南米ベネズエラ難民危機 食料不足、政情不安から何百万もの人々が安全を求め国境へ向かっています 国連UNHCR協会

南米ベネズエラ緊急事態 故郷を追われる人、560万人以上

南米ベネズエラという国から、何を想像するでしょうか。世界有数の産油国であるベネズエラは、世界遺産の国立公園を持ち、カリブ海リゾートとして知られ、名曲「コーヒールンバ」が生まれた国でもあります。そして、ベネズエラは伝統的に、さまざまな国から何千人もの難民を受け入れる「難民受入国」でした。
しかし、政情不安と社会経済の混乱、食料難、そして人道危機等から、560万以上もの人々が故郷を追われ*、安全を求めて国境へ向かっています。その数は約10年間紛争が続くシリアに続き、世界で2番目に多くの人々が避難を強いられている、南米最大の難民危機となりました。
人々が武装グループや盗賊からの搾取や虐待を恐れ、急流の川を渡り、道なき道を進みながら命がけで避難の旅を強いられる中、中南米でも急速に拡大している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の危機、そして迫り来る南半球の冬も避難民に迫っており、1日も早い保護・救援が急務です。(* 2021年6月現在)

難民支援にご協力ください

避難民が5年で6,000%増加
毎日5,000人ものベネズエラ人が近隣諸国へ渡っています

2014-2018年 庇護希望者

政情不安と暴力行為、食料や医薬品、生活用品の不足により、多くの家族の生活が崩壊し、2018年には毎日5,000人ものベネズエラ人が近隣諸国へ渡りました。そして、推定460万人以上のベネズエラ人をコロンビア、ペルー、チリといった南米とカリブ諸国が受け入れています。
 
また、新型コロナウイルス感染症による国境封鎖、外出制限、不況等により、人々が安全に避難し、避難先で生活をしていくことがますます困難になっており、住む場所や生活手段を失った人、1日の食事にすら事欠く避難民の家族の窮地が多数報告されています。
 
何十万ものベネズエラ人が、正式な書類や法的許可もない状態に陥っています。この事態によって、人々は社会的セーフティネットを受けられない非常に弱い立場に置かれ、搾取・虐待・性的暴行・差別・排外等にさらされています

動画:ベネズエラ―コロンビア国境から、丸山篤子UNHCR職員の現地レポート

※2019年3月撮影

現地の人々が語る、ベネズエラの「今」

「薬の在庫が無くなっていたため、娘は適切な治療を受けられませんでした」

ブラジルで避難生活を送るエリジオ・テヘリナさん(33歳)

ワラオ系住人コミュニティのリーダー、テヘリナさんと彼の子どもたち

「私の7か月の娘は亡くなりました。」ワラオ系住人コミュニティリーダーだったテヘリナさんは話します。残る5人の子どもも飢きんで弱り、苦しんでいました。地元の市場で食べ物を見つけられなくなり、残された唯一の選択肢は国を離れることでした。「ブラジルに来ると決めたのは、子どもたちが飢えていたからです。食事は夜に一日一食。夕食をほんの少しだけでした。」ベネズエラ第二の先住民であるワラオ系住民の故郷ではHIV(ヒト免疫不全ウイルス)の大流行により地域が荒廃し、たくさんのワラオ系住民の子どもが麻疹(はしか)でも亡くなっています。

「パンデミックが、私たちの生活を本当に悪化させてしまった」

チリで避難生活を送るアイリーンさん(30歳)

チリで避難生活を送るアイリーン(30歳)とその家族

母国ベネズエラにある家から7000kmにも及ぶ困難な陸上の旅を終え、チリに到着後の厳しい数か月を乗り越えた後に、アイリーンさんの夫ホセ・ドミンゴさんは首都サンティアゴで就職し、彼女は健康な男の赤ちゃんを出産しました。そんな中、新型コロナウイルスの世界的流行のため、一家は振り出しに戻ってしまいました。「パンデミックが、私たちの生活を本当に悪化させてしまったことに動揺しています」と語るアイリーンさん。
アイリーンさんたちが避難するチリでは南半球の冬が始まっており、夜は氷点下に達します。ペルーでは初雪も観測されました。UNHCRは、チリと近隣諸国で脆弱な家庭が屋根のある生活を維持できるように家賃助成金を増やし、食料の入った食料カゴや衛生キット、毛布などを配布しています。

UNHCRは家を追われたベネズエラの人々のために
人道支援・新型コロナウイルス拡大防止策を実施しています

避難を強いられるベネズエラの人々を保護するため、UNHCRは以下のような緊急支援を開始しています。

  • 保護者のいない、または家族とはぐれた子ども達の保護を含む、国境での保護活動のさらなる強化
  • 新型コロナウイルス感染拡大を防ぐための衛生グッズ(石けん等)の提供を含む、保健対策
  • 立ち退き等で住む場所を失った人々のための緊急の宿泊所や避難所の提供といった生活支援
  • 受入国の各政府と協力した滞在のための法的書類処理の迅速化、職業斡旋といった自立支援
  • 保湿性の高い毛布の提供や、暖房器具・燃料・防寒着を購入するための現金給付といった防寒支援

UNHCR職員に新型コロナウイルス感染予防対策についての指導を受けたベネズエラ難民

ブラジルで安全に保護された、南米ベネズエラの先住民ワラオ系住民の子ども

難民を支援する

UNHCRは1人でも多くの難民・避難民を保護するため、
活動を続けています

UNHCRユーエヌエイチシーアール(国連難民高等弁務官事務所)は、難民を守り、保護する国連の機関です。

緒方貞子さん

ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官

UNHCRはシリア・バングラデシュ・南スーダンなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料・毛布などの物資の配布や、難民キャンプ等避難場所の提供、保護者を失った子どもの保護や心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。
この国連の難民支援活動を支えるため、広報・募金活動を行う日本の公式支援窓口が、国連UNHCR協会です。

難民とは?

難民とは、紛争や迫害、人道危機により生命の安全を脅かされ、他国に逃れなければならなかった人々です。また、国内で避難をしている人を「国内避難民」と呼びます。

UNHCRの難民支援にご協力ください

幼い子どもを連れて、450km先の町を目指してコロンビア ― ベネズエラ国境を越える若いカップル

「逃れて来る人々は飢餓、医療の欠如、政情不安、脅迫、そして恐怖を語りました。彼らは家族であり、女性であり、子ども、若い少年・少女であり、時には何日も徒歩で旅をして避難を強いられ、非常に弱い立場に置かれた人々です」とエドゥアルド・ステインUNHCR-IOMベネズエラ難民・移民担当特別代表は語ります。
南アメリカ/カリブ地域史上最悪と言われる今回のベネズエラ難民危機によって避難を強いられている人々のため、UNHCRは地元当局と協力して援助活動に尽力しています。しかし、ベネズエラを逃れる人々を保護するために2021年に必要とされる2億9920万米ドル(約317億1520万円)のうち、わずか18%* しか集まっておらずこのままでは援助活動の縮小を迫られることが必至です(* 2021年6月現在)
故郷を追われるベネズエラの人々の尊厳と未来を守るため、どうぞ、今すぐ、ご支援ください

皆様のご寄付できること

  • 10,000円で

    難民登録8人分

  • 25,000円で

    調理器具セット14家族分

  • 55,000円で

    テント1張

※1ドル=106円換算

*皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。