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新型コロナウイルス危機の中、国内避難民へのさらなる支援が緊急に必要

コロナウイルスによる新たなる危機の中、国内避難における指針がなぜ重要であるのか、スンブル・リズヴィUNHCR職員が伝えます

2020年4月カブールの国内避難民キャンプにいる、アフガニスタンの子ども

毎年、紛争や暴力により数百万人が故郷を追われます。国境を越えて安全を見出す人もいれば、国内のキャンプや非公式の居住地のような場所に避難する人々も多くいます。彼らは難民と同じように多くの苦難を味わい、非常に弱い立場に置かれます。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のリスクも同様です。

2020年4月16日 ― 2019年5月、スンブル・リズヴィはUNHCR国内避難民担当最高顧問に任ぜられました。その前、彼女はバングラデシュで国連のロヒンギャ難民対応を担当していました。国連に加わる20年以上前、彼女はインドのニューデリーで法律の仕事をしていました。

彼女がUNHCRグローバルコミュニケーション担当のマシュー・ムポーク・ビッグに、国内避難における指針がなぜ重要であるのか、どのように新型コロナウイルス感染症のパンデミックが国内避難民に多大なリスクを課すのかを語りました。

国境を越えて難民となる人がいる一方で、国内で避難する人がいる要因は何でしょうか?

紛争や暴力に直面した時、大多数の人々は国内で避難します。国内の別の地域の方がより安全だと認識されることがあるからです。家族やコミュニティの支援がある場所で安全を求め逃れる人もいます。国境を越えて旅をするための経済的な手段、身分証明書やパスポートがない人もいるのです。多くの人々は自国で生計を立てる方が容易だと考えますが、避難は短期間と考える人もいて、国内に留まれば、簡単に故郷へ戻ることができるとみなされるのです。国境を越える避難は、国境に近い場所で紛争が起こった場合は、より普通のことです。

国内で避難する時、人々が直面する特別な困難は何でしょうか?

強制的な避難は、目前の紛争から離れてのある程度の安全にはつながりますが、多大な困難ももたらします。受入コミュニティや、政府、軍隊、武装グループからの暴力、搾取、虐待のほかに、基本的な避難所の欠如、移動の自由の制限、証明書の没収、公共サービスや社会的保護の利用制限、無収入といったことがこれに含まれます。これらのリスクによって、児童労働や児童/強制結婚を含む負の対処メカニズムが助長され得るのです。栄養不足や家族の離散、家族構成の歪みといったことも一般的です。加えて、地方から来た家族は、社会的セーフティネットがない都市での生活に適応するのに苦心することも多いです。暴力が終結せず、自宅が破壊されていることすらある彼らが故郷に戻るのは不可能でしょう。

なぜ彼らはしばしば保護や援助を必要とするのでしょうか?

地元当局は避難を強いられた人々を保護し、援助を提供するよう努めています。しかし、政府が食糧や避難所、法的援助、教育、生計手段といった彼らの基本的ニーズを充足させようとしない状況もありえます。また、国内避難民は政治的志向や民族、宗教的な理由により暴力、搾取、差別の対象となることを恐れている場合もあります。特に、女性や子どもたちは性的搾取/虐待の危険にさらされ、所属するコミュニティ等からさらなる保護と援助を必要とすることもあります。

世界中で4,100万人以上が国内で避難をしています。国内避難民はどこに集中していますか?彼らはどのような状況で暮らしているのでしょうか?

スンブル・リズヴィUNHCR国内避難最高顧問、2017年イラクのサラーディンの国内避難民キャンプにて

人々は30か国以上で国内避難をしています。UNHCRは、アフガニスタン、ブルキナファソ、中央アフリカ共和国、コロンビア、コンゴ民主共和国、エチオピア、イラク、ミャンマー、ニジェール、ソマリア、南スーダン、スーダン、シリア、ウクライナ、イエメン等、世界のあらゆる地域でこの避難への対応を支援しています。

国内避難民は都市部でも地方でも暮らしています。政府や人道支援団体がつくったキャンプにいることもありますが、非公式の居住地で暮らすこともあります。スラム街や廃墟または建設途中の建物で暮らすこともあります。都市部の賃貸宿泊施設に住む人もいます。水や衛生設備、その他の基本的サービスの利用が制限された、混み合った状態で生活することも多いです。そのため国内避難民は、疫病の感染、性的暴力、強制退去といった様々なリスクにさらされます。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の脅威により、今、国内避難民はどのような困難に直面しているのでしょうか?彼らを支援するため、何ができるでしょうか?

国内避難民の大多数は、この新型コロナウイルスがはびこると圧迫される可能性のある、保健システムが極度に脆弱な発展途上国にいます。加えて、多くの国内避難民は感染拡大の阻止が非常に困難な、混み合った、栄養不足の、水や衛生設備の提供が不十分なキャンプや非公式の居住地で暮らしているのです。都市部では多くの国内避難民は臨時労働者として貧しい生活をしており、収入機会は一晩で消え去ってしまいます。人道支援団体や政府の援助供給が中断または減少すれば、国内避難民はこのウイルスにもその他のリスクにも一層さらされることになるでしょう。

この多大なニーズを満たすため、各国政府に対する国際援助を緊急に進めることが重要です。このウイルスの感染拡大を食い止め、国内での準備/対策に国内避難民を包括するよう促進する対策に資金援助することも必要です。UNHCRは各国政府、他国連機関、NGOと連携し、キャンプや非公式居住地における衛生対策やフィジカルディスタンス(ソーシャルディスタンス)について、国内避難民とコミュニケーションをとっていく、といった様々な対策を実行するため尽力しています。また、もっとも弱い立場に置かれている人々への緊急の現金給付や、保健施設の改善支援が安全に遂行されるよう、実施計画を最適化させています。

国内避難における指針とは何ですか?どのように定められたのでしょうか?

国内避難における指針は22年前の4月17日に採択されました。国内避難民のためにつくられた初めての国際基準です。国内避難民の権利と彼らに対する政府の義務が定められており、国内避難への対応における主な国際的枠組みとして広く認識されています。国内避難における指針とは、国際的な人権・人道法に基づき、彼らがどのように保護されるべきか、そして彼らに恒久的解決策が見出されるまでの避難期間をどう援助していくべきか、といった国内避難民の権利の概要を示した30項目の基準です。

こういった基準へのニーズは、暴力、軍事紛争、人権侵害が大きく増加し、多くの人々が国内で故郷を追われた1990年代に明らかになりました。彼らの保護に対する国際的な法的枠組みが存在していなかった中、国内避難民に関する国連事務総長の代表であったM.フランシス・デングが、このニーズに応えるため、国内避難における指針を国連人権委員会へ提出しました。1998年に採用されて以来、この指針は各国及び国連機関やNGOの国内避難民保護の基礎として、広く利用されています。国内避難における指針は、現在も大変適切なものです。GP20と呼ばれる国際的イニシアティブの一環として、UNHCRはこの指針を各国が国内の法律に取り込んでいくことを支援しています。

国内避難民の権利と保護を保証するためにUNHCRはどんな役割を果たしているでしょうか?また、UNHCRはどんな困難に直面していますか?

UNHCRは避難所、キャンプ運営や保護活動を通じて、技術的な専門知識を提供し、実質的な感染防止対策を行うことで、国内避難民を援助し保護する地元当局を支援しています。また、UNHCRは国内避難民のニーズを明らかにし、支援の重複がないようにするため、NGOや他の国連機関の力を動員し、調整しています。このような援助は命を守ることでもあり、対応を迅速化させる必要があります。UNHCRの仕事の中心は、国内避難民の権利を保護し、彼らが直面するリスクを最小限とすることです。UNHCRが引き続き直面する困難は、国内避難民に対する法的保護の不規則さや、人道支援、公共サービス、基本的な生計機会を妨げる根強い政情不安に関連しています。

最近、UNHCRは国内避難民イニシアティブを立ち上げました。これについてもう少し教えてください。

国内避難民イニシアティブでは、今年と2021年を通して、国内避難における状況へのUNHCRの関与をさらに促進します。この施策では、エチオピア、南スーダン、スーダン、ブルキナファソ、コンゴ民主共和国、イラク、アフガニスタン、ウクライナ、コロンビアの9か国に焦点を当てます。その目的は、好い例を生み出していくこと、国内避難せざるを得なかった人々への影響をより広く可視化すること、国内避難民への対応のためにさらに多くのリソースを確保すること、これら9か国における活動へのUNHCRの支援を強化すること、です。

原文はこちら(英文)
Support for internally displaced people needs to be ‘urgently stepped up’

新型コロナウイルス緊急支援のお願い

UNHCRは故郷を追われた人々を新型コロナウイルス感染から守るため、現地で保護活動を行っています。どうか温かいご支援をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります

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