難民支援と開発

公開日 : 2015-08-29

長期化する避難

長期化する避難の様子。写真はザータリ難民キャンプ。
みなさんは、紛争から命を守るために避難してきた難民が帰還するのにどれくらい時間がかかると思いますか?1年、2年、それとも3年くらいでしょうか?短いときは数か月ほどで帰還できることもありますが、10年以上帰還できなかったり、一時的に庇護を受けている国で居住して避難が長期化することがあります。 また、都市部に避難した人々は、テントの並ぶ難民キャンプに住むのではなく、様々な形で町の中に住んでいます。避難した先で夫婦の間に子どもが生まれると、その子もまた「難民」なってしまいます。このような「長期化した避難」を支援するためには、食糧やシェルター(簡易住居)を提供するだけでは、困難な状況を根本的には解決できません。

長期化した避難を支えるためには?

では、「長期化した避難」を支援するために何が必要でしょうか?長期化した避難を支えるためには、難民の人々への直接の支援に加え、難民を受け入れた国や町、コミュニティーの発展を支えることが必要です。難民が長期間生活するための町の整備、社会保障のサポート… こういった支援を行うのは、各地域の行政組織ですが、財政的に多くの困難があり、受け入れをした地域も支援機関からのサポートを必要としています。 UNHCRが行う重要な支援項目のひとつに教育があります。想像してみてください。もし、あなたが9歳のときに他国に避難して、そのまま教育を受けられず18歳になったら、言葉のよく分からない国で、家族を養っていくための職は見つかるでしょうか?「教育を受けられない」というのは、「今」にだけ影響があるのではなく、「将来」にわたって大きな影響を及ぼす問題です。

また、教育は大人たちにとっても大切なものです。避難した先で、生活していくためには、職を見つけなければなりません。UNHCRは避難した人々が、職を得たり、安定的な収入を稼げるように、職業訓練などの支援も行っています。これも教育支援の一環といえるでしょう。

「地域の発展を支える人材」に

洋服の仕立て方を学ぶアフガニスタン難民。
このような教育支援は「長期化した避難」の支援にとても重要です。なぜなら、教育を受けた人々は、その地域で職を得て働くことで、自らの生活を自立的に支えるだけでなく、「市民」として地域の発展を支えることができるからです。教育を受けることで、「避難してきた人々」から「地域の発展を支える人材」になることができます。 教育支援は長期にわたる活動です。資金の不足している現状では、今月教育を受けられた人々が、来月も教育を受けられるとは限りません。食糧支援などの活動や緊急支援も行わなければならないので、支援のための財源は、バランスよく使われます。「長期化してしまう避難」を支えるために、国連UNHCR協会は、支援者の皆様に毎月ご支援にご参加いただけるようお願いをしています。例えば、毎月5000円のご支援を1年間、79人分の教科書を購入することができます。毎月のご支援があることで、安定的に資金を確保することができ、UNHCRは「長期的な展望」のもと支援活動を進めることが可能です。 難民の未来に光をともすため、難民を受け入れて困難に立ち向かう国や地域を支えるために、皆様の温かいご支援をお願いします。
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