南スーダンを逃れた難民が100万人を記録
南スーダンは、100万人以上の難民が発生している国として、シリア、アフガニスタン、ソマリアと並びました
公開日 : 2016-09-27
増加する南スーダン難民
ジュネーブ(スイス)、2016年9月16日 ― 9月16日、UNHCRはこの週で、隣国で避難生活を送る南スーダン人の数が100万人に到達した、と発表しました。この数字には、7月8日にジュバで起こった暴動から新たに逃れて来た、18万5,000人以上の人々も含まれています。
レオ・ドブスUNHCR報道官は、これにより南スーダンは、シリア、アフガニスタン、ソマリアと並ぶ100万人以上の難民の発生国となった、と9月16日にジュネーブでの記者会見で述べました。
「南スーダンから逃れてきている人々の多くは、女性と子どもです。彼らの中には、暴力や性的暴行の被害者、両親と離れ離れの子ども、1人で避難してきた子ども、身体障がい者、高齢者、そして緊急の治療が必要な人々も含まれています」と、ドブス報道官は語りました。
「多くの難民が、数日間食糧や水なしで歩き続け、疲れ果てた姿で到着します」
報道官は、最近到着した人々の4分の3以上にあたる14万3,164人がウガンダに渡った一方で、先週からエチオピアのガンベラ州西部に流入した人々が急増しており、その他の人々はケニア、コンゴ民主共和国、そして中央アフリカ共和国へ向かったと付け加えました。
「これらの国々は立派なことに、扉を開け、新たに到着する人々を受け入れています」と、ドブス報道官は国連欧州本部にて記者たちに語りました。
不安定な南スーダン情勢
建国5周年記念を祝う準備のためにつかの間平和な状態にあった南スーダンで、サルバ・キール大統領とリヤク・マシャール前第一副大統領の支持者たちが7月に起こした武力闘争は、南スーダンにおける平和への努力を大きく後退させました。
「戦闘が真の現状打破への望みを打ち砕き、新たな避難と苦痛の波を引き起こした一方で、人道支援機関は、物流面、安全面、資金面から、緊急の保護と支援を161万人の国内避難民を含め、困っている数十万もの人々に与えるのはとても難しいと考えています」とドブス報道官は述べました。
南スーダン難民の多くを受け入れるウガンダとエチオピア
ウガンダは南スーダン難民受け入れ実績において最大の37万3,626人を受け入れており、その3分の1は7月初旬以降に到着した人々です。難民は流入し続けています。9月第2週を通じて、新たに2万人以上の到着が記録され、彼らは主にウガンダ北西部に位置するオラバを通ってきています。
新たに到着した人々によれば、東・中央・西エクアトリア州の全域で戦闘が激化しており、武力勢力が文民を殺害し、村で略奪行為を行い、女性や女の子に性的暴行をし、若い男児を徴用しています。
「多くの難民は、食糧も水もなく繁みの中を何日間も歩き続けるので、到着するときには疲れ切っています。多くの子どもたちは片親か両親をなくしており、自分より幼い兄弟の世話をしなければならない子もいます」とドブス報道官は言いました。
1万1,000人以上もの人々が9月第2週にガンベラに入っており、その多くはヌエル系住民で、エチオピア国内の南スーダン難民の人数は29万2,000人以上になりました。大多数は女性や子どもであり、その中には1人で旅してきた子ども約500人が含まれています。
多くはナイル川上流に位置するナセル、マティアン、マイウットから逃げてきており、情勢は不安定で、かなりの数の軍隊が動いているのを見たので、紛争が再開される恐れがあると述べています。新たにジョングレイから到着した人々は、逃げてきた一因として食糧不足をあげました。
その他の隣国でも受け入れ数は多い
南スーダンの隣国スーダンでは、南スーダン難民の受け入れ実績は3番目の24万7,317人であり、依然としてスーダン国内の東ダルフール、南ダルフール、白ナイル州への流入が続いています。東ダルフール、南ダルフールにいる人々は、特に南スーダン北西部の北バハル・エル・ガザール州とワラップ州における、不安の高まりと食糧不足の深刻化が逃亡の理由であると話しています。
「多くの子どもたちは片親か両親をなくしており、自分より幼い弟や妹の世話をしなければならない子もいます」
ウガンダやエチオピア、スーダンに比べると、ケニアやコンゴ民主共和国、中央アフリカ共和国に7月に戦闘が再開して以来流入した難民は多くありません。1週間に約300人がケニアに流入していて、情勢不安、経済的不安定さ、干ばつが逃亡の理由であると述べ、トリット・カポエタ間の移動経路が武装した強盗により危険な状態にあると報告しています。ケニアは9万人以上の南スーダン難民を受け入れています。
コンゴ民主共和国では、南スーダンとウガンダとの国境に近いイトゥリ地区に難民が流入しています。推計4万人の南スーダン難民がコンゴ民主共和国国内にいると言われています。
物資不足や情勢不安に悩まされる難民
UNHCRフィールド担当官によれば、新たにやってきた人々は学校や教会で生活しており、屋根のないところで寝ている人もいます。難民には食糧と基本的な日用品が足りていません。
推計では子どもの5%には同行者がおらず、多くの女性と女児が逃亡中に性的暴行の被害に遭ったと言いました。9月初めに、ドルマ(オー=ユル州)の近くに住む難民は攻撃を受け、配給食糧は盗まれ、保健センターは見知らぬ侵略者に略奪されました。
南スーダンの中央エクアトリア州の情勢不安は、UNHCRが南スーダン国内の何千人もの難民のところに行き、支援する能力にも著しく影響を与えています。イエイの約40km南に位置するラス居住地では、コンゴ民主共和国・中央アフリカ共和国・スーダン出身の難民1万人近くが、6月下旬以来毎月の配給食糧を受け取っていません。
より多くの資金と支援なしには、UNHCRとパートナー機関は最も基本的な援助をするにも苦労することになるでしょう。UNHCRは支援者の方々に、南スーダン難民支援事業のために7億100万米ドル(約701億円)のご支援をお願いしていますが、これまでに集まった資金はその2割です。
原文はこちら(英文)
Refugees fleeing South Sudan pass one million mark
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