国連UNHCR協会は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の公式支援窓口です。 《寄付は税控除の対象になります。》

  • 0120-540-732(平日10:00-19:00)
  • メニューを開く

支援の現場から

障がい者の権利への道を切り開いた7人の難民

障がいを持つ避難民は困難に直面することがありますが、障がいが彼ら自身を型にはめるわけではありません

レバノンからフランスに再定住して最初の日、家族と一緒に遊ぶアヤ(左から2番目)。彼女には二分脊椎の障がいがあります

2019年12月3日 ― 世界の人口の15%に障がいがあります。その中には、戦争や迫害で故郷を追われた数百万人も含まれています。避難の前から障がいと共に生活していた人もいれば、紛争の結果、または安全を求めて避難する途中に障がいを負った人もいます。

 
障がいのある避難民の多くは、さらなる困難に直面しようとも、すでに、変化をもたらし解決策を模索する主唱者であり指導者です。障がい者の多様な声を計画や政策に取り込んでいくことは、彼ら自身や彼らの家族、コミュニティーの利益に彼らの技術と才能を活用できるようにするために重要です。

 
UNHCRは、すべての難民、庇護申請者、無国籍者、そして避難を強いられている人々が成長し、才能を最大限に利用できるように努めています。障がい者のリーダーシップの積極的な促進、そして社会及び彼らの生活に影響する決定への意義ある全面参加を通じて、すべての人々に開かれた未来は達成可能です。

 
ここで障がいのある7人の難民を紹介しましょう。彼らは学生、主唱者、音楽家、パラリンピックの水泳選手、ボランティア、熱心な従業員で、誤解と闘い、真の包括的社会を創る方法を世界に示しています。

「(障がいが)私自身を、私は何か、誰なのか、私に何ができるのか、型にはめるわけではありません」
- ナジーン・ムスタファ

UNHCRナンセン難民賞のイベントのステージに登場し、出席者に訴えかけるナジーン・ムスタファ

先天的な脳性麻痺を持つナジーン・ムスタファは、シリアの紛争から逃れ、車いすでヨーロッパへの危険な旅をして有名になりました。

 
彼女の挑戦する力と強靭さは彼女の回顧録『The girl from Aleppo(アレッポから来た少女)』で証言され、数百万人に影響を与えました。今は難民としてドイツにいますが、ナジーンはより明るい未来を見据えています。

 
学校へ通ってどんどんドイツ語を学び、イギリスで開催された“TED xエクセター”や人気の“ジョン・オリバー・ショー(テレビ番組)”にゲスト出演し、演壇に立って明確な変化を訴えています。彼女の世界へのメッセージはひとつの希望です。さらに、皆が自分のコミュニティーで前向きな変化を起こす人になるために行動しようと呼び掛けています。

 
「私たちすべてがゼロから生活を再建しようとしていることがどれだけ大変か、人々には分からないのです。私たちを知ろうとしてください、私たちやあなたの内面には皆が思っている以上に、多くがあるのです、と私は人々に言います。」

「シリアの戦争の前、私はオリンピック出場を夢見ていました…私に起こったこと、怪我をした後も、私は進み続け、パラリンピックに出ています。夢を抱き続けたのです」
- イブラヒム・アル=フセイン

ブラジルのリオデジャネイロにあるオリンピック規模のプールで泳ぐイブラヒム・アル=フセインは、史上初の独立のパラリンピック選手チームの一員として競技に参加

2013年シリアにて、爆撃で右足の下半分を失った後、イブラヒムはトルコに逃れ、次の年の多くの時間を歩行練習に費やしました。

 
そしてゴムボートでギリシャへ発ち、水泳競技を再開しました。2016年、イブラヒムは史上初の難民選手団のパラリンピック選手チームの一員としてパラリンピックで競い、歴史に刻まれました。彼は世界中の難民の団結力の象徴的な活動として、2016年オリンピック大会の聖火リレーを務め、アテネの難民キャンプを走りました。

 
「私は本当に幸運ですし、聖火ランナーであることを誇りに思います。人生で味わった最高の感覚の1つです」と、世界で数百万人の熱心な視聴者が見た儀式の前に、イブラヒムは語りました。

「障がいのある人々は愛情と支援を受けると、大きな可能性を持ちえます。彼らはコミュニティーや社会に明確な変化をもたらすことができるのです」
- ジャン=クロード

ブルンジから来たジャン=クロード(左)とネセラッテ(右)は大学生で、友達です

暴力によってブルンジから避難を強いられたネセラッテとジャン=クロードは友達です。彼らはルワンダ東部のルワマガナにある視力障がいの子どもたちのための養護学校の中等部へ一緒に通って以来の知り合いです。

 
頭文字からDAFIという名称で知られているUNHCRの高等教育奨学金プログラムを通じて彼らは大学に入り、それぞれがジャーナリズム、教育を学んでいます。

 
ジャン=クロードは障がい者を力づけ、誤解に打ち勝つために働きかけています。

 
「障がい者にまつわる誤解は今も多く存在し、時には障がい者に恐怖心さえ持たれています。今もなすべき意識喚起はたくさんあり、私は障がいのあるすべての仲間に希望を持ち続けよう、と伝えたいのです。まず、私たちは自分自身を受け入れる必要があります。それが第一歩です。そして未来の計画を立て、目標を達成するために尽力します」と彼は言います。

「私は障がいと共に生きるすべての人を勇気づけます…自分自身を受け入れ、自分自身に誇りを持つように」 - ネセラッテ

ネセラッテは、故郷を追われた人々を含む障がい者の権利のためを主張することに焦点を当てています。「私の未来は明るいです。私はすでに人生最大の困難を乗り越えました」と彼女は語りました。

 
「学業を終えたら、私はロール・モデル、そして主唱者になるでしょう。私はコミュニティーにおける障がい者への意識と理解を喚起していきます。私は差別と闘います。」

「世界を自分の目で見たいので、英語を学びました。とても困難でしたが、これが私の夢だったのです」
- ヴラダ

ウクライナのスヴャトヒルシクにある障がい者と介護者のためのホームを訪問したフィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官に将来の夢を語るヴラダ(右)

二分脊椎と診断されたヴラダは、家族と一緒にウクライナ東部の戦闘から逃れた国内避難民でした。勉強と教育に身を捧げ、独学で英語を学んだほか、ピアノの弾き方も自分で練習しました。

 
彼女の夢は、いつか世界を旅することです。彼女と同じ障がい者用住宅に住む10代の少女サシャと友達になった後、ヴラダはある種の共同感と帰属感を見出すことができました。2人はいつも一緒で、ウラダはサシャのためにピアノを弾き、折り紙で鳥を作る方法を教えようとします。

 
「私たちが一緒にいると、不可能なことがすべて可能になります」とヴラダは言います。

 
ヴラダは地元の学校に出席できないことに失望していました。なぜなら、障がい者は通うことができなかったのです。

 
UNHCRの支援で、今はその建物にスロープが備わっています。ヴラダは学業を修め、心理学の専門科目があるスラビャンスク教育大学に入学しました。彼女は子どものための心理学者になることを望んでいます。

「他の難民が私や、私のしていることを見たら、変化をもたらす強さと希望を与えられると思います。1人でも生活が変われば、十分です」
- アハマド

シリア難民とレバノンの地元民を支援し、援助を届けるため、原付バイクで出発するアハマド(右)と妻ナズミヤ。その多くは障がい者です

故郷であるシリアのザバダニにある両親の家へ向かって歩いていた時、元建設作業員のアハマドは迫撃砲によって両脚を失いました。

 
レバノンに避難した後、難民コミュニティーで活動するUNHCRスタッフと共に奉仕活動をしています。毎朝、妻でありボランティア仲間であるナズミヤと共に、シリア難民とレバノンの地元民を支援し、援助を届けるため、義足で乗れるように自分でカスタマイズした原付バイクで家を出発します。その多くは障がい者です。

 
アハマドは、人生に新しい展望を与える難民ボランティアとしての自分の仕事を信頼しています。そして、他の難民や障がいを持つ人々を激励することを願っています。

 
「私にはそばにいてくれる人々がいました。私が脚を失った時、私の手を携えてくれた若いシリアの障がい者たちです。だから、私は同じことをします。お返しがしたいのです」と彼は言います。

「シエラネヴァダの面接に行った時、次の日から働けるか、と聞かれました。とても良い気分でした」
- カエサル・ヒメネス・マルティネス

コロンビアのボゴタにて、ファーストフード・チェーン店のシエラネヴァダで働くカエサル・ヒメネス・マルティネス

カエサルは生まれつき耳が不自由です。故郷の政情不安と暴力から逃れ、コロンビアに逃れたベネズエラ難民である彼は、ファーストフードのレストランチェーン、シエラネヴァダで働く仕事を見つけました。

 
世界では障がい者に対する差別と障壁は今も存在し続け、困難を乗り越え意義ある仕事にしていくことは大変です。

 
カエサルは新しい仕事によって、妻と幼い息子が暮らすアパートの家賃と生活費を払うことができます。時々はベネズエラに残した母親と他の家族にもお金を送ることさえできるのです。

 
「ボゴタに着いたとき、私は履歴書一式を印刷し、会社から会社へ訪問を始めました。あらゆる業種の仕事を探しました。しかし、誰も私を雇ってくれなかったのです」と、通訳を通して手話でカエサルは言いました。

 
「シエラネヴァダの面接に行った時、次の日から働けるか、と聞かれました。とても良い気分でした。」

 
UNHCRは、難民、避難を強いられたコミュニティー、無国籍者の命を救い、権利を守り、より良い未来を築くために奉仕するグローバル組織です。障がい者にたいするUNHCRの働きかけについてはこちら(英語)をご覧ください。

 
By UNHCR

 
原文はこちら(英文)
7 refugees paving the way on disability rights

難民を守る。難民を支える。

UNHCRは、人道危機によって生活が脅かされた何百万もの人々を支援しています。人々が紛争によって故郷を追われるかぎり、いつ、どこであっても、彼らの権利と安全、そして命を守り、援助を届けるため、彼らの尊厳と希望を取り戻すために、UNHCRは活動を続けます。どうか温かいご支援をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります

一覧ページへ戻る

国連UNHCR協会について
UNHCRを知る
UNHCRを支援する