レバノンにいるシリアの子どもたちの自信を育てるレゴブロック

公開日 : 2014-11-04

レゴブロックの塔

レゴブロックを使う子どもたち
レバノンのシェルターにて、チームビルディングと紛争解決の演習において、子どもたちがレゴブロックを使って強くて安定した塔を作ります。

13歳のムハンマドと12歳のラマダンは、ベイルートのユースセンターで向かい合い、目の前の塔に鮮やかに彩られたレゴブロックを順番にのせ、高くしていきます。

しかしこの2人の少年にとって、これはただのゲームではありません。彼らは自分のふるさとを離れてレバノンで避難場所を探さざるを得なかった52万人のシリアの子どもたちのうちの2人です。2011年にシリア危機が勃発してから、彼らのほとんどはムハンマドのように家族と引き離されるか、捨てられました。接続されたプラスチックのブロックは、この2人の少年が失われた子ども時代を取り戻し、自身とコミュニケーション能力を高めるのに役立っているのです。

ムハンマドの物語

ムハンマドがシリアのイドリブという町で自分の家から逃げた時、彼は自分の子ども時代を置いてきました。「ぼくは2012年にレバノンに来て、4か月間路上で一人で生活したんだ。自分ひとりでやっていく方法を学んだよ。働いて、隠れる場所があればどこでもねむったよ」と、その10代の少年はUNHCRに話しました。

彼の話は心をかき乱すものですが、めずらしくはありません。それでも彼は、UNHCRが計画しレゴ財団が資金提供したプログラムのもとでシリアの15人の子どもたちの一員として、一緒に働き方を学び心の傷を回復し、自信を再構築し、友達をつくり、教育を受ける喜びを再発見し、遊ぶことができる点で幸運なのです。

「ムハンマドは大きく変わりました。彼はかつてはかなり恥ずかしがりやで、最初の1~2週間はよく一人ですごしていました。彼は発音に問題も抱えていました。けれど今は、彼はまるで別人のようです。自信を持ち、協力的で、進んで人を助け、よく他の子どもたちに溶け込んでいます」と彼の先生であり、現地の援助隊員のキム・ヘシュムはベイルートユースセンターで言いました。「わたしたちは彼が非常に明るい未来を持っていると信じています。」

UNHCR-レゴプロジェクト

このUNHCR-レゴプロジェクトは、強制的にすまいを奪われた子どもたちも含め、すべての子どもたちが遊び、教育を受ける権利を持っているという核となる信念に基づいています。ヘシュムのような現地の援助隊員は、財団が寄付したレゴブロックを使う子どもたちの活動を指導するように訓練されてきました。

ムハンマドにとってのレゴブロックの授業

ムハンマドにとってこの遊びの授業は、自信をつけ、他の重要な力を身につけるのに重大な役割を担ってきました。「ここの授業とレゴブロックが、自分を表現するのをずいぶん助けてくれたよ」と、その10代の少年は打ち明けました。

「最初は自分がレゴブロックを好きになるとは思わなかったけど、今はレゴブロックで自分に何ができるかわかるから大好きなんだ。もし一日レゴブロックで遊んで過ごせるとしたら、そうするよ。」彼は友達のラマダンに続いて塔に次のブロックをのせる前にこう付け加えました。

「ぼくたちは強くて安定した塔を作ろうとしているんだ」と、彼は説明しました。それは単純な楽しみのようにも見えますが、キムが指摘したように、その演習は、チームビルディングと紛争解決に焦点を当て、子どもたちの自信を育て、お互いの交流を促進しているのです。

レゴブロックを積みながら―演習の目的

「子どもたちが塔を作っているとき、わたしたちはそれぞれの子に、隣に座っている子どものよい性質を言うように求めます。よい性質の数が多ければ多いほど、塔も高くなるのです」とキムは説明しました。彼女はレバノンのNGO、Himayaで働いています。

「子どもたちはときどき恥ずかしがります。自分が経験してきたことのために、知らない人に関して肯定的なことを言うのは難しいと感じる子もいます。それでもわたしたちは、そういう子も声、髪など何かしら好きなことを見つけることができると確信しているので、子どもたちに深く探し求めるように言います。いつもそこから始まるのです」と、彼女は付け加えました。

塔が高くなるごとに、子どもたちの自信も高まりました。「ぼくは恥ずかしがりやでだれとも話せなかったし、知らない人に実際に近づく自信もなかった。でもぼくは強くなったんだ」と、ムハンマドは言いました。

積むだけじゃない、多様な演習

別の演習では、キムと同僚の教員たちは、子どもたちに、いろいろな色のブロックを見せられたときに手で決まった手まねをするように言いました。「黄色のブロックは手をたたくこと、緑は手でももをたたきこと、赤は自分を抱きしめることを意味します」と、彼女は指示しました。この演習は緊張をほぐし子どもたちがもう一度楽しく遊ぶことに役立ちました。ほとんどの子どもたちは長いこと楽しく遊ぶことがなかったのです。

彼女は、もっとも効果的なゲームのひとつは子どもたちに、色と、大好きまたは大嫌いなものを関連付けさせるものだと付け加えました。「これは結果として子どもたちが自分の感情をいろいろな状況と関連付け、よりそれについて話すようになる、もしくは話すことができるようになることにつながります」と、彼女は明かしました。

子どもたちにふれるために

「レゴブロックとわたしたちが行う演習は、子どもたち、特にトラウマになるような状況を目撃または経験したために話すことに困難を抱えている子どもたちにふれる重要な手段です」と、キムは強調しました。

*名前は保護のための理由で変えられています。

詳細はこちらから。(英文)

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