「今、いったいどこに?」-家族とはぐれ、危険にさらされる子どもたち-

公開日 : 2015-12-10

現在、大規模な難民の流入が起こっているヨーロッパをはじめ、シリアや南スーダンなど多くの難民が発生している地域や避難先では、子どもたちが親や保護者とはぐれ、単独での避難を強いられるケースが多発しています。こうした子どもたちは暴力や搾取の危険と常に隣り合わせで、時として生命の危険にさらされます。UNHCRは、このような子どもたちを保護し、家族と再会できるよう様々な支援を行っています。

世界の難民の半数は18歳未満の子どもですが、2014年、保護者を伴わない子どもたちの庇護申請は、82か国で約3万4千人と過去最も多くなりました*。2015年は、シリアなどの紛争国から多くの難民がヨーロッパへ流出していることもあり、その数はさらに増加しています。

*庇護申請:自身の故郷から逃れて、他の国に保護を求めること/出典:Global Trends 2014

故郷を追われた子どもたちが親とはぐれてしまった場合、なんの心の準備も備えも持たず、極めて弱い立場に立たされます。例えば性的暴行などの暴力や虐待、密航業者などによる搾取、見知らぬ土地での拘留、武装集団における少年兵としての活動の強要などです。その結果、心身に取り返しのつかない傷を負うこともあるのです。

UNHCRは世界中の活動地域で、こうした子どもたちに迅速かつ適切な対応を行うために、国際機関やNGOとの連携のもと以下のような様々な援助活動を行っています。

・難民の到着、出発ポイントにおける家族の離散の防止:難民の到着/出発ポイントでは、難民の殺到などの混乱で家族とはぐれる子どもが少なくありません。そうした家族の離散を防ぐため各ポイントに職員を配置して、はぐれた子どもをすぐに発見し、その場で家族を見つけられるよう迅速に対応します。

リストバンド
リストバンドを使っての難民登録。登録を受けることで、UNHCRの支援対象として様々な支援を受けることが可能になります

・難民登録:保護者を伴わない子どもを難民として登録することにより、その存在を証明し、様々な支援を提供できます。また、名前や年齢などの情報をデータとして記録するため、捜索が可能となります。

・子どもの保護に関する専門家による聞き取り調査:到着ポイントや難民キャンプなどで、子どもから個別に聴き取り調査を行い、適切な宿泊施設や心理的なサポートなどそれぞれの子どもに必要な支援を見極め、対応機関に照会します。

・はぐれた子どもの家族の捜索:赤十字国際委員会などのパートナー団体と連携し、保護者とはぐれた子どもの家族を捜索して再会できるよう支援を行います。

「この子を産んだ日よりも幸せです」
ステラ(12歳)は5歳の時、ブルンジの紛争から逃れる最中に家族とはぐれてしまいました。紛争が終わった7年後、UNHCRと関係機関との連携により、約100キロ離れた難民キャンプにステラがいることが判明。母親のイシドリーは、7年ぶりの再会に声を弾ませました。「娘が帰ってきてくれてとてもうれしいです。この子を産んだ日よりも幸せです」

「もう二度と会えないかと思っていました」
シリア難民のナーサン夫妻は、6人の子どもを連れてクロアチアとセルビアの国境を越える際、息子のモハマド(4歳)とはぐれてしまいました。 それに気付いたのは国境の反対側に着いた直後で、群衆のなか探し出すことは不可能でした。しかし、クロアチア側とセルビア側双方のUNHCRと赤十字が連携してモハマドを発見。 4日ぶりに無事再会し、息子を抱きしめることができました。


難民の子どもたちの多くは、紛争によって故郷や家を破壊されたり家族を失うなど、避難先にたどり着くまでに耐え難い経験をし、強いストレスと心の傷を抱えています。
子どもたちが、家族と離れ離れになることを未然に防ぐために。
家族が見つかるまでの間、不安を抱える彼らが適切な支援が受けられるように。
そして、一刻も早く愛する家族と再会できるように。

今日も世界各地で、UNHCRは難民の子どもたちに寄り添い、援助活動に尽力しています。

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