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UNHCRがギリシャでの差し迫った人道危機に警鐘を鳴らす

アテネのヴィクトリアスクエアにて眠る若いアフガン人。バルカンルート沿いの国家が国境での入国制限を強化したので、何百もの人々がここで動けずにいる。

ギリシャでの歯止めのかからない人道危機

UNHCRは、2016年3月1日に、既に受け入れの限界を迎えているギリシャで、人々のさらなる流入が急激に進んでいることから、ヨーロッパが差し迫った人道危機、それも、かなり自ら作り出した危機に直面していると警鐘を鳴らしました。

 
ジュネーヴで開かれた記者会見で、エイドリアン・エドワードUNHCR報道官は「多くの地域で、すでに協定が結ばれているにもかかわらず、政府が協働せず、各国が次々と新しい国境警備を強いているため、EU法や国際法の基準に抵触するような、不必要な苦痛やリスクがもたらされています」と述べました。

 
エドワード報道官は、2016年2月29日に、ギリシャ国内の難民と移民の数が2万4000人に膨れ上がったことを付け加えました。そのうち8500人前後が、マケドニア共和国との国境近くのイドメニにいます。

 
また、エドワード報道官は「少なくとも1500人が、前の晩を野外で過ごしました。人々で混み合っているので、食料、シェルター、水、そして衛生施設が不足しています。緊張状態は、暴力をあおり、密航業者の思うつぼになっています」と強調しました。

 
ギリシャ政府は、イドメニ付近に、軍の力で1万2500人前後を収容できる2つのキャンプを設置し、その近くに3つ目のキャンプを建設することで対応しています。UNHCRはギリシャ政府の努力を補完しています。

 
エドワード報道官は「UNHCRは、テントや住居、その他の基本的救援物資に加え、保護や技術面を担当するスタッフ等、専門家を派遣しています」と付け加えました。

 
地中海に到着する人の数は、冬の間は、概して少なくなっているとはいえ、比較的高い状況が続いています。2016年3月1日付のデータによれば、13万1724人が2016年1月・2月の2か月で地中海を渡り、そのうち12万2637人がギリシャに上陸しました。この数は、2015年の上半期の合計数である14万7209人に迫る勢いです。これまでに、410人の命が失われました。

今こそ、ヨーロッパが目を覚ますとき

ヨーロッパ難民危機に対処している、ヴィンセント・コシュテルUNHCR地域難民コーディネーター(UNHCR欧州局局長)は、ヨーロッパに対し、2015年に合意に至った分担協定を実施する以外の方法はないと警告しています。

 
コシュテル局長は、現場の近況に関する質問に対し「ギリシャは、安全弁を必要としています。今こそ、ヨーロッパが目を覚ますときです。ギリシャから、莫大な数の人々の移住を進めない限りは、混乱を極めた2015年のような状況に再び陥ることになるでしょう」と答えました。

 
さらに、最近ギリシャに到着しているシリアからの難民の55パーセントが女性と子どもたちであり、その多くは、最近戦闘があった北部出身者であると付け加えました。

 
UNHCRは、ヨーロッパの難民・移民危機を解決し、ギリシャ国内での新たな危機の予防に尽力するには、多くの明確な行動が必要とされるという立場を繰り返し述べています。

 
ギリシャにおける、最も喫緊の課題は、収容施設と他の支援の拡大を練りこんだ、よりよい緊急時対応策を立てることです。

 
エドワード報道官は「各当局は現在、ギリシャ全域での状況のさらなる悪化を防ぐために対応しようとしています。しかし、広がる苦境や混乱を避けるためには、さらなるリソースと調整が重要です」と強調しました。

 
UNHCRは、政府が進める対応策の支援を続けているほか、8か所で現地事務所を立ち上げました。また、状況変化に素早く対応すべく機動性のある緊急チームを含め、さらに職員を配置しました。

 
しかし、バルカン半島における、更なる国境での入国制限のため、2015年秋にギリシャで発生したのと同様な人道危機に発展しかねないとUNHCRは述べています。

 
UNHCRは、ヨーロッパ庇護支援事務所やEU加盟国と共に、ギリシャ政府に対し、ヨーロッパ移住計画と同様に国内庇護手続を通して、庇護申請者の登録を強化するよう促しています。

 
エドワード報道官は「ギリシャは一国でこの事態に対処することはできません。2015年にヨーロッパが合意した移住計画が最優先され、実行に移されることは、必要不可欠です。全体で認識すべきこととして、ギリシャから6万6400人の移住受け入れを約束しているにもかかわらず、これまでに、たった1539人分しか移動先が確保されていないうえ、実際に移住ができたのは325人にとどまっていることが挙げられます」と説明しました。

 
シリア周辺国からの難民の入国許可を増やすことは、今回の混乱を和らげる助けにもなるでしょう。第三国定住や、人道的配慮による入国許可、家族の再統合や民間のスポンサー、人道配慮による難民学生の受け入れ、労働ビザの発給は、密航業者の需要や、進行する人々の移動、そして危険な船旅を減らすことにつながります。これは、生命を救うことになるのです。UNHCRは、2016年3月30日にジュネーヴでこの議題を話し合うべく、重要な会議を召集しており、具体的な対策を見出すことを期待しています。

 
詳細はこちら(英文)
UNHCR warns of imminent humanitarian crisis in Greece

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