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支援の現場から

難民の教育に差し迫る新型コロナウイルスの脅威

UNHCRの報告は、世界で最も脆弱なコミュニティに住む数百万の若い難民への支援を呼びかけました

グドゥボキャンプの学校では、マリ出身の難民の学生が先生役を務める。高まる情勢不安により、教師がもはや難民キャンプに来られないため、生徒同士で互いに教え合っている

ジュネーブ(スイス)2020年9月3日 ― 「皆で行う難民の教育」の報告書* によると、世界の難民の子どもの半数が学校に行けなくなっており、新型コロナウイルスの深刻な影響を食い止めるためにも、国際社会が一丸となって迅速に取り組むべきだと述べています。
* Coming Together for Refugee Education(※英語ページ)

「彼らの未来を奪うことはできません」

「世界の難民の子どもの半数がすでに学校に通えていません」と、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は言いました。

 
「子どもたちが全てのことに耐えてきた後に、私たちが今日の教育を否定することで彼らの未来を奪うことはできません。今回のパンデミックによってもたらされた多くの困難にもかかわらず、難民とその受け入れ国への国際支援が強化されたことで、過去数年にわたって蓄積された難民の教育における重要な成果を守る革新的な方法を拡大することができます。」

 
また報告書では、全ての国の子どもが新型コロナウイルス感染症の影響を受けて苦しんでいる一方で、難民の子どもは特に不利な立場にあると詳細に述べています。国連の統計では、世界で数百万人の難民を含む16億人の子どもたちが、教育を妨げられていると報告しています。

 
パンデミック以前は、難民の子どもが学校に通えなくなる可能性は、難民でない子どもの2倍だと言われていました。これがさらに悪化し、学校が閉鎖されたり、授業料や制服、教科書代が払えなかったり、ネット環境等の技術的なアクセスがなかったり、家族を養うために働きに出なければならない等の理由で、多くの子どもたちが学習を再開する機会が持てないかもしれません。

 
しかしながら、報告書では若い難民やその教師たちがどのように今回のパンデミックを乗り越えているか、一連の力強い例も報告しています。

 
「難民から受け入れコミュニティ、教師、民間パートナーや政府・地方自治体、革新者や人道支援団体まで…、皆がパンデミックに直面しても教育を維持する様々な方法を発見しています。それは何百万人もの若者の情熱と決意に結びついた、パートナーシップや寛容さ、創造的思考の証明となっています」と、グランディ高等弁務官は述べました。

 
ロックダウン中は、難民、教師、政府、UNHCRのパートナー団体など皆が教育を維持するための様々な方法を考えだしました。エジプトでは全ての教育課程がオンライン化され、ダダーブの難民キャンプでは教師が地元のラジオ局で、授業を放送しました。

 
また、ボリビアの携帯電話で行われる授業や、チャドでのPTAの新たな役割、ウガンダのネット接続環境における障害に対応できる学習プラットフォーム等もあります。

ファディア(14歳)は、ヨルダンのアンマンにある自宅でオンライン授業の一環として、オンライン試験を受けようとしている

報告書では、より大きな支援がなければ、学校、大学、技術及び職業教育において、苦労して得た就学率の安定的な増加が、場合によっては永久的に一転し、全ての人が包括的かつ平等に質の高い教育を確保するという、持続可能な開発目標4* を達成するための取り組みを、潜在的に脅かすと述べています。
* 目標4:すべての人々に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する。

 
報告書の力強い最後の一文で、ボーダフォン財団及びUNHCR簡易ネットワーク学校プログラム大使のモハメド・サラーは、「今日、質の良い教育を確保することは、明日の貧困や苦しみを削減することを意味します。皆がそれぞれの役割を果たさない限りは、世界で最も貧困な地域に住む何百万人もの子どもたちが、何世代にもわたって暗い未来に直面することとなるでしょう」と、述べました。

 
新型コロナウイルスによって課せられた制約に適応することは、発展途上国や後発開発途上国に住む世界の85%の難民にとって特に難しいのです。携帯電話やタブレット、パソコンや良いネット環境、安価で無制限のデータや、無線機でさえも…多くの場合難民コミュニティはこれらの品を利用できません。

「私は特に難民の少女への影響を懸念しています」

報告書の2019年のデータは、世界の難民の子どもの半数以上を受け入れている12か国の報告に基づいています。小学校への総就学率は77%ある一方で、中学校へと進学した若者はたった31%しかいません。高等教育の段階では、難民の若者のわずか3%しか就学していません。

 
世界的平均よりはるかに遅れてはいるものの、これらの統計は進歩してきています。中学校への進学率が2019年だけで2%増加しており、数万人の難民の子どもたちが新たに学校へと通っています。しかしながら、パンデミックがこの増加やその他の重要な進歩を台無しにしようとしています。この脅威は特に、難民の少女たちにとって深刻です。

 
UNHCRのデータによると、マララ基金は新型コロナウイルスの影響で中学校に通う難民の少女の半数が、今月授業が再開しても戻らないと推定しています。難民の少女の中学校における総就学率が10%未満の国では、全ての少女が永久的に中退するというリスクにさらされており、これは次の世代に影響を与える恐ろしい予測です。

 
「私は特に難民の少女への影響を懸念しています。教育は人権であるだけでなく、難民の少女たちやその家族、コミュニティにとっての保護と経済的利益であることは明らかです。国際社会は教育の機会を彼女たちに与えないわけにはいきません」と、グランディ難民高等弁務官は述べました。

イランのイスファハーンにあるバーダット小学校で、難民と地元の子どもたちが朝到着する際は熱意と活気であふれている

Jonathan Clayton

 
原文はこちら(英文)
Coronavirus a dire threat to refugee education

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