ロヒンギャ難民危機 「2歳の娘の目は、腫れあがったままです」モハマド・カシム(40歳)UNHCRは、伝えます。ロヒンギャの人々の、声なき声を。

ミャンマーでは軍隊に脅され、家業である農業もできず、移動することも許されなかったモハマド(40歳)は、2017年8月、ミャンマーでの暴力行為から避難するため、15日かけてバングラデシュまで歩いて逃れました。2歳の娘・フォーミナの目は感染症にかかり、ずっと腫れあがったままです。

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ミャンマーのラカイン州北部で起きた暴力行為により、2017年8月以降74万人以上の人々がバングラデシュに流入し、未曽有の人道危機となったロヒンギャ難民危機。近年で最速・最大規模の難民危機となったこの状況で逃れてきた人の半数以上は、子どもたちです。無事にバングラデシュにたどり着くことができずに亡くなった子どもの数も計り知れません。UNHCRは「助かる命を何としてでも守らなければ」という一心で難民の保護活動にあたっていますが、配給される食糧は必要最低限のものに限られており、2歳以下の子どもの半数以上が貧血の症状を抱え、5歳以下の40%以上が低身長などの発育不良にさらされるなど、依然として厳しい状況が続いています。

UNHCRは伝えます、ロヒンギャの人々の声なき声を

「今、この子は私の命です」ドゥル・ベグム(60歳)私は毎日この孫の男の子を抱いて、面倒をみています。ミャンマーでは、近所の人が銃で撃ち殺されるのを目撃しました。それで家族でこうして逃げてきたのです。「父も母も、行方不明のままです」マフムード(18歳・奥の男性)私たちの村は焼かれ、人々は殺されていました。私も妻も、両親は行方不明のままです。私たち家族は夜の間に小さな舟に乗り、ここにたどり着きました。海岸では2千人から3千人が舟を待ち続けていました。皆、なんとかしてバングラデシュに逃れようと必死だったのです。「レイプされ、閉じ込められて火をつけられました」ムムタズ(30歳)軍隊に家を焼かれ、村の人たちと川岸に隠れました。でも見つかってしまい、夫を含め多くの人が撃ち殺されてしまいました。その後、子どもたちのうち二人が殺され、私はレイプされたのです。娘のロジエ(7歳)も、なたで頭を殴られました。それから私たちは建物に閉じ込められ、火を放たれて…。この火傷は、その時に負ったものです。「お姉ちゃん、戻ってきて」アジア(10歳)/姉の墓のそばにて 私の姉のカブラは、高い熱を出していました。難民キャンプの病院に運ばれましたが、そのまま亡くなってしまいました。まだ14歳だったのに。お姉ちゃん、どうか戻ってきて。一緒に遊ぼうよ。
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そんなロヒンギャの人々にモンスーンの季節が到来

2019年7月、3日間続く雨による洪水、地滑りで損傷した難民のシェルター

そして今、やっとたどり着いたバングラデシュにモンスーンが到来しました。
この地に逃れてきた74万人のロヒンギャ難民を守る上で、今緊急の課題が、激しい豪雨を伴うモンスーンです。大多数のロヒンギャ難民が避難しているコックスバザール県は雨の多い地域で、雨期は地滑りや洪水が頻発します。とりわけ難民キャンプは、起伏が激しく地盤が緩いために大雨によって大きな被害が起きやすい場所なのです。
2019年7月頭の豪雨により、2万4000人のロヒンギャの人々に影響が及び、600の仮設住居が倒壊。今後も豪雨が続くことが予想され、ロヒンギャの人々の命が脅かされています。
現在、難民キャンプの至る所で豪雨・洪水への対策が進められていますが、それは、まさに時間との勝負です。

ロヒンギャ難民の命を脅かすリスク

UNHCRによるモンスーン対策はすでに始まっており、地滑りのリスクの高い場所に住む人々の安全な土地への誘導、支援が滞らないように道路や橋を補強するなど、インフラの整備を急ピッチで進めています。しかし、資金不足により十分な対策ができなければ、難民の命を脅かす下記のようなリスクが懸念されます。

汚染されやすい浅井戸を閉鎖してより安全な深井戸を作るなど、安全な水を供給するためにさまざまな対策がとられている

シェルターの補強、安全な避難場所の用意が急務
壊れたり古くなったままのシェルター(仮設住居)は、豪雨や洪水に見舞われれば、すぐに壊れたり流されたりしてしまいます。住まいの補強や、地滑り・洪水のリスクにさらされている人が安全な場所に移った際に暮らすシェルターが必要です。
 
水を媒介して感染する病気が蔓延し、免疫力の弱い子どもたちの命が危険にさらされる
水と衛生分野のUNHCRのスタッフが、今もっとも心配しているのが、コレラをはじめ、水を媒介してうつる感染力の高い病気の流行です。洪水が頻発し、混み合ったキャンプで病気が蔓延する最悪の事態を防ぐためには、被害を受けやすい地域のトイレや汚水処理施設の閉鎖が必要です。
 
人々が日々必要とする清潔な水が確保できなくなる
2018年を通して、UNHCRは水と公衆衛生分野における大規模な取り組みを実施。一人あたり一日20リットルの水の提供を目指し、地下水に恵まれない地域にはダムや貯水池を作りました。しかし、豪雨が続くと一部の貯水池が流される可能性があり、いまだ水不足の問題を抱える人々に大打撃を与えかねません。

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「想像してみてください。家や畑、大切なものすべてを手放すということを。」

UNHCRバングラデシュ・ダッカ事務所 主席保護官 中柴春乃

難民キャンプの夕暮れ時、シェルターの前で

2004年、私がUNHCRに入って最初の赴任地がバングラデシュでした。当時、1992年からいるロヒンギャの人々から彼らの苦難と苦悩の歴史を聞いていました。あれから15年が経ち、私は再び、この国でロヒンギャ難民の援助活動にあたっています。
 
今も日々、ロヒンギャ難民がバングラデシュに逃れてきています。
ミャンマーのラカイン州では日常的に暴力や脅しを受け、移動の自由がないために生活の糧を得ることもできず、食べるものにさえ事欠く日々だったといいます。それではなぜ、人々はすぐに逃れてこなかったのでしょう。どうか、想像してみてください。数世代にわたり暮らしてきた家や、長い年月をかけて耕してきた畑など、大切なものすべてを手放すということを。必ず戻れるという保証もない中、隣国に逃れるべきか、留まるべきか逡巡する気持ちを。しかし、終わりのない暴力や迫害に、ついに耐えきれなくなり、飢え死にするよりかは、という気持ちで逃れてきたのです。
 
こうして逃れてきたばかりの人たちを含む約90万人のロヒンギャ難民が避難生活を送る難民キャンプに、今モンスーンの危機が迫っています。
 
UNHCRは、これから頻発する可能性の高い自然災害からロヒンギャの人々を守るためにモンスーン対策を急ピッチで進めています。
しかし、2019年末までにロヒンギャ難民支援に必要な資金のうち18%* しか集まっておらず、UNHCRは予定している援助活動に支障をきたしかねない状況に直面しています。(* 2019年4月現在)
 
洪水や地滑りが頻発するこれからの季節、助けを必要とする人々は急増します。緊急事態に駆けつけ、弱い立場にある人たちのケースに迅速に対応することは、私たちの活動の根幹であり、UNHCRだけができることです。
 
モンスーンは、そこまで来ています。一日でも早いご寄付で、豪雨や洪水から人々を守ることができます。どうか温かいご支援をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。

UNHCRは世界中の難民の保護と支援を行なっています。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)は1950年に設立された国連の難民支援機関です。紛争や迫害により故郷を追われた難民・避難民を国際的に保護・支援し、水や食糧・毛布などの物資の配布や、難民キャンプなどの避難場所の提供、保護者を失った子どもの保護や心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。この国連の難民支援活動を支えるため、広報・募金活動を行う日本の公式支援窓口が、国連UNHCR協会です。

難民とは、紛争や迫害、人道危機により生命の安全を脅かされ、他国に逃れなければならなかった人々です。
また、難民の約50%が18歳未満の子どもです。

どうかロヒンギャ難民の命を守る力を貸してください

ロヒンギャ難民は、自国の庇護を頼るどころか、庇護を頼る国の国籍さえ持っていない人たちです。だからこそ、皆様のお力が必要です。モンスーンは、そこまで来ています。
たとえば、11,000円のご寄付で、豪雨からロヒンギャ難民の住まいを守るモンスーン対策キットを1家族に届けることができます。一日でも早いご寄付で、豪雨や洪水から人々を守ることができます。どうか温かいご支援をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。

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ロヒンギャの人々へ、私たちができること

これほどの苦しみを、これほどの痛みを、懸命に耐えてきたロヒンギャの人々。
どうぞ、彼らの命と希望を、私たちと一緒に支えてください。
あなたの支援は、UNHCRが必ず届けます。

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※1ドル=113円換算

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