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Q&A:パンデミックの収束はワクチン投与の対象に難民を含むことがカギに

UNHCRの公衆衛生課のマイク・ウッドマンは、世界各地で故郷を追われた人々数百万人が新型コロナウイルスから保護されるように、組織としてどのように取り組んでいるかを説明しています

ヨルダンにて、新型コロナウイルスのワクチン接種を受けたアービドの保健所の外に立つイラク難民のライア・アル・カバシ

UNHCRは、新型コロナウイルスのワクチン接種と治療の開始に、100か国以上で、約8,000万人の故郷を追われた人々が含まれるよう尽力しています。そのうち2,960万人が難民です。マイク・ウッドマンUNHCR上席公衆衛生官が、世界的ウェブサイト編集者のティム・ゲイナー氏といくつかの課題について話し合いました。

難民や国内避難民、そして無国籍者にワクチンを接種するのはどこの管轄になるのでしょうか?

公衆衛生への対応と新型コロナウイルスのワクチン接種の推進は各国の当局の管轄です。難民やその他の人々へのワクチンの配布と投与は、その国の保健当局によって調整されます。国や国際機関及び民間の市民社会のパートナーは、これらの取り組みを支援するよう求められることもあります。

全ての政府はワクチン接種のプログラムに難民を含むよう動いているのでしょうか?

UNHCRは我々が保護している難民やその他の人々が国家戦略に参加できるよう、国や地域、および国際的なレベルで継続的に働きかけています。現在、新型コロナウイルスの国内予防接種戦略を展開している90か国のうち、51~57%が難民をワクチン接種投与の対象としています。

私たちは、すべての国が迅速かつ公平な新型コロナウイルスワクチン入手経路を確保できるようにするための世界的なイニシアティブ「コバックス(COVAX)*」での議論及び意思決定プロセスに関わっています。
*「COVID-19 Vaccine Global Access」の略

私たちは「誰一人取り残さず」「公平にワクチンにアクセスできること」が単なるスローガンではなく実践できることを保証するために、国際的なパートナー団体と協力しています。

難民が国のワクチン接種計画に含まれない場合、どのようなリスクと結果が生じるのでしょうか?

公衆衛生の理論では、ウイルスの感染を防ぐこと、もしくは持続的に遅らせることは、少なくとも人口の70%が免疫を得なければ不可能です。

難民をワクチン接種対象に含めることがパンデミックを収束させる鍵です。難民、その他の避難民、または外国人をワクチン接種計画から除外すれば、国内人口全体への感染拡大とともに、感染が継続するリスクがあります。

難民をワクチン接種から排除することには、難民の健康、サービスや仕事や教育や生計手段へのアクセス、移動の自由、差別からの解放などへの影響といった、目に見えるリスクがあります。

最初に難民がワクチン接種を受けられるのはどこでしょうか?

ヨルダンが難民にワクチン接種を開始しています。1月第3週から始まった全国的な新型コロナウイルスのワクチン接種計画の一環として、難民や庇護希望者を含むヨルダンの土地に住む人は誰でも無料でワクチン接種を受けることができます。

ヨルダンは、今後数か月で人口の20%にワクチンを接種することを目標としており、そのために現在300万回分のワクチンを調達しています。

パンデミックの発生以来、ヨルダンでは難民を国の対応計画に含め、ヨルダン国民と同等の健康管理や医療を受けられています。

難民の中でどのような人が優先してワクチン接種を受けられるのですか?

初めはワクチンの入手量が限られていることを考慮して、世界保健機関(WHO)の専門家会議とCOVAXステークホルダーは、認可された新型コロナウイルスワクチンと治療が全ての国で公平に分かち合われることを約束する配分計画の枠組みに合意しました。

この枠組みでは高齢者、慢性疾患のある人、免疫力が低い人など、最も優先順位の高いグループに接種できるように、すべての国が人口規模に応じた量を受けるべきであると提言しています。 また、医療従事者や、システムに不可欠な機能を持つ人も最優先になっています。

ヨルダン・アービドにある保健所で新型コロナウイルスのワクチン接種を受けているイラク難民のジアード・アル・ガバシ

UNHCRの支援対象である難民やその他の人たちの中でも、国の優先カテゴリーに当てはまる人が、最初に予防接種を受けることになります。ワクチン提供の規模が拡大するにつれて、それ以外の人も接種を受けられるようになるかもしれません。

難民の全員または大半にワクチンを接種する目標としている期間はありますか?

目標の期間を設定するのは現実的ではありません。 大多数の国はまだワクチンを受け取っていません。2021年まで多くの国で生産能力、供給、物流の妨げとなる要因は続く可能性があります。

重要なことは、難民がその国の人たちと同じようにワクチン接種を受けられるようにすることです。

難民の86%は発展途上国に住んでいます。中には非常に限られた公衆衛生システムしかない脆弱な場所もあります。ワクチンの運搬にあたって具体的にどんな課題があるのでしょうか?

現在承認されているワクチンは、最後まで超低温で冷やし続け管理されなければいけません。これは難民を受け入れているほとんどの国にとって大きな課題であり、他のワクチン接種に使われるような分散型アプローチが非常に困難であることを意味しています。

多くの国の通常のワクチン接種プログラムのインフラは、ワクチンの投与までコールドチェーン* で管理を行うことができるようになっていますが、既存のコールドチェーン方式では、現在入手可能な新型コロナウイルスワクチンは管理することができません。
*低温を保った状態で流通させる仕組みのこと

しかし、すでに実施されている通常のコールドチェーン方式で管理できるワクチンを含め、今後より多くの新型コロナウイルスワクチンが承認される見通しです。

UNHCRは、各国のワクチン接種プログラム、保健当局、保健パートナー団体、国連児童基金(UNICEF)やWHOと協力しながらワクチン接種への取り組みを行っています。

しかし、UNHCRには直接ワクチン接種を行う技術的な機能はありません。私たちは国内のパートナー団体と協力しながらワクチン接種のキャンペーンを支援しています。

人々の一部にはワクチンを接種することに抵抗感があります。UNHCRはこれについてどのように対応していきますか?

私たちは保健パートナー団体や難民コミュニティと共に、難民にワクチン接種の重要性、ワクチン接種できる場所、時期について、コミュニケーションや情報提供、教育を行うことができる特別な立場にあります。

言葉で伝えることがカギとなります。そのために、世界には医師、看護師、保健福祉士としてパンデミックの最前線で活動している何千人もの難民がいて、その貢献が重要になるでしょう。

Tim Gaynor ― 2021年1月15日

原文はこちら(英文)
Q&A: ‘Including refugees in the vaccine rollout is key to ending the pandemic’

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