ランペドゥーサの悲劇から1年;地中海の渡航、より危険に

公開日 : 2014-10-27

SOS:イタリア海軍は北アフリカから船でヨーロッパに辿り着こうとする人々を救助しています。2013年通年で6万人が地中海を横断したのに対し、2014年9月末までに約16万5000人の人々が横断した。何百人もがヨーロッパへ向かう途中で命を落としました。

地中海渡航における死者数・死亡率の増加
UNHCRは10月2日、今年第3四半期の地中海の非合法横断に関する最新のデータが、ヨーロッパへと渡ろうとする間に死亡する人々の数が急激に増加していることを示していると発表しました。

UNHCRの声明は、その数は絶対数、割合ともに大幅に増加していると述べました。「1月1日から6月30日の期間に7万5000人がヨーロッパに渡り800人が命を落としたのに対し、7月1日から9月30日までの間に合計で9万人が渡航し、少なくとも2200人が命を落としました。つまり、今年の前半に横断しようとした人が1.06%の確率で命を落とした一方、第3四半期に横断した人が命を落とした確率は2倍以上の2.4%だったのです。」

2013年通年で6万人の人々が横断したのに対し、2014年の現在までに16万5000人の人々が渡航しました。2014年は記録的な年となり、多くの関係者の絶望の程度を反映しています。

UNHCR、ヨーロッパ各国の共同を要請
UNHCRは、危険性という見地から、ヨーロッパに対し、地中海海上での救助により多くの資源を費やし、危険な航海に替わる合法的な手段を提供するためにいっそう努力することを繰り返し要求すると述べました。「海上にいる人々を救い、難民がより安全にヨーロッパに渡る方法を増やすために合同で大きな力を発揮する必要があります。もしヨーロッパがこうした努力に失敗すれば、より多くの命が失われ続け、1年前のちょうどこの週に起きたランペドゥーサ沖の惨事のような事件がよりありふれたものになってしまうでしょう」と付け加えました。

「われわれは10月の恐ろしい出来事から教訓を学べずにおり、さらに多くの難民が安全に辿り着く前に溺れてしまっています。EU諸国は、主にイタリアの地中海作戦、そして商業船によってなされてきた、海上の人々を助ける必要不可欠な職務を続け、支えるために共同しなければなりません」とアントニオ・グテーレス国連高等難民弁務官は述べました。

渡航者数・死者数増加の要因
今年の渡航者数と死者数増加の詳しい理由はわからないものの、いくつかの要因が関係しているように思われます。1つは、渡航者の多くが出発する場所、リビアの状況です。そこでは、サブサハラや中東出身の難民申請者や移民のような弱い立場の人々を危険が襲い、避難へと駆り立てています。

「リビアは人権と国際法の尊重を確実にするために自身の役割を果たすべきです。法による規制が弱く密航が盛んになっています」とUNHCRの声明は述べました。同様に明らかなのは、船が頻繁により混みあっていることで、船上で窒息死もしくはライフジャケットを着ていないために亡くなる場合もあります。

先月のマルタ沖の悲劇では、船が伝えられるところでは密輸業者によって沈められ、500人もの人々が亡くなり、11人のみが生き残りました。生き残った人々は家族や友人が亡くなるのをどうすることもできず眺めながら水中で数日間を過ごしました。

渡航者における難民の件数増加
UNHCRは、ヨーロッパへ渡ろうとする全ての人々が保護を求めているわけではないものの、第3四半期のデータが自国内での戦争や迫害を逃れる人々の割合が高まっていることを示していると述べました。シリアとエリトリアの2国からの難民申請者は、7月1日からの渡航者のほぼ半分を占めています。これは世界の難民数全体(世界で1670万人、その大半が戦争地域に隣接した国々により受け入れられています)のほんのわずかではあるものの、難民の件数増加を表しています。

UNHCRからヨーロッパ各国への要請:渡航における代替手段の確保
渡航者の多くがヨーロッパへ至る合法的もしくは安全な手段を持っていません。「人々を密航業者と旅をする危険から守るために緊急に代替手段を見つける必要があります」とUNHCRの声明は述べ、代替手段として再定住枠の増加、戦争や迫害を逃れる人々のための人道的ビザ、EUと北アフリカ諸国による、国境の安全だけでなく人権や難民を監視する共同国境管理政策などを挙げました。

UNHCRはまた、ヨーロッパの各国政府に対し、家族の再統合を促進するためによりいっそう努力することを要求しています。さらに、政府は難民の利益のために民間の助成金機構を設立したり、学生ビザもしくは就業ビザというプログラムを利用したりすることもできます。「我々はこうした必死な人々が安住の地を見つけられるようにするためのより良い方法を見つけなければなりません。彼らはわれわれの多くが想像することしかできないような危険や恐ろしい経験を経てきているのです」とグテーレスは述べました。

こうした挑戦に少数の国々だけで取り組むことはできません。国際的保護を必要とする人々のための追加の一次受入施設、解決策の見極めや実行過程における援助を確実にする各国とEU間の協力に基づいたヨーロッパ共同の対応が必要です。

UNHCR報告書「近くても、遠い安全」はこちらから。(英文)

詳細はこちらから。(英文)

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