強したいと強く思っています。

「今までは勉強をする大切さを理解していませんでした」とスーダン難民のエモエル・ヤクブ(27歳)は言います。「アルナーの授業では、英語が話せるようになるだけでなく、お互いを尊重しなければならない理由も学ぶことができます。私たちはより信頼できる人に成長し、より良い将来を生きることができます。」

ヤクブと他のライト学習センターの卒業生たちはバーテルから学んだことを活用し、キャンプにいる難民の子どもたちに英語を教えています。

「アルナーの教育法は、難民に夢を追いかけるように鼓舞しながら、普段の生活感覚を取り戻させています」とシレシは言います。「資金の制約があり、UNHCRやパートナー組織は常に中等教育や言語教育を提供することができるわけではありません。私たちはアルナーのようなボランティア活動に頼っており、若い難民がそれぞれの可能性を最大に活かし、人生における希望を取り戻し、実り多い人生につながる解決の準備ができるように期待しています。」

若者に教えている教室
アルナー・バーテルが難民の若者に教えている教室の前に立っている

バーテルには21歳から35歳の成人した子どもがいて、全員奨学金プログラムによってケニヤで勉強することができました。彼らは教師、看護師、そして開発担当の仕事といった専門的な職業に就く予定です。

シェルコールにいる難民の若者は、人口の約15%を占めており、頻繁に暴力や反抗的な行動を起こす危険があります。アルナーは、家に戻れるときに備えて、仕事に必要なスキルを身につけることをこのキャンプにいるすべての難民の若者に勧めようと考えています。

「若者がお互いを受け入れる大切さを伝えて、私たちの国に平和がもたらされることを願っています」と彼は言います。「教育が唯一の解決策ではありませんが、若者が自分のコミュニティに貢献できる一歩になります。」

Diana Diaz

原文はこちら(英文)

Volunteer refugee teacher steps up to fill gaps in camp schooling

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