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SUGIZOさん×佐藤慧さんトークイベント・レポート

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左から、佐藤慧さん、SUGIZOさん、武村貴世子さん

 

6月22日(水)、渋谷のシダックスカルチャーホールにて、日頃より難民支援活動にご協力をいただいているミュージシャンのSUGIZOさんとフォトジャーナリストの佐藤慧さんによるトークイベントが開催されました。

 

お二人は今年3月にシリア難民が生活するヨルダンの難民キャンプを訪れ、音楽と写真を通じて難民との交流を深めました。通常はアクセスが厳しく制限されている難民キャンプで体験したこと、感じたことをお話しいただきました。また、ヨルダンに同行した当協会広報委員の武村貴世子さんが司会を務めました。会場ロビーでは佐藤慧さんが現地で撮影した写真12作品が展示されました。

アズラック難民キャンプを訪れて

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砂漠の真ん中にあるアズラック難民キャンプ

武村貴世子さん:SUGIZOさんにとって人生初の難民キャンプ訪問となりましたが、アズラックの印象はいかがでしたか?

 

SUGIZOさん:予想していた以上にインフラが進んでいませんでした。キャンプができて間もないので、これからいわゆる町として機能していく以前のレアな時期に初めて難民キャンプを訪れたのだとつくづく思いました。

 

佐藤慧さん:砂漠の真ん中に突如作られたキャンプで、非常に閑散とした、無機質な場所という印象が強いです。

 

武村貴世子さん:キャンプで初めてのコンサートを開きましたが、いかがでしたか?

 

SUGIZOさん:今回よかったのは、女性がすごく喜んでくれて、オープンになってくれたので、コンサートをやった甲斐がありました。特に女性はムスリム(イスラム教徒)なので、人前で感情を表すのをよしとされませんから。

キャンプのご家庭を訪問

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ムハンマドさんとSUGIZOさんのセッション

武村貴世子さん:シリアでアラビア語の先生をしていたムハンマドさんのご家庭を訪ねました。ここで運命のセッションが始まったのですよね。

 

SUGIZOさん:楽器持ってるなら何か一緒にやろうよ、ということになって、自然と盛り上がったんですよね。音楽で会話をしているうちにものすごくハッピーになってきて。ムハンマドさんの嬉しそうな顔が忘れられない。

 

佐藤慧さん:言葉を交わさないうちに二人がどんどん笑顔になっていく様子を見て、音楽ってこんなことができるんだと。

 

SUGIZOさん:「マウテニー」*という曲が重要だよと教えてもらって準備をしたら、どこへ行っても皆が喜んでくれました。どこの国に行くにしてもどういう会話をすれば盛り上がるかとか、どういうアプローチをすればその場がうまくいくとか、ある程度予習していくと物事がうまく進みますね。

 

佐藤慧さん:そうすると、相手も喜びますよね。本当に僕らのことが好きで来てくれたんだって。

 

SUGIZOさん:新しいキャンプだし、そういう訪問者ってあまりいないみたいですね。家にずけずけと遊びに行って、「一緒にジャムろうぜ」みたいなのは初めてだと思うので。

 

佐藤慧さん:僕が素晴らしいと思ったのは、SUGIZOさんは初め、ミュージシャンであることを隠していきたいと言っていたんですよね。一人の人間として行くのだからと。向こう側の要望として、もし音楽ができるなら喜ぶ人がいるよ、ということで、急きょ現地でヴァイオリンを調達し、楽譜を床に置きながら演奏をしたんですよね。それが一人一人の心の中に染みていくものになりました。

ザータリ難民キャンプを訪問して

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ザータリ難民キャンプのシャンゼリゼ通り

武村貴世子さん:ザータリ難民キャンプはアズラックとまるで印象が違って、お店があったりしましたね。

 

佐藤慧さん:あまりにも店が多くできて、付けられた名前がシャンゼリゼ通りです。人々が少しずつ切り崩したお金で得た物を売っています。すごく活気のある場所です。

 

SUGIZOさん:このシャンゼリゼ通りでは難民のみんなが、「セルフィー、一緒に撮ろう」という空気感で、難民という状況を強いられながらも人生を楽しんでいる人がいるというのが新しい発見でしたね。難民が全員ふさぎ込んでいるわけじゃないと。

 

武村貴世子さん:ザータリ難民キャンプでは4曲演奏しました。シリアの人たちになじみのある2曲、また、日本の故郷を思い出す曲は何と現地の人に聞かれることが多いので、坂本九さんの「見上げてごらん夜の星を」と、SUGIZOさんの「Rest in Peace & Fly Away」も演奏しました。実はこれが大変で、演奏直前にヴァイオリンの1弦が切れたんです。

 

SUGIZOさん:弦の替えもないし、これはできないかなと思ったのですが、たまたま慧さんがギターの1弦を持っていたので試してみました。本番直前になってようやくチューニングが合いました。

 

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大勢の女性たちが盛り上がったコンサート

武村貴世子さん:演奏はいかがでしたか?

 

 

SUGIZOさん:僕らが演奏することによって、特に子どもたちが新しい大きなインパクトを手にし、将来に何かのきっかけになったりしたら幸せだなと思いました。

 

佐藤慧さん:僕らがもし1年音楽なしということになったら、果たして笑えるだろうか。心に潤いを与える場というのもないとやっぱり、笑い続けているのは難しいのではないかと。ミュージシャンができることはこんなに素晴らしいことなのだと改めて気づきました。

 

SUGIZOさん:難民キャンプにいる人たちは、まず命は保証されていて、次に精神的な部分をいかに潤すことができるのか、幸せをこの状況でも見つけていくのが重要だと今回思いました。この段階にきてやっとミュージシャンやフォトグラファーが自分たちのポテンシャルを発揮できると実感しましたね。

 

武村貴世子さん:今後どのように難民支援に関わりたいですか?

 

SUGIZOさん:難民キャンプでレイブパーティーをやりたい。大人の女の人たちに、今日はいいからはっちゃけてという時間を作ってあげたい。それが可能になったらものすごく大きなことだと思う。衣食住のような基本的に必要なことがある程度達成されたら、次は生きていくための光が必要だと思います。

 

佐藤慧さん:僕らにできることというのは、一人ひとりがちゃんと自分を肯定して、正しい生き方をしていると思えるように、100%はできなくてもその努力を続けることだと思いました。皆が一人ひとりそれをやっていけば、世界なんて変わってしまうなと感じました。

 

この後、客席からのQ&Aセッションに続いて撮影会が行われ、イベントは大盛況のうちに終了しました。

 

*「マウテニー」はアラブの大地と人々を讃える中東の曲で、アラビア語で「我が祖国」の意。
■ヨルダンの難民キャンプについて

 

ヨルダンにはシリア難民を受け入れる主要なキャンプが2つあります。2012年に設営されたザータリ難民キャンプはヨルダン北部、シリアとの国境から約15キロの場所にあり、総面積530ヘクタール、人口8万人以上の難民が暮らす世界で2番目に大きい難民キャンプです。難民キャンプでありながら、驚くことにヨルダンで4番目の街にまで成長し、キャンプ内には「シャンゼリゼ通り」と呼ばれる賑やかな商店街もあります。ザータリ難民キャンプがキャパシティを超えたため、2014年にヨルダン西部の砂漠にアズラック難民キャンプが開設されました。ここでは5万人近くのシリア難民が暮らしています。

 

登壇者プロフィール

 

【SUGIZOさん】talkevent_img1

日本を代表するロックバンドLUNA SEAのギタリスト、ヴァイオリニストコンポーザーとしてデビュー。2008年より世界的に有名なテクノトランスグループJUNO REACTOR、2009年よりX JAPANの正式ギタリストメンバーとして加入しワールドワイドに活動を続ける。シーンを創世し、ジャンルの境界を壊しながら縦横無断にアートを舞うその美意識は 国内外にて圧倒的な存在感を誇る。

 

talkevent_img2【佐藤慧さん】

フォトジャーナリスト。国際開発の分野に関わり、アメリカ、アフリカ、中米などで経験を積む。世界を変えるのはシステムではなく人間の精神的な成長と信じ、命の尊厳や愛を伝える手段としてのジャーナリズムや芸術活動に希望を託し活動している。2011年世界ピースアートコンクール入賞。著書に『Fragments 魂のかけら 東日本大震災の記憶』(かもがわ出版)、他。

 

talkevent_img3【武村貴世子さん】

ラジオDJ、MC、ライター。これまで、FM802、Fm yokohama、FM-FUJIなどで番組を担当。数多くのイベントやシンポジウムの司会はもちろん、ウェブマガジン、アパートメントでコラムを連載中。国連UNHCR協会広報委員として、難民支援を始め、世界や社会への関心が深く、社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。

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