難民を守る。難民を支える。国連UNHCR協会

ウクライナ。緊張が続く接触線そばの村で冬を迎えるということ

紛争開始から5年。
紛争と隣あわせの日々の中で厳しい冬を迎えている人々が今、必要としている支援とは…

ウクライナ領の境界にほど近く紛争によって影響を受けている地域に住むナタリア。背中に砲弾を受け、取り除いたものを見せてくれた

ウクライナ東部では、5年以上にわたる紛争により一般市民の家々が破壊され、生活に欠かせないインフラが標的にされてきました。何千人もの避難を強いられた人々、一度は避難し再び故郷に戻った人々、逃れることができなかった人々、避難してきた人を受け入れている人々。多くの人が終わらない紛争の中で生計を立てる手段を失い、日々の暮らしが困窮の一途をたどる中、追い打ちをかけるように訪れる6度目の極寒の冬。今、人々が必要としている支援とは。紛争がもっとも激しく、すぐ近くに危険が迫る接触線、ウクライナ領の境界地域で生活を送ってきた人々の声をお届けします。

ステファニア(71歳)

UNHCRから石炭の支援を受けたステファニア。それでも家の中で防寒着は欠かせない

ここの冬は寒くて風も強いのです。気温はマイナス10度くらいになります。この時期、砲撃によって、ここで生活していくのは難しくなります。始まったら地下室に避難するのですが、とても寒いのです。2015年に私の家が砲撃されたときは、厚手の服とブランケットを持って逃げました。砲撃が止んだ後に家に戻ると、おかしなことに、冷蔵庫やテレビなど、多くのものは壊れていませんでした。ただ天井がなくなっていて。においもひどかった。いろいろと燃えていて、私は近所の人の家に身を寄せました。冬の後、私は腎臓と心臓を患ってしまいました。

ウラジスラフ(64歳)

妻には数年前に先立たれました、と語るウラジスラフ

2015年に家が爆破された後、家の地下で生活しました。近所の人たちも私のところにきて、外からは砲弾の音やガスパイプが爆破する音が聞こえました。庭の木を切り倒して暖をとるしかありませんでした。日々のパン、ガスも電気もなく、夏に収穫したジャガイモを食べて切り抜けました。外に誰かが行くときには、どこへ行くのか聞くようにしていました。戻ってこなかったときに、探しにいけるように。今は怖くて、ひとりではいられません。近所の人たちには感謝しています。午後には彼らの家に行って、温まらせてもらうのです。石炭はとても高いので、冬に買えるように、夏は生活を切り詰めてあまり食べません。年金はわずか(約67米ドル)ですから、その余裕はありません。

オレナ(23歳)

接触線にほど近い自宅アパートで

今起きていることの矢面に立たされているように感じます。紛争のせいでセントラルヒーティング(暖房システム)は機能していなくて、UNHCRとそのパートナー団体からストーブを受け取ったとき、本当にうれしかった。暖房が一番重要ですから。ほかの団体も助けてくれています。子どもを抱えながら、ここで暮らすのは本当に大変ですから。ここより安全などこかへ引越せたら、そう願っています。病院も薬局も近くにありませんし、もしも何かが起きた時、どれだけ早く救急車が駆けつけられるか、いつもそればかり気にしています。

現地で必要とされている主な防寒支援

  • 燃料と暖房器具の支給
  • 冬服や毛布の配布
  • シェルターの支援
  • 集合避難所の支援 など

長く厳しい冬を前に、すでに支援は始まっています!
紛争で影響を受けている地域に届けたトラック6台分の緊急・防寒支援

極寒の冬に先立って、9月、UNHCRは他団体と協力し6台のトラックで、紛争の激しい接触戦に隣接しその影響を受けているコミュニティに救援物資を届けました。 パートナー団体の協力を得て、救援物資各種、シェルター関連素材、給水装置、ポリオワクチンなどを現地で配布するとともに、285軒の家屋を修理。さらに、以前はアクセスすることさえできなかった孤立地域の約220世帯にも、直近の砲撃を受けて生じた住民の差し迫ったニーズをもとに支援物資を届けました。

過去に支援を受けて安全な地域に引っ越したナディヤ(59歳)の声
紛争が始まってから私たちがどんなふうにここまで乗り切ってきたか、きっと想像できないでしょう。最初の2年は紛争の境界領域からほど近い村で暮らしていて、毎日砲撃がありました。家は損壊し、飼っていた犬は死にました。埋まっていた地雷のせいで私たちは身動きがとれませんでした。とりわけ冬場の暮らしは厳しく、窓が割れていたので、家の中を暖かくするのに苦労しました。雨漏りもひどく、ほとんどの時は電気がない状態でした。毎日怖くて、私たちにはどこにも行くところがありませんでした。
UNHCRのパートナー団体プロリスカのおかげで2016年、安全な場所に避難することができました。彼らは私たちに手を差し伸べてくれた最初の団体であり、とても感謝しています。食べ物や温かい洋服、石炭、薬も持ってきてくれました。


最近、コンサートに行きました。皆が楽しんでいる一方で、思わず泣き出してしまったんです。人生はなんて公平ではないんだろうって。幸せな人生を送ることができる人もいれば、紛争のすぐそばの村で生きるために必要な最低限のものさえない暮らしを送る人もいるのだから。
 
― ナディヤ(59歳)


紛争の影響を受けている人 国内で避難を強いられている人(国内避難民)約150万人

UNHCRによる国内で避難を強いられている人々(国内避難民)への支援

支援対象を難民(国境を越えて避難してきた人々)としていたUNHCRは1991年国内避難民の保護・支援も担う方針に転換。これにより、国内紛争が増加した90年代以降の時代に対応した援助活動ができるようになりました。この決断に踏み切ったのが、同年第8代国連難民高等弁務官に就任した緒方貞子さんです。このときの決断によって、現在のウクライナの状況を含む、国境を越える越えないにかかわらず、人命を最優先にした国内避難民の支援が実現しています。のちに緒方さんはこう語っています。「命を助けることが最優先です」*。

* 出典:国連UNHCR協会ニュースレター With You 40号

ウクライナの人々を守る援助活動資金が大幅に不足しています。

不足分37%""

5年以上にわたるウクライナの紛争により、今も150万人もの人が避難先や、生きるために必要な最低限のものさえない不自由な生活環境の中で暮らしています。本格的な冬になるこれからの季節は、3月まで平均気温が零下となる日々が続きます。紛争の影響を受けて過酷な日々を送る人々を支え、冬の寒さから守るために、世界からの支援が、緊急に必要です。現在、必要な支援を実施するための資金は63%しか集まっていません。助けを必要としている人すべてに支援を届けるために、皆様のお力が必要です。どうぞ、温かいご支援をよろしくお願いいたします。

紛争で破壊された住民の家を訪問するUNHCRの職員。ウクライナ東部ドネツク州

紛争地がもっとも激しい接触戦に隣接する村々では、
生きために必要な最低限のものさえないなかで、
極寒の冬を迎えている家族たちがいます。
皆様の温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

皆様のご支援でできること

  • 毎月1,500円を1年で

    保温性の高い毛布33枚

  • 毎月2,500円を1年で

    ストーブと専用ガス2家族分

  • 毎月3,500円を1年で

    現金給付2家族分

※1ドル=113円換算(2019年11月現在)

UNHCRユーエヌエイチシーアール(国連難民高等弁務官事務所)とは?

国連UNHCR協会ロゴ

UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は、1950年に設立された国連の難民支援機関です。紛争や迫害で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食糧・毛布などの物資の配布や、難民キャンプなどの避難場所の提供、保護者を失った子どもの保護や心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。この国連の難民支援活動を支えるため、広報・募金活動を行う日本の公式支援窓口が、国連UNHCR協会です。

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