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支援の現場から

廃墟の中で暮らすアフガン人が避難所の建設の助けを受ける

アフガニスタンでは、まともで手頃な価格の住居不足は、避難民や帰還した難民が直面する最も大きな課題の一つです。新たなプロジェクトが、いくつかの解決策を提供しています

マラリ(4歳)は、祖母のサルダール・ビビが焼いたパンを食べています。一家は30年間パキスタンで難民として暮らした後に、アフガニスタンに帰還しました

2020年7月3日 ― モハンマド・ダウドと彼の家族は、故郷の紛争と情勢不安から逃れ、8年以上前にアフガニスタン南部のカンダハール州に来ました。しかし最近まで、彼らは未だにきちんとした屋根のある住居に住んでいませんでした。

 
「私たちは廃墟から廃墟へと引っ越しました。次から次へと移動しなくてはならない ― これが私たちの生活なんです」と、妻、4人の子ども、そして4人の孫を合わせて計15人の家族がいるモハンマド(65歳)は言いました。最後に彼らが住んだ家は崩壊寸前の状態だったため、子どもたちに崩れかけた壁に近づいて座らないよう注意しなければなりませんでした。

「私たちは廃墟から廃墟へと引っ越しました。次から次へと移動しなくてはならない ― これが私たちの生活なんです」

家の状態がひどくても、大家は家族の家賃を倍に値上げし、彼らが支払えない時に強制退去をさせると脅迫することをやめませんでした。

 
モハンマドの経験は、44万人以上が2019年の紛争だけで国内避難民となった上、自然災害で数十万人が家を追われたアフガニスタンでは、誰もが経験することです。

 

カンダール市で、家の建築費用となるUNHCRからの現金支給第3回目の受け取りを他のアフガン男性たちと待つモハンマド・ダウド(中央)

親戚の家に身を寄せられる人もいますが、多くの人は今にも倒れそうなシェルターやテントなどの非正規の住居、もしくは狭苦しくて家賃が高い上に、トイレや水の設備がない賃貸の住居に住むしかありません。アフガニスタンの焼けるように暑い夏と凍えるような冬の季節には、特に困難な状態に陥ります。国内で避難しているアフガン人は、最も優先的に必要なものとして食糧の次にシェルターを挙げています。

 
過去20年に渡ってアフガニスタンに帰還した難民約600万人近くも同じ状況にいます。サルダール・ビビと彼女の家族は、3年前にアフガニスタンに戻る前は、近隣のパキスタンに難民として数十年間住んでいました。

 
彼らは何も持たずにパキスタンのカンダハールに到着しました。「仕事も、土地も、食べ物も、資産も、何も持っていませんでした」と、サルダール・ビビは語りました。彼女の家族12人と娘家族9人が、狭い一部屋で暮らしていました。「生活はとても苦しかったです」と彼女は言いました。「私たちはそのような厳しい環境にいたのです。」

 
UNHCRから自身の家を建てるために現金を支給されてから、両家族の生活は少し楽になりました。まず600人の脆弱な避難民と帰還者を対象として去年始まったシェルターのための現金支給プロジェクトでは、一家に3,300ドルを支給し、お風呂と2部屋付きのシェルターを建築するために技術支援を行いました。現金は、建設が進むに従って3回に分けて渡されました。

 
両家族ともに、地元の建設作業員を雇用するために資金の一部を使いました。家族メンバーの助けもあり、彼らの家は3週間で建てられました。モハンマドの息子達は建築技術を習得し、追加の部屋、台所、外壁を造りました。

2020年2月カンダハール州にて、UNHCRの支援プロジェクトで建設中の家屋

立ち退きの恐れに直面し、モハンマドとその家族は、完成前の新居に引っ越しました。「私たちがこの家に住み始めた時、壁はまだ乾いていませんでした」と、彼は言いました。「ビニールシートを部屋の床に被せました…部屋には窓がありませんでした。」

 
サルダール・ビビとその家族も、完成前に新しい家に引っ越しました。「新しい場所に来た時、私たちは本当に安心しました」と彼女は言いました。「皆にとって十分な広さです。」

 
両家族が新しい家で落ち着き始めて間もなく、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的流行が新たな困難をもたらしました。日雇い労働者(3ドル/日の賃金)として家族を養うモハンマドの2人の息子は、都市封鎖のため6週間働けておらず、これを切り抜けるために一家は借金をするしかありませんでした。新型コロナウイルス感染症の影響で、主食となる食料品も値上がりしました。

 
「価格が高いです」と、ビビは言いました。「私たちは夕飯さえも、何も買う余裕がありません。」

「私たちは夕飯さえも、何も買う余裕がありません」

アフガニスタンにおける新型コロナウイルス感染症の拡大によって、十分な広さのあるシェルターや水道、トイレなどの必要性が高まりました。シェルターのための現金支給プロジェクトではそれらのニーズに応える一方で、都市封鎖によって経済的に困窮している家族を支援します。

 

2020年2月、シェルターを建てるための現金支援を受けるアフガン女性

新型コロナウイルス感染症は、アフガニスタンが40年にわたって直面している戦争や避難、政治不安や自然災害などの中の最も新しい苦難に過ぎません。アフガニスタンにおける避難の危機が50年目に突入するにあたり、UNHCRはアフガニスタン国内や、合わせて230万人以上のアフガン難民を受け入れているイランとパキスタン両国において、対象を絞った投資を呼びかけています。何も対策をしなければ、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによってさらなる人口移動や苦難、情勢不安や深まる社会経済危機が続いていくとUNHCRは警告しています。

 
UNHCRは7月6日(月)にオンライン上で開催された高官レベルの会議で、シェルター、教育、医療、生計(自立支援)、そして難民の帰還と再統合などを含むアフガニスタン、イラン、そしてパキスタンにおける重大な人道開発プロジェクトへの支援を求めています。

 
「女性たちは自信をつけ、それによって私たちはたくさんの命を助けることができました」と彼は補足しました。

 
「シェルターについては今は快適です」と、ムハンマドは言いました。「あとは暮らしが貧しいだけです。」

2020年2月、家族21人と共に暮らすシェルターでアフガニスタンの伝統的なパンを焼くサルダール・ビビ。彼女たちは近々もっと広い住居に引っ越す予定

Hannah Macdonald and Mohammad Haroon

 
原文はこちら(英文)
Living amid ruins, Afghans get help to build shelters

アフガニスタンを、忘れない

アフガニスタンでは、1979年のソ連侵攻以来紛争が絶えず、戦闘やテロで子どもを含む民間人が多く死傷してきました。UNHCRは難民の帰還事業に長く尽力し、現在も緊急支援から自立生計支援に至るまで、様々な支援にあたっています。

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