森進一さん (国連難民親善アーティスト)
公開日 : 2011-06-10

私が歌手デビューしたのは、1966(昭和41)年6月20日です。毎年巡ってくるその6月20日が、2000年に国連決議で制定された「世界難民の日」であることに、何かのご縁を感じています。
2007年5月17日に、東京・NHKホールで、世界の難民支援のための、第23回「じゃがいもの会」チャリティコンサートが行なわれました。
1985年に始まったコンサートの最終回ということで、これまでの出演者の中から私の他に先輩・後輩20組もの方が参加して、「じゃがいもの会」の思い出や平和への思いを語り、熱い歌声を披露してくださいました。

思えば、何か人のために役立つことがしたいという気持ちで小さな一歩を踏み出してから、23年の月日が流れていました。私にとってこれまでの歌手人生の半分以上にあたる年月であり、この活動に寄せられた多くの善意に、あらためて“人に心が備わっているのは、人を愛するため”ということを実感させていただいた歳月でもありました。
多くの方々に支えられて続けることができた活動ですが、難民支援への貢献を認めていただき、グテーレス国連難民高等弁務官の来日を記念して開催された2007年11月27日のレセプションにて、高等弁務官から感謝状をいただきました。
この活動を通じて、芸能界以外にも多くの方と知り合い、人間の幅を広げることができました。なかでもひときわ輝いていた方が、元国連難民高等弁務官の緒方貞子さんでした。人道支援のために世界を飛び回る行動力やバイタリティに、一目ぼれしました。緒方さんにお会いできる機会は限られていますが、短い時間でも多くのエネルギーを与えていただいています。

近年、芸能界の内外で若い人たちの間にもボランティアやチャリティの意識が高まりつつあることを嬉しく思っています。みんなが共に生きる気持ちで、助け合うことが大切だと思います。23年にわたった「じゃがいもの会」の精神が今後もさらに広い世代に理解され、受け継がれていくように願っています。
これからも、支援する・支援されるという枠を超えてこの地球上の人類のすべてが共に生きるという気持ちで活動を続けて行きたいと思います。

国連UNHCR協会は、日本国内で難民支援の輪がより広がることを願い、歌手の森進一さんを2011年3月に、国連難民親善アーティストに任命いたしました。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の公式支援窓口である国連UNHCR協会の広報・募金活動の拡大のためにご協力いただいています。