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シリア国内と周辺地域の情勢悪化が絶望に拍車をかけ、数え切れないほど多くの人々を欧州へ向かわせている

アレッポの通りで遊ぶシリアの子どもたち。アレッポは2014年11月時点で、100万人をはるかに超える国内避難民を抱えている。

アレッポの通りで遊ぶシリアの子どもたち。アレッポは2014年11月時点で、100万人をはるかに超える国内避難民を抱えている。

欧州への旅を駆り立てる情勢の深刻化

ジュネーブ、9月8日――UNHCRは9月8日、シリアと周辺諸国の情勢の悪化が、数え切れないほど多くのシリア人を、危険に満ちた命がけの欧州への旅に駆り立てていると警告しました。危機はさらに深刻な状況に陥り、政治的解決の兆しが見えぬまま5年目に突入し、絶望が増し、希望は薄れています。

「シリア国内ではこの数か月、悲惨な状況が続いています」とメリッサ・フレミングUNHCR報道官はジュネーブでの記者会見で述べました。「戦闘はほとんどすべての行政区で激しさを増しています。」

フレミング報道官によれば、首都ダマスカスへのロケット弾や迫撃砲による攻撃の増加や、ラタキア、アレッポ、ホムス、ハサカ、カーミシュリーのような主要都市での車両爆発の増加、ザバダニやダマスカス農村部での大規模な爆撃、そしてこれに、その後の報復が加わり、数千人を超える人々が住居を追われているということです。

「激化する暴力のさなか、人々は住居に加えて生計手段も失いました」と彼女は付け加えました。インフレとともにあらゆる部門で失業率が急増しており、為替相場は急落――シリア・ポンドの価値はこの4年間で90%下落――しています。シリアのほとんどの地域では、電気は使えたとしても1日に2~4時間しか使えず、多くの地域は水不足にあえいでいます。人口の半数以上が極度の貧困状態で暮らしています。

 

UNHCRの支援と苦悩する周辺諸国

多くの困難があり、活動するには不安定な状況であるにもかかわらず、UNHCRはシリア全域で、救援物資や現金、医療サービス、シェルター、心理・社会的サポート、法的支援を提供するなど、困っている人たちへの支援を続けています。

シリアの人々は今、周辺諸国で安全な暮らしを手に入れ、保護を受けるに際し、ますます多くの困難に直面しています。圧倒されるほどの数の難民を抱え、十分な国際支援を受けられず、治安上の不安を抱える周辺諸国は、2015年、国境の利用制限やより綿密な管理、難民の在留期間延長時の面倒で複雑な要件の導入など、難民の流れを食い止めるための措置を講じたのです。

 

貧困にあえぎ、絶望に暮れる難民たち

すでに周辺諸国に暮らす408万人の難民――その大半は正式なキャンプ以外の場所で暮らしています――にとっては、絶望的な貧困の深みに落ちていく中で 、希望もまた、薄れつつあります。

「ここではまるで捕らわれの身のようです。」ダマスカスから逃げ出した後、ヨルダン北部のマフラク市にある倉庫群で、夫と3人の幼い子どもと暮らすハインドは言いました。6か月前、お金が底をついてきて、彼らは借りていたアパートを出ざるを得ませんでした。「外に出ていませんし、何もしていません……未来に残されていた希望も失われました。」

ヨルダンとレバノンでの最新調査では、難民事業への資金援助が不足するさなか、難民の脆弱性が著しく増加していることがわかりました。ヨルダン(52万人を超えるシリア人が、国内にある難民キャンプ以外で暮らしている)で行われたUNHCRのアセスメントでは、現在、都市部と農村部に暮らす難民の86%が貧困ライン以下の生活をしていることが明らかになりました。

かつて所持していた貯金や他の財産を使い果たしてしまったため、ヨルダンに暮らす難民全家族の半数以上が高額の借金を抱え、それを何とかしようと、ますます極端な手段に出ています。多くの家族が、食べ物を減らしたり、子どもを含む家族に物乞いに行かせたりしているのです。

同じような光景はレバノンでも見られます。レバノンで行われた脆弱性に関する最新調査の予備結果では、シリア人難民家族の70%が、国内の貧困ラインを大きく下回る生活をしていることがわかりました。2014年の50%から増加しています。レバノンでも、食べ物を付けで買ったり、子どもたちに学校をやめさせたり、最終手段として物乞いをしたりする難民が増えています。

 

食糧支援の削減

このような中で、世界食糧計画(WFP)は2015年9月、ヨルダンにいる22万9000人の難民への食糧支援を打ち切らざるを得ませんでした。これは、深刻な資金不足によって2015年にこの地域で行われている、一連の食糧支援削減の直近の事例です。

「食糧クーポンがなかったら、どうやって暮らしていけばいいのかわかりません」と話すのは、アレッポから来たアブ・アブドラ(48歳)です。彼は今、妻と10人の子どもたちと一緒にマフラク市で暮らしています。「家賃を払うためだけに、すでに3000ヨルダン・ディナール(約50万円) の借金があります。私たちは2か月間、一度も肉を食べていません。」彼の3人の娘は、シリアの家が砲撃を受けたとき、重度のやけどを負いました。

 

深刻な資金不足

2015年の「シリア周辺地域・難民・回復計画」は 現時点で、37%しか資金が集まっていません。援助計画で影響を受けていない分野はありません。この地域全体で、およそ70万のシリア難民の子どもたちが、合格したばかりの学期に学校を去りました。標準以下のシェルターに住む多くの難民はじきに、避難先でまた、冬に直面します。

シリア周辺の各国には408万8099人のシリア人難民が登録されています。内訳は、トルコに193万8999人、レバノンに111万3941人、ヨルダンに62万9266人、イラクに24万9463人、エジプトに13万2375人、北アフリカの数か国に2万4055人です。この地域の難民で公式の難民キャンプで暮らしているのは、全体のわずか12%です。

Ariane Rummery、ジュネーブにて

 

詳細はこちら(英文)
Worsening conditions inside Syria and the region fuel despair, driving thousands towards Europe

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