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安全を求め、2万人以上が危険を冒してインド洋を渡る

ミャンマーのシットウェー近くの水路でボートを操る漁師。人々はこうした場所で船に乗り、命の危険を冒してミャンマーを出てベンガル湾を渡ります。

ミャンマーのシットウェー近くの水路でボートを操る漁師。人々はこうした場所で船に乗り、命の危険を冒してミャンマーを出てベンガル湾を渡ります。

東南アジアにおける不法に海を渡る動きに関するUNHCRの新たな報告によると、2014年前半に2万人が命の危険を冒して海を渡りました。その多くはミャンマーから避難したロヒンギャ系の人々で、栄養失調や旅の途中での不当な扱いの影響に苦しみながら到着しました。またオーストラリアへ向かう船に乗った数百人が捕らえられました。

 

報告書は、インタビューやメディアの報道、事業実施パートナーや政府からの情報を整理したもので、バンコクに拠点を置くUNHCRの海上移動を監視する部署によって作成されました。東南アジアを通過してベンガル湾や他の地域から出発する状況に焦点を当て、旅の途中で人々が直面する不当な扱いとオーストラリアの国境保全作戦政策の変遷に焦点を当てています。

 

海を渡ってきた庇護申請者や難民7000人以上が、現在この地域の収容所に収容されており、其の中にはオーストラリアや、ナウルやパプア・ニューギニアにあるオーストラリアの領域外センターが含まれており5000人以上が収容されていると報告しています。

 

秘密行為という性質をもつため、密航する人々の状況を明らかにすることは困難です。しかし、生存者とのインタビューを通して、ミャンマーやバングラデシュからタイやマレーシア、インドネシア、さらにそこから続く長く困難な旅の途中の様子が分かってきました。

 

報告書によると、2014年6月までの1年間に5万3000人がベンガル湾から不法に船で出発したと推測されます。2013年6月までの12か月間と比較して61パーセント増加しています。ミャンマーのラカイン州で地域間の暴力が発生した2012年6月からの2年間で、約8万7000人が安全と安定を求めて危険な旅に出ました。その多くはロヒンギャ系の人々でしたがバングラデシュ人も含まれていました。

 

主な航海の時期は海が穏やかな10月から3月ごろまで続きました。出発者のほとんどはバングラデシュのテクナフやミャンマーのマウンドーから出発しましたが、シットウェーから出航した人々もいました。主として、乗客は最大700人を収容可能な大きな漁船や貨物船まで小さなボートで乗り継ぎました。多くは男性でしたが、女性や子どもの数も増加しました。

 

インタビューを受けた乗客のほとんどは、船に乗るのに50USドルから300USドルを支払い、平均で1、2週間航海したと話しました。より多くの乗客を乗せるために最長2か月待っていた人もいました。多くが途中で病気になったと語りました。未確認情報ではありますが、病気、暑さ、食糧と水の不足、深刻な暴行などによる死についての報告もありました。

 

タイでは夜中にピックアップトラックに押し込まれて、20人ほどのほかの人の上に座ったり寝かされたりしたと航海の生存者は語りました。丘やジャングル、大規模農園の中や周辺にある密航業者の施設に連れていかれました。数百人が、睡眠時に敷くビニールシートしかない木の塀の中に最大6か月にわたって閉じ込められました。

 

多くの人は解放してもらうためにはさらにお金を払う必要があることを知りませんでした。その額は通常1500USドルから2200USドルです。彼らは現金、銀行口座振替、携帯決済システムなどを通してお金を送るように、ミャンマー、バングラデシュ、マレーシアの親戚に電話させられました。支払えなかった人は叩かれ、長期間待たされました。

 

この厳しい試練の生存者は、病気やけがのために密航業者の施設で亡くなった人々についてUNHCR職員に語りました。栄養失調、特にビタミンB1の欠乏による脚気が原因で感覚を失ったり動けなくなったりした人もいました。

 

7月上旬時点で、ロヒンギャ系の人々233人がタイの収容施設やシェルターに残されていました。UNHCRは収容施設の代替案に関して政府の担当部署や他の関係者と協議しています。UNHCRは子どもたちが地元の学校に入れるように援助を提供し、当局やUNICEFと協力しています。

 

マレーシアでは、UNHCRは、船でタイに渡りその後陸路でマレーシアとの国境を越えた人々に加え、1月から6月に船で直接到着した230人とも接触しました。この間に全体で保護者がいなかったり、家族と離れ離れになったりした子ども375人を含む、4700人以上のロヒンギャ系の人々が登録されました。1990年代の後半以降、ロヒンギャ系の人々約3万8000人がUNHCR駐マレーシア事務所によって登録されました。

 

最近の到着者の多くが脚気の症状を見せており、彼らの健康と保護の必要性が最大の関心事となっています。

 

インドネシアでは、1月から6月の間にロヒンギャ系の人々60人がUNHCRに保護を求めました。2013年の同時期と比較して90パーセント減少しました。2014年6月末までに、UNHCRに登録されたロヒンギャ系の人々は951人にのぼり、そのほとんどは2013年以前にマレーシアから到着した人々です。2014年前半には、400人以上をのせてオーストラリアに向かった船9隻がオーストラリア政府の国境保全作戦のもと捕えられました。7人がインドネシアに送還され、41人が乗った船はスリランカに帰されました。157人を乗せインドから出発した別の船はナウルに移送され、彼らへの対応方法に関するオーストラリア最高裁判所の判決を待っています。

 

このような展開は、この地域の非常に困難な難民の保護環境に起因しています。タイ、マレーシア、インドネシアを含む各国は、1951年の難民条約に調印しておらず、難民に対処する公式の法的枠組みが十分ではありません。法的地位がないと、多くの場合移民法により逮捕、収容、国外退去の危険にさらされます。また、合法的就労ができず、女性や子どもを含む多くの人を搾取的で脆弱な状況に追いやることになります。

 

「東南アジアにおける不法な航海に関する報告書2014年1月-6月」はこちらで入手可能です。(英文)

 

詳細はこちらから。(英文)

 

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