マリ北部の戦闘再開で5万7000人がふるさとを追われる

公開日 : 2015-07-13

戦闘の再開

子どもたちと一緒のマリの女性
モプティのかつてホテルのあった場所に建てられた一時しのぎのシェルターの外で、子どもたちと一緒のマリの女性。戦闘によってマリ北部のふるさとを追われた。

ジュネーブ、5月29日――UNHCRは5月29日、この4週間で、マリ北部のガオ、モプティ、ティンブクトゥ各地域で武装勢力間の戦闘が再び始まったことで、およそ5万7000人がふるさとから避難したと、政府発表の数字を挙げて述べました。

「治安状況が不安定なため、人道支援活動を行う人たちが、被害を受けたどの地域にもアクセスできない状態が続き、この地域の治安悪化の拡大は、新たに避難を余儀なくされた人々への保護と支援の提供を非常に困難なものにしている」と、UNHCRのウィリアム・スピンドラー報道官はジュネーブで記者団に述べました。

増える国内避難民

報道官は、2012年の政府軍とさまざまな反政府勢力との紛争以降、いまだふるさとに戻っていない国内にいる4万3000人を超える国内避難民に、新たに避難を強いられた人々が加わっていると説明しました。現在、マリの国内避難民(IDP)は合計10万人余りで、主に国の北部に避難しています。

治安状況が悪化したのは、5月15日にマリの首都バマコにおいて、政府といくつかの武装勢力との間で和平合意の署名が行われた数日後でした。強制移住の被害を最も受けたのはティンブクトゥ地域に暮らす人々で、この地域で5万3000人を超える国内避難民が登録されました。

また、政府は、ガオ地域でおよそ2350人、モプティ地域で1600人余りが避難を余儀なくされたと報告しています。「マリ北部のUNHCRの各チームが、新たな避難民の一部と話したところ、彼らは武装勢力による暴力や強制徴兵の恐怖から村を逃げ出してきたということです」とスピンドラー報道官は述べました。

避難民の窮状と支援

報道官は、UNHCRは、IEDA ReliefやHandicap Internationalとともに、ニーズを判断するためにティンブクトゥにチームを派遣したと話しました。多くの人が、生まれ育った村のより安全とみなされる場所や、近隣の村に移動していたことがわかりました。「野宿をしている人が大勢いますし、友人や親せきと一緒に暮らしている人もいます。避難民の中には女性や子どもがたくさんいて、シェルターや水、食糧を緊急に必要としているという報告をチームから受けています」と報道官は述べました。

また、5月第4週の初めには、困難な状況にもかかわらず、UNHCRはティンブクトゥの西85キロに位置するグンダムで、1500人を超える新たな避難民に救援物資の配給を始めていたと話しました。こうした配給は、現地の事業実施パートナーであるStop Sahelと協力して進められています。

「また、UNHCRは現在、ティンブクトゥの東およそ100キロに位置するグルマ=ラロー圏にいる、およそ1万2000人の新たな避難民に対して、調理器具セットや石けん、蚊帳、毛布、ビニールシートを今後届ける手はずを整えるため、ティンブクトゥ地域に救援物資を運んでいます」とスピンドラー報道官は述べました。

国外への避難と弱まる人々の結束

国内避難民のほか、少数の人々が国境を越えて近隣諸国に逃れています。UNHCR各チームは、ブルキナファソで5月11日から28日までに、マリから新たに到着した258名を登録しました。また、モーリタニアには4月末以降、マリ人およそ236名が到着しています。ニジェールでは、マリから新たに238名の難民が到着したとの報告をUNHCR各チームから受けています。

「その数はまだ比較的少ないですが、これは極めて憂慮すべき事態です。というのも、これは、マリの内戦が社会の結束をどれほど弱めつつあるかを示しているからです。ニジェールに逃げてきた難民はガオ地域の1つの村の出身で、そこでは5月初めに、異なる武装勢力間の戦闘が勃発し、住民が殺されました」と報道官は話し、そのため、村人たちはニジェールに逃れてきたものの、対立する武装勢力とつながっていると非難し合い、同じキャンプに暮らしたがらないのだと付け加えました。

進んでいた帰還

マリから避難してきた難民は、直近の暴力が勃発するまで、ブルキナファソ、モーリタニア、ニジェールから少しずつですが着実にふるさとに帰還していました。マリ政府は、2013年以降、3万5232人の難民が帰還したと推定しています。UNHCRは、彼らのうちの1万6500人を確認し、そのうち1121人は、2015年1月以降に帰還しました。

帰還地域でUNHCRは、学校の再建、病院への医薬品の支給、井戸掘り、シェルター用キットの支給、自立活動の支援、弱い立場に置かれた人々への救援物資の支援など、コミュニティに根ざしたプロジェクトを通じて帰還民への支援を行っています。帰還地域での平和的共存をはぐくむために、これらのプロジェクトは、受け入れコミュニティと帰還民コミュニティ双方にとって役に立つものです。

帰還できない難民

ブルキナファソの3万3400人、モーリタニアの5万2000人、ニジェールのおよそ5万人を含む約13万7500人のマリ人が、近隣諸国で今も難民のままです。

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