シリアの紛争開始から6年。国内にとどまっている人々が、いま必要としている6つの支援とは… 国連UNHCR協会

シリアの紛争開始から6年間で、500万人近くのシリア人が国外に逃れた一方で、国内でも600万人以上の人が避難生活を強いられています。

昨年末、シリア最大の都市・アレッポ東部で大規模な戦闘が行われ、戦火を逃れさらに多くの人が家を追われました。UNHCRは人々を保護するシェルターの供給をはじめ、昼夜を問わず緊急援助活動を行いました。このように紛争開始から6年経ってなお、シリア国内でも厳しい避難生活を強いられ、支援を必要とする人は増え続けています。
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シリア国内で今、人々が必要としている6つの支援

1. シェルターの供給

  • 紛争に終わりが見えず、シリア国内でも避難を強いられる人が依然として増え続けていることから、緊急で逃れてきた人たちをすぐに保護できるテントや安全な避難所が必要とされています。
  • 2016年はシリア国内の避難民9万1,000人に安全な仮設住居を供給しました。

(写真)「天候によっては大変な時もあります。でも、そうでなければなんとか暮らしていくことができます」と、シリア国内の避難民キャンプのテントで家族と暮らす女性

2.生活必需品の供給

  • 刻々と変化する戦況により、ある日突然避難を余儀なくされた多くの人々は、身ひとつで逃げてくることがほとんどです。それゆえに、寒さをしのげるブランケットや避難先で温かい食事がとれる調理器具セットなど、生活必需品の供給が不可欠です。
  • 2016年、UNHCRは家を追われた300万人の人々に援助物資の数々を届けました。

(写真)昨年末、40万人が避難した西アレッポとその周辺でもUNHCRは緊急援助物資の供給を行った

3.医療サービスへのアクセス

  • シリア各地の医療施設は破壊され、医師やベッド、医薬品も大幅に不足しています。UNHCRとパートナー団体は一部地域で総合診療を無料化し、命に関わる医療・外科的処置を提供できるようにしていますが、治療や処置を必要とする人が後を絶たないため国際社会からのさらなる支援が必要とされています。
  • 2016年、シリア国内の70万人の避難民が無料で医療サービスを受けることができました。

(写真)紛争は人々の心にも暗い影を落としている。シリア人の精神科医ナーラ(右)は国に留まり、UNHCRの支援により運営されているクリニックで人々の心のケアにあたっている

4.子どもたちの教育支援

  • シリア国内では数千にのぼる学校施設が破壊され、175万人の学齢期の子どもが学校に通えていません。紛争開始当初から教育を受けていない子どももいるため、子どもたちを一日でも早く学びの場に戻れるようにする教育支援が必要とされています。UNHCRは教育関連のパートナーと連携し、コミュニティセンターや破壊を免れた学校などで補習クラスを開講するなど、教育支援を行っています。
  • 昨年は、学習の遅れを取り戻すために約1万人の子どもが、子どもの保護や心理サポートの専門知識を備えたスタッフによる補講などを受けました。

(写真)「今、目の前に未来への扉が開いているように感じます」と、19歳のオマール(右)。紛争で父親を失った後、家族を支えるために働き、約6年間教育の場から遠ざかっていた彼は、補講を受け9年課程を修了した

5.職業訓練や小規模ビジネス助成金プログラム

  • 職業訓練や新たなビジネスをはじめるための助成金プログラムは、避難を余儀なくされた人々が自ら再び生計を立てるために必要としている支援のひとつです。助成金を得て小規模ビジネスを始めた人が得る収入は、避難民とその家族の生活を支えるだけでなく、多くの避難民を受け入れている地域社会の活性化にもつながります。
  • 2016年度、小規模ビジネスの助成金を受けた160人の国内避難民が、さまざまな形で自営業を始めました。

(写真)避難以来、家族を養うためにどんな仕事でもやってきた一家の大黒柱マゼン。昨年助成金を受けて、紛争前に長年営んでいた仕立屋としての仕事を再開することができた

6.避難を余儀なくされた人たちの保護・法的支援

  • シリア国内で避難を強いられている人々は自国内にいるとはいえ、社会の秩序が失われている状況下でさまざまな困難に直面し、保護、法的・社会的支援を必要としています。UNHCRは支援の一環として、身分証などの重要書類を持たずに逃げてきた人々が医療や教育などを受けることができるよう法的支援を行っています。
  • 昨年UNHCRはシリア国内に留まる200万人に必要な保護や法的支援を行いました。

(写真)アレッポでの戦闘が勃発したとき、ウム(左)をはじめとする養護施設の住人は建物に取り残されていた。写真はウムと話すサジャド・マリク UNHCRシリア事務所代表(右手前)

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戦火を免れた古い店舗で避難生活を送る一家

戦況が刻々と変化するシリア国内に残る多くの人々は、命の危機と常に隣り合わせのなか、明日さえ見えないような日々を送り続けています。しかし、そのような日々のなかでも、必要な支援を受けながら、一日一日を、前を向いて生きようとしています。

シリア国内の避難民を最も近くで支えてきたサジャド・マリク UNHCRシリア事務所代表は言います。

「私がこの国で目の当たりにしたのは、シリア人のたくましさ、誇り、
刻々と変化する状況に適応しながら生きようとする姿です」

UNHCRは、いま過酷な避難生活を送るシリアの人たちが再び安心して暮らせる日まで、助けを必要とする人々のもとへ駆けつけ、食糧や医薬品、安全に暮らせるための避難場所、その他必要とされる支援を届けられるよう、尽力します。シリアの紛争が7年目を迎えるいま、UNHCRとともに引き続きシリアの人々を支えていただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

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