ケニアから帰還するソマリア難民へのさらなる支援が必要
公開日 : 2015-11-06
ソマリア難民帰還の動き

10月16日―UNHCRは、2014年12月以降ソマリア難民5000人近くがケニアのダダーブ難民キャンプから帰還し、さらに4500人が帰還の登録をしたと発表しました。
UNHCRは帰還する難民の出身地への移送を支援してきました。キスマヨの南港、首都のモガディシュ、ソマリア南部のバイドア、中央部のルークを中心に行われました。
UNHCRのエイドリアン・エドワーズ報道官はジュネーヴでの記者会見で、「新たな生活を始める助けとなるよう、彼らは現金、食糧、寝袋や蚊帳、ソーラーランタン、衛生用品、台所用品といった基本的な家庭用品も受け取っています」と述べました。
一方、UNHCRはソマリア難民2万6000人以上がイエメンでの暴力から逃れてソマリアに帰還し、その多くがモガディシュに戻ったと述べました。
ソマリアの多くの地域における治安状況や社会経済状況は大規模な帰還に適しているとは言えず、難民の多くが帰還について懐疑的ですが、避難生活から抜け出し国の再建に貢献したいと考えている人もいます。
「世界で最も複雑な難民問題のひとつを終結させるためには、数少ない帰還民が成功し、より平和で安定したソマリアのために貢献できるようにすることが重要です」とエドワーズ報道官は付け加えました。
この国の社会基盤や経済基盤へのさらなる支援や投資が緊急に必要とされていると彼はつけ加えて述べました。
「治安への懸念がある一方で、設備が整った公立学校や雇用機会の不足が、帰還を思いとどまる理由として多くの人から挙げられています。」
帰還と地域再建に向けた国際的支援の行動計画を策定
ソマリアへの国際的支援を集めるため、UNHCRとEU(ヨーロッパ連合)は10月21日にブリュッセルで誓約会議を開催します。アントニオ・グテーレス国連難民高等弁務官、フェデリカ・モゲリーニEU外務・安全保障政策上級代表、ネべン・ミミツァ欧州委員会国際協力・開発担当委員が、ソマリアのオマール・アブディラシッド・アリ・シャマルケ首相、ケニアのアミナ・モハメッド外務長官、そのほかジブチ、エチオピア、ケニア、ウガンダ、イエメンの上級代表団を迎えます。
この会議で、これらの地域からソマリアへのソマリア難民の持続可能な帰還に向けた準備と帰還地域の再建のための行動計画を示す予定です。
インフラの再建、法律の施行、教育、水と衛生、保健対策、シェルター、農業、雇用機会の創出が、ドナー国や組織30団体以上の代表に対する行動計画の中心となります。この計画には合計5億米ドルが必要とされ、2017年末まで2年間にわたって実施されます。
この地域ではソマリア人200万人以上が避難を余儀なくされ、このうち110万人が国内で避難生活を送り、96万7000人が難民として周辺国に避難しています。その大部分にあたる42万人がケニアで暮らし、その多くがケニア北東部のダダーブにあるキャンプ5か所に住んでいます。ソマリア難民25万人近くがエチオピアで、約20万人がイエメンで生活しています。
詳細はこちら(英文)
More support needed for Somali refugees going back home from Kenya