難民を守る。難民を支える。国連UNHCR協会

中米の難民危機
なぜ、中米の少年・少女は北を目指すのか

こうしている今も、エルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラなどの中米の国々では、10代の少年・少女が母国を逃れて、子どもだけでアメリカやメキシコを目指しています。貨物列車に飛び乗り、警察の目をかいくぐりながらの危険な旅です。国境越えの際には、密入国斡旋業者による搾取や人身売買の脅威にもさらされています。そのような危険を冒してまで、なぜ子どもたちは母国を後にするのでしょう。その答えは、実際に中米から逃れてきた子どもたちの証言のなかにあります。

ギャングから逃げてきたマリツァ(15歳・エルサルバドル)

ギャングの暴力による被害は日常的に報じられている

「ある日叔父から『ここに留まっていては危険だ』と言われました。ギャングが、私をさらう期日を告げに来たからです」。マリツァはこのような脅迫を受けた何千もの少女のうちの、一人にすぎません。エルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラなどの国々では、少女たちがさらわれて性的暴行を受けたのち、無残にも殺されるということが頻繁に起きています。そのため多くの少女たちは、このような危機から逃れるために母国を後にするのです。

犯罪集団の勧誘を恐れて国を逃れたケビン(17歳・ホンジュラス)

ギャングの勧誘を恐れて国を逃れた少年の一人。法外な金額を要求し、払えなければ殺すというギャングによる死の恐喝も後をたたない

ギャングが裏社会で勢力を増大させ続けている中米の国々では、多くの人が恐怖にさらされながら生活しています。青少年は、暴力犯罪や金品の要求のほか、犯罪集団からの勧誘にも直面しています。ギャングから勧誘を受けたケビンは、祖母のこの言葉に背中を押されるように、国を離れたといいます。「ギャングに加わらなければおまえが撃たれる。加われば敵方に撃たれるか、警察に撃たれる。もし逃げれば、おまえを撃つ人はいないのだから」。
裏社会に一度足を踏み入れれば、犯罪に手を染めずにいることはできません。犯罪の加害者にならないため、そして自分の命を守るために、子どもたちはすべてを捨てて逃げるのです。

いま、必要とされる子どもたちの国際的な保護

国境を越えて組織的な犯行を行うギャングは、少年・少女を執拗に追いつづけます。国内のどこかに隠れたり、隣国に逃れたからといって安心して暮らせるわけではないため、彼らは中米から、メキシコやアメリカを目指して危険な旅に出るのです。

フォルカー・トゥルク国連難民高等弁務官補(法務)は、ここ数年で難民申請者が3倍にまでに膨れ上がったメキシコを訪れ、少年少女を含む中南米から逃れてきた人たちと言葉を交わしました。そして、現在の状況を“危機的なレベルに近づいている”と語りました。

UNHCRは、中米の青少年の置かれた状況に何年も前から警鐘を鳴らし、国の枠組みを超えた国際的な保護が必要であることを訴えてきました。そして避難先で弱い立場に置かれやすい少年、少女の保護に対し多角的な取り組みを行ってきました。

【UNHCRの中米の少年少女に対する支援】

  • 保護者の同伴なく逃れてきた子どもたちを特定して登録を行い、勾留され、保護を受けられない状態に置かれ続けないよう働きかける
  • 安心して避難生活を送れるシェルターの提供(2017年3月までにすでに2400人の居場所を確保。新たに725の場所を準備中)
  • 現金給付をはじめとするさまざまな生活支援(医療や精神的なケアなど)を行うと同時に、緊急時の備えを強化

メキシコで子どもだけで避難生活を送る兄弟の話を聞くUNHCR職員

2016年、中米から子どもたちだけで逃げてくるケースが急増しているメキシコで、UNHCRは政府との連携を強め、より効果的な保護を行う合意を行いました。このように、今後ますますUNHCRと政府・地域社会との協働、そして国際社会からの支援が求められています。少年や少女は命の危機から逃れ、安全な場所を得たのちには、再び学び、必要な医療や精神的ケアなどを受け、普通の生活を送る権利があります。私たちの誰もがそうであるように ― 。暴力から逃げてきた青少年が再び安心して暮らせるよう、皆様の温かいご支援を、どうぞよろしくお願いいたします。

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