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支援の現場から

ナイル川のプラスチック汚染との闘いに参加するエジプトの難民

5か国の難民が地元の人々と活動を共にしながら、カイロ市内の川岸から大量のプラスチックごみを撤去するのを手伝い、地元コミュニティとのきずなを深めています

シリア難民のムハンマド(右)は、娘とその友だちがカイロ市内を流れるナイル川のごみを取り除くのを手伝っている

カイロ市街の中心部を流れるナイル川の広い範囲で、数百人の若者が川辺を進みながら、川岸の淀みにたまって浮かんでいるごみの山からプラスチックごみを抱え、運び出しています。

 
カイロ(エジプト)、2019年7月11日 ― 若者たちと一緒に働いているのは、シリア難民のムハンマド(50歳)です。かかとまで水に浸かって歩きながら、捨てられたレジ袋やつぶれたジュースの紙パックを拾う彼の顔は、汗できらきら輝いています。

 
最初は、家から往復2時間かかる道中、娘とその友だちを心配してついて来ただけでしたが、みんなで清掃活動をする光景に、ダマスカス近郊に暮らしていた子ども時代の記憶がよみがえりました。ムハンマドの家族は年に2回、地元のコミュニティに参加し、家の近くを流れてシリアの首都南部へと続くアワジ川(「曲がりくねった川」という意味)の清掃活動をしていました。

 
「シリアで経験したのと同じ気持ちがよみがえりました」と、2013年に妻と5人の子どもたちとともに紛争を逃れてエジプトにやって来たムハンマドは説明しました。「大きくなって、私は両親が川をきれいにしている姿を見ていました。彼らは私にお手本を見せ、私はそれを子どもたちに伝えたいと思っていましたが、残念ながら、子どもたちがあまりにも幼いうちに私たちはシリアから逃れてきました。」

難民のボランティアたちが、地元の人たちと力を合わせて清掃活動を手伝った

ムハンマドは、シリア、スーダン、エチオピア、ソマリア、イエメン出身の難民のボランティア50名のうちの一人で、彼らは800名の地元エジプト人に混じって、この交通量の多いナイル川の清掃活動を手伝いました。エジプトは現在、24万7,499名の登録難民と庇護申請者を受け入れており、その半数以上はシリアの8年に及ぶ紛争を逃れてきた人たちです。

 
清掃活動の取り組みを企画したのは、ごみ集めや他の環境に配慮した活動を通じて環境への意識を促し、プラスチック汚染を減らすことを目的とする、エジプト人の先導組織「VeryNile(ベリーナイル)」です。

 
エジプトの生命線とも言われるナイル川の青い流れは、川岸に沿って帯状に広がる肥沃な緑の大地を支えながら、この国の砂漠の風景を南から北へと横断しています。ナイル川はエジプトの主要な淡水源であり、その水需要の90%超を賄っています。

 
しかし、11か国から成るナイル川流域諸国の人口増加や川への経済的依存の増大は、その水資源を圧迫しています。気候変動と並び、汚染は川の生態系に深刻な脅威をもたらしているのです。

「このような活動は人々の私たちへの見方を変えてくれます」

UNHCRは、道具を提供したり、エジプト国内の別の難民コミュニティからボランティアを動員したりして清掃活動を支援しました。

 
アッバス橋のすぐ近くで活動しているスーダン難民のマワッダとオマールは、大きなプラスチック製の熊手で川からごみをすくい上げています。共に20代前半の友人同士である2人は、他のスーダン難民が地元のコミュニティとかかわる手助けをする若者向けの先導隊を立ち上げました。

 
オマールは、エジプトの若者たちと一緒にごみ集めに参加することで、こうした難民の努力が難民に関する肯定的なメッセージを送ることになると期待しています。「このような活動は人々の私たちへの見方を変えてくれます」と彼は話しました。「今日ボランティアたちは家に帰り、いろいろなコミュニティの難民がナイル川の清掃活動を手伝ってくれたと親に話すでしょう。こうしたことで私たちへの理解がより良い方向に変わっていきます。」

 
エジプト人のサラー・ハッサン(34歳)にとって、難民と一緒に活動する経験は有意義なものでした。「難民がいる活動に参加したのは今回が初めてでした」と彼女は言いました。「彼らはナイル川の清掃活動を手伝うという形で、私たちが損害を被るのを防いでくれました。」

「私たちは何か恩返しをしたいと思ったのです」

ボランティアたちは1日で、ナイル川から11.5トンのごみを取り除いた

ボランティアたちはその日1日で、ナイル川から11.5トンのごみを取り除きました。集められたごみはうず高く積まれ、カイロにあるリサイクル拠点施設に運ばれました。環境へのメリットもさることながら、こうした活動は、難民と難民の受け入れコミュニティの人々との間に理解と新たな友情を築く後押しとなりました。

 
「エジプトは私たちに大きな恩恵を与えてくれました。ですから私たちは何か恩返しをしたいと思ったのです」とムハンマドは話しました。

 
UNHCRは、エジプト政府や国連機関、パートナーNGOと連携して、エジプトに暮らす難民や庇護申請者が、健康管理や教育、職業訓練などの生きていく上で必要なサービスを利用する手助けをしています。また、地元の各機関と協力して、難民と受け入れコミュニティとの社会的結束を働きかけています。

清掃活動が終わり、ボートで楽しむマワッダ(中央)とオマール(右)

Yasmine El Demerdash

 
原文はこちら(英文)
Refugees in Egypt pitch in to fight plastic pollution in the Nile

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