若いシリア難民たちが食糧のために種をまく方法を学ぶ
公開日 : 2015-02-05
難民から難民へのガーデニング講習会

17歳のアブダラは、彼の祖父に花や野菜の育て方を学んだシリアに住んでいた幼いころから植物を育てることが得意です。 故郷をばらばらに分裂した戦闘から逃れた後、家族とともに見つけた避難所があるレバノン近郊の高原にあるコミュニティーセンターで、彼は現在自分の知識を他の若い難民たちに伝えています。アブダラの教え子には、地元の若者たちも含まれています。
自給自足の社会づくり
「地面に小さな穴を掘って、種を入れるんだ」とアブダラは一人の子供に説明します。「そして種を守るように穴を土で覆ると、種は育っていくんだよ」と彼はやり方を教えながら付け加えます。
これは難民たちが自分たち自身の知識に頼らなければならない国において、自給自足の方法を身につけるために価値のある授業です。彼が育てた野菜は、レバノン山脈に位置するMazboud村にあるこのセンターを利用する子どもたちなどの食糧になるでしょう。
アブダラは、レバノンに14か所あるUNHCRがイギリス政府の支援を得て建てたコミュニティーセンターのひとつの庭で、空のペットボトルやその他廃棄物などを役立つものに再生利用する方法も若者たちに教えます。
レバノン山脈辺りに冬が訪れましたが、天気が良い日は静かな庭が子どもたちに遊ぶ場所やトラウマ回避のためのカウンセリングを受ける場所になります。そこは新しい友達を見つけたり、新しい興味を育てる場所でもあります。大人たちは英語を勉強したり、アラビア語を上達させるためにここに来ています。また農業や洋裁、理容、料理など自給自足になるために必要な新たなスキルを身につけることもできます。
家族でシリアからレバノンへ
4人の子どものなかで最年長のアブダラにとって、首都シリアでの状況が非常に危険になり、彼の家族がレバノンに逃れてきてから2年経ち、ここはダマスカスで育った幸せな時間を思い出させる場所です。アブダラは友達のことがとても恋しいです。
歴史の先生であるアブダラの母はレバノンで仕事を見つけることができていませんが、大工である父が家族の最低限のニーズをまかなっています。レバノンに到着してから、アブダラは無事でよかったと話す一方、彼は意気消沈しました。
その地域に積極的に貢献をしたり、レバノン人がシリア難民に対して持っている認識を改善したいという思いから、アブダラはコミュニティーセンターの庭で奉仕活動をするようになりました。彼の母によると、その活動には治癒効果もあり、おかげでアブダラは昔の自分を取り戻しています。
UNHCRと現地NGOの支援
アブダラは、レバノン人のソーシャルワーカーで、UNHCRのためにこのセンターを運営するイタリアの非政府組織、Intersosに雇用されているフィラズに励まされてきました。「フィラズは私の友人です」と、この活動に従事させ、現状を最大限に活かし、前に進み、新たな情熱や才能を伸ばすことを助けてくれた一人の男性についてアブダラは語りました。
このMazboudのコミュニティーセンターは、他にもたくさんの人を助けてきました。たとえばレバノン出身のハシバは、その人生の半分はシリアで過ごし、逃げてきてこの近くに部屋を借りました。「すべてを失いましたが、このセンターは再び人生の良い面を見せてくれます。この場所は人々に平和をもたらしています」と彼女は言います。
英国政府の支援を受けているこのセンターを含めたその他のレバノンにあるコミュニティーセンターは、チャイルドケアやヘルスケア、人々の生活力や賃金獲得能力の向上を含めた、地元のサービスについての重要な情報を人々に提供しています。ソーシャルワーカーはカウンセリングや心理社会面での支援を提供します。すべてのコミュニティーセンターは、難民や地元民のために開かれています。
アブダラのやりがい
子どもたちが花用ポットに変えて、木に吊るした古びた水筒を見るとアブダラの顔は明るくなります。彼の教え子たちは再生利用と環境保護について短時間で学んでいます。彼は、ゆっくりと子どもたちの作業を一人ずつ確認していきます。教えることで彼は自信と満足感、希望を得ています。
UNHCRのスタッフにその創造性を称賛されたアブダラは、「たいしたことではないです。私はまだまだできます」と言います。
詳細はこちらから。(英文)