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支援の現場から

LGBTI難民であることとは

いまも、誰かが自らの性自認や性的指向、性徴を理由に命からがら逃げています

UNHCRのレインボーバッチ

世界には、戦争や暴力的紛争、迫害から逃れた約2,600万人の難民がいます。国際法の元では、人種、宗教、国籍、政治的意見、もしくは特定の社会集団の一員であることが理由で迫害を受ける十分な恐れがあれば、だれでも難民として保護されるべきとされています。

UNHCRが発表した指針では、自らの性自認や性的指向、性徴を理由に標的にされた人々には、そのような保護を受ける権利があるとしています。

LGBTI* 難民は、時に政府の厳格な法令の被害者です。また同胞市民や自らの家族によって苦しめられ―そして政府は何もせずにいるかもしくは、一緒になって彼らを苦しめることもあります。

* レズビアン(L)、ゲイ(G)、バイセクシャル(B)、トランスジェンダー(T)、インターセックス(I)の頭文字をとった単語

LGBTIの人々の権利を訴える、国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイオフォビアの日

5月17日の国際反ホモフォビア・トランスフォビア・バイフォビアの日(IDAHOT)に、UNHCRはLGBTI難民に関してよくある質問について答え、また逃げる以外の選択肢がない人々を紹介しました。

Q: どのような性的指向もしくは性自認のカテゴリーが、国際法の元で保護されるのでしょうか?

LGBTIのマークが書かれた手のひらA: 性自認や性的指向、性徴を理由に迫害されている人なら誰でも難民でありえます。これにはレズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、インターセックス(女性か男性の身体かという2つの概念に必ずしも当てはまらない性器や生殖腺、染色体パターン、及び性的特徴で生まれる)の人々を含みます。これらの用語は、必ずしもすべての人(言語によって用語がある)を表しているわけではありませんが、難民法では名称は関係ありません。保護を求める人々は、性自認や性的指向などを理由に迫害を受ける十分な恐れがあることを立証すればいいだけであり、それをどのように定義づけしても、性自認か性的指向を認識しているだけでもよいのです。

Q: 難民は紛争から逃げている人々だと思っていましたが?

A: LGBTI難民の中には自国の紛争や暴力から逃げている人もいるため、彼らがLGBTIであることが保護を求める主な要因になっているわけではなく、全く関係がない場合もあります。また単にLGBTIであることが原因で迫害されているため、逃げている人もいます。

ロシアを逃れ、アイルランドで生きるLGBTI活動家の男性

「私はゲイの男になりました。オープンで。誇り高くて、政治的です。恐ろしかったかって?そのとおりです。しかしそれは自分の場を主張し、さらし者になっても、周知させるための行為でした。私たちは誰よりも強いのです!LGBTIの人々にとって、毎日の恐怖やトラウマのフラッシュバック、見つかることへの恐怖や、いじめ、屈辱に打ち勝つためには、強くあることが重要なのです。IDAHOTは、圧政的な政権下で生きる人々と、ただ自分自身であることが原因で引き起こされる絶え間ない警戒や恐怖を、すべての人々に謙虚に訴える日です。あなたがLGBTIコミュニティの明確な一員であるかどうかは関係ありません。重要なのは私たちを弱い立場にしている事実が、さらに私たちを強くしていることです。」

― エフゲニーはサンクトペテルブルクのLGBTI活動家で研究者です。彼は2018年に、ロシアを強制的に去ることになりました。2019年に、彼は現在居住しているアイルランド共和国より国際的保護を受けました。

LGBTI難民が受ける迫害とは?

Q: 性的指向や性自認が原因の迫害は、どんなものが考えられるでしょうか?

A: 70か国以上が同性愛を犯罪としており、死刑になる場合もあります。また、LGBTIの人々を差別する法令を制定したり、権力者がLGBTIの人々を迫害するのに利用する法令、例えばあいまいな表現の公然わいせつ制定法を定める国もあります。国際レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスとインターセックス協会は、世界の性的指向関連の法律を表している地図を公開しています。

また犯罪組織やさらに地元警察によるLGBTIの人々を標的とした犯罪に対し、政府が保護することを望まないケースや保護できなかったケースもこれまでに多く確認されています。このような条件を逃れる人々は難民として保護されなければなりません。

スペインで生まれ変わったトランスジェンダーの女性

「私はスペインで再生しました。初めて安全でより受け入れられていると感じました。集会やワークショップ、さらにラジオでも自分のことを話しました。自らの証言によって、様々な選択肢があることを知らしめたいのです。私のように自らの性自認が原因の迫害で苦しんでいる全ての人々に、彼らは決して一人ではないことを伝えたいです。機械、包含、容認の地はあるんです。」

― 看護師のケンドラ(30歳)は、ホンジュラス出身の女性に性転換した難民です。彼女は2017年に強制的に故郷を追われ、スペインで難民認定をされました。

LGBTI難民保護の重要性

Q: すべての国でLGBTI難民は受け入れられているのでしょうか?

A: UNHCRの指針は明白です。国際法はこの難民申請の訴えを正当だと認識します。
難民申請をする多くの人は、個々の申し立てよりも彼らが逃れた国の状況で判断され、すみやかに難民認定をされます。また性的指向や性自認を理由に迫害を受けたとして、個人の申し立てで難民申請をする人もいます。こういったケースの多くが、アメリカやヨーロッパ、カナダやオーストラリアで提示されています。前述の国々の裁判所では、性自認や性的指向を理由に迫害や暴力から逃れる人々は1951年に制定された難民の地位に関する条約の元、保護されると基本的に認識しています。

暴行を受けても、警察から守られなかったLGBTI活動家の男性

オスカーは、LGBTI活動家だったホンジュラスで受けた殺害の脅迫から逃れ、グアテマラで難民申請をした

「彼ら(犯罪組織の組員)に侮辱され、さらに殴られたことがきっかけとなり私は逃げました。私の殺された友人のように、彼らは私を殺すための弾丸を一つ取ってあると言いました。私はいつも大きなリュックサックを持ち歩いていました。彼らは私のリュックをドラッグでいっぱいにして、私を刑務所に送り込みそこで私の面倒を見てやると言いました。怖かったです。その時にそこで銃で撃たれたほうが、刑務所に行くよりもよかったでしょう。」

― オスカー(47歳)は、ホンジュラスを強制的に追われたLGBTI活動家です。彼のレズビアンの友人は殺されました。彼は、警察が犯罪組織から自分を守ってくれなかったと言いました。彼は今グアテマラで生活しています。

UNHCRのLGBTI難民に対する取り組み

Q: 何人がLGBTIを理由に難民申請をしているのでしょうか?

A: UNHCRは、国際的に集計した数値を保持していません。多くの政府が未着手の難民申請の処理に追われ、詳細なデータを集めていません。同時に、記録によっては性的指向や性自認について明らかにせず、単に申請者が「特定の社会集団」(非常にまれなケースで政治的意見や宗教)の条項の元で難民申請をしている場合があります。

Q: UNHCRはLGBTI難民を助けるために何をしているのですか?

A: UNHCRはすべての人に尊厳と敬意を持って接し、スタッフに行動規範を遵守させています。この問題に対し、パートナーやスタッフの研修に投資をしています。私たちは改善を目指し、常に全力で取り組んでいます。

残念なことにLGBTI難民は、庇護国でも故郷と同じような恐怖に直面する場合がよくあります。しかしUNHCRは、彼らがどこにいても医療などの重要なサービスにアクセスができ、権利と安全が保障されるよう努めています。

Q: UNHCRは、LGBTI難民の新しい生活をどのように支援するのですか?

このシリア人カップルは、彼らの性により投獄や拷問、殺害される危険がありました。UNHCRは、彼らが新たな国で定住できるよう支援した

A: 難民が新たな生活を始められるよう、私たちは様々な方法で支援しています。彼らが逃れてきた受け入れ国に溶け込めるよう、その国の政府及びパートナー達と連携して、公共サービスにアクセスし、支援ネットワークの再構築ができるようサポートしています。彼らは第三国に定住することができます。安全に帰還ができるほど状況が改善すれば、故郷に帰ることもできます。悲しことに私たちとパートナー達がどんなに解決策を見出すため努めようと、多くのLGBTI難民はこれらの選択肢の中からただの一つも選ぶことができないのです。そのような場合は彼らがどこにいても彼らのニーズに対応し、公共サービスにアクセスできるよう支援しています。

LGBTI難民にとって、第三国への定住は時に最も安全な選択になります。残念なことに、第三国へと定住できる難民は全体のうちの0.5%未満であり、世界中の政府が受け入れ人数を削減するにつれてその数は減少し続けています。

全てを捨て、グアテマラで生きるトランスジェンダーの女性

「(UNHCRのパートナー組織から)電話がありました。私は人生をやり直すため、基本的な物資などの人道的支援を受けられます。故郷から離れて安全だったため、安心して過ごせました。仕事も見つけて、シェルターを出ました。丁度悲しくなっていたので、いいタイミングだったと思います。突然全てを捨ててやり直すことは、そう簡単なことではありません。その間、私はここグアテマラで適応し、楽しむことを覚えました…どこでもいいから、ただ出たかったのです。」

― ヴァレリア(27歳) は、2年前にグアテマラで難民申請をしたエルサルバドル人のトランスジェンダーの女性です。彼女は現在美容師として働き、理髪について教えるボランティアもしています。

私たちにできる支援とは?

Q: 助けるために私に何ができますか?

メキシコの難民と移民にむけてシェルターで掲げられるレインボーの旗

A: あなたの家、コミュニティ、そして国が、LGBTIの人々を含む全ての人にとって安全であるよう努めることが、あなたにできることです。沈黙を破り―差別に直面した時は声を上げ、LGBTIの人々の話を聞いたり、どんな内容でもいいので自分の話をしたりしてください。募金やLGBTI難民のことをもっと知ったり、ご寄付いただける場合は、私たちのホームページ(* 英語)にアクセスしてみてください。

By UNHCR staff – 17 May 2020

原文はこちら(英文)
What it means to be an LGBTI refugee

難民を守る。難民を支える。

紛争、迫害から逃れてきた難民、避難民など、家を追われた人々の数は第二次世界大戦後、過去最高を記録し、今ほど人道的な支援が必要とされる時代はありません。皆様からのご寄付によって多くの命が助かります。彼らを支えるため、ぜひ継続的なご支援をお願いいたします。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります

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