国連UNHCR協会は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の公式支援窓口です。 《寄付は税控除の対象になります。》

  • 0120-540-732(平日10:00-19:00)
  • メニューを開く

支援の現場から/最新ニュース

ロヒンギャ難民危機から2年
水と、尊厳と、希望を届けるために

バングラデシュのコックスバザールにあるクトゥパロン難民居住地で避難生活を送る子どもたち

今も続くロヒンギャ難民危機は、私たちが生きるこの時代において、最大かつ最も緊急を要する人道危機の1つです。2017年8月25日、想像を絶する暴力と迫害によって、何十万ものロヒンギャがミャンマーの故郷を追われ、バングラデシュへの避難の旅を始めました。その人数は、この数十年において最も急激に増加、1日に1万6,000人がバングラデシュへたどり着きました。

危機から2年を迎え、ロヒンギャ難民は、支援の現場は、そして子どもたちはどうなっているのか?ロヒンギャ難民危機の今、そしてUNHCRの支援活動の様子をお伝えします。

ロヒンギャ難民の避難生活 難民キャンプの今

危機が発生した2017年8月25日以来、74万2,613人のロヒンギャ難民がバングラデシュのコックスバザールに逃れ、今現在も避難生活を強いられています。2017年8月以前に逃れた人々も合計すると、91万2,373人、約21万の家族が故郷を追われていることになります。

バングラデシュに逃れたナルン(左奥)とその母親(右奥)2人とも、ミャンマーでの暴力行為によって夫を失った

ロヒンギャ難民が国境を越え、安全を求めて逃れて来た時、UNHCRは最初に現地で緊急対応にあたった支援機関の1つです。命がけで逃れてきた人々は、シェルターや水、医療サービスをはじめ、あらゆる支援を必要としていました。

2年間、UNHCRはバングラデシュ当局やパートナー団体と協力して現地での支援活動を拡大した結果、コックスバザールのクトゥパロン難民居住地は世界最大の難民居住地となり、様々な支援活動で今も多くのロヒンギャ難民のライフラインを支えています。

「故郷の農場を思い出すのでしょう、子どもたちは野菜を見て大喜びです」
難民キャンプで菜園を始めたサヘラ

菜園の前で微笑むサヘラ

故郷ミャンマーにいた時、サヘラは農業を営んでいました。しかし、2017年8月の暴力行為により、サヘラは3人の子どもたちとともにバングラデシュへ逃れます。
サヘラのような女性たちのために、UNHCRはパートナー団体と協力して農業プロジェクトをスタートさせました。省スペースで農作物を育てるプロジェクトです。「種と、日差しを遮るための竹をもらい、農作物を育てています」とサヘラは語ります。
このプロジェクトは2018年、100人の農夫によってスタート。UNHCRは43.5ヘクタール(約43万5,000平方メートル)の土地に木や苗を植えました。将来的には、このプロジェクトにより環境保護を広げていくことも目指しています。
サヘラの菜園には、ほうれん草やカボチャが育っています。末娘のファテマの大好物の野菜です。「故郷の農場を思い出すのでしょう、子どもたちは野菜を見て大喜びです」とサヘラは微笑みます。

水・衛生環境の整備

水・衛生施設は、人間が最低限の生活をするために最も重要なインフラの1つであり、数十万もの人々が押し寄せた難民キャンプでは衛生管理が最重要課題です。不衛生な環境では、命がけで逃れ、衰弱した人々を伝染病等の危険にさらすことになりかねないからです。

安全な水が確保された新しいクトゥパロンのシェルター

配給した衛生キットは合計5万6,897点
また、UNHCRは安全な水供給を確保するため、掘り抜き井戸679か所、塩素処理が可能な水道施設を14か所設置しました。これにより、水の確保のみならず、浄水や乾季に備えた貯水も可能となります。

「井戸やトイレ、シャワーにもすぐにたどり着けます」
水汲みポンプの恩恵を受けたスーラ

新しくできた水汲みポンプの前に立つスーラ

3時間 ― クトゥパロン難民居住地で暮らすスーラが水を汲みに行くのに要していた時間です。毎日スーラは険しい丘を歩き、長蛇の列に並んで水を汲んでいました。
UNHCRは難民キャンプの衛生環境を改善するため、簡単に水が汲めるポンプのついた679箇所の掘り抜き井戸を建設しました。「UNHCRのおかげで、井戸やトイレ、シャワーにもすぐにたどり着けます」とスーラは語ってくれました。難民の日々の生活を安定させ健康リスクを軽減するため、井戸ができた後も、水環境や衛生施設を改善するためのUNHCRの活動は続きます。

モンスーン対策

2019年7月、3日間続いた雨による洪水、地滑りで損傷した難民のシェルター

また、モンスーン豪雨対策も急務です。UNHCRはモンスーンシーズンに備え、約80キロメートルに及ぶ道路・橋等のインフラ整備、10万の防災キットの提供を実施しましたが、7月上旬、バングラデシュにおける記録的な暴風雨により2万4,000人のロヒンギャ難民が被災しました。

UNHCRとパートナー団体、そしてUNHCRによる初期対応の訓練を受けた難民のボランティアは、日夜、現地で緊急人道支援対応を実施し、この自然災害の被害を受けた人々をより安全なシェルターに移動させた他、シェルターを修理・補強するためのモンスーン対策キットを提供しています。しかし、これからさらに3か月続くモンスーンに耐えるため、さらなる豪雨への緊急支援対応、人命を救うための緊急チームの追加配備等が必要とされています。

ロヒンギャ難民の無国籍問題 そしてミャンマーへの帰還は?

「無国籍」とは、どの国からも国民と認められず、基本的な人権がないことを意味します。医療を受けることも、学校へ行くことも、就職も結婚もかないません。そしてロヒンギャは、世界で最大の無国籍の集団です。市民権が与えられていない故郷で何十年にも渡る抑圧や社会的排斥に続く暴力に耐えかね、逃れて来た人々なのです。

UNHCRは8月上旬までに50万人以上(全ロヒンギャ難民の約50%)へ身分証明書を提供しました。難民に固有のアイデンティティを提供するために、指紋や虹彩スキャンを含む生体認証データが利用されます。

指紋認証を受けるロヒンギャ難民の少女

彼らは、この登録をしても強制的に帰還させられることはないと理解しています。この作業は、ここでの保護と帰還の権利を確かなものにします。安全になれば、尊厳をもって帰還するでしょう」とヌラル・ロチャヤティーUNHCR登録担当官は説明しました。帰還に関するあらゆる決定は、難民にあらかじめ知らせた上で、本人の意志に基づいてなされるべきである、とUNHCRは考えています。

今年後半には、コックスバザールで暮らす、すべての難民の登録完了を目指しています。サイクロンの季節、もし嵐で家族がばらばらになってしまうような事態になっても、この登録は家族の再会も助けることになるでしょう。

「証明書は、難民を保護する最も重要な法的手段なのです」
タイス・スヴェアーノUNHCR登録準担当官

タイス・スヴェアーノUNHCR登録準担当官

コックスバザールで難民保護チームの登録担当として働いています。登録所やスタッフの管理を行ない、世帯構成や保護者とはぐれた子ども等、さまざまな問題に対応しています。
登録所では1日1,000人を受け入れる手配をしています。証明書は援助やサービスを提供し、難民を保護する最も重要な法的手段なのです。
身分証明書は難民に人権と尊厳ある生活を提供します。難民の中には、人生で初めて正式な証明書を得る人もいるのです。この危機が始まって以来、皆様のご寄付は私たちが難民登録等の対応をするための大きな力となっています。気温は40℃にまで上昇することもありますが、幼い子どもたち、お年寄り、妊婦や新生児といった特別なニーズのある難民に支援を届けるためには、ぐずぐずしている時間などないのです。

子どもたちは今

バングラデシュへ避難するロヒンギャ難民の55%は18歳未満の子どもです。そして、2017年のロヒンギャ危機ぼっ発以来、難民支援にご協力いただいた多くの皆様から「子どもたちを守りたい」というメッセージが寄せられました。

ご支援者の方々からいただいた声

ロヒンギャの子どもたちや人々が一刻も早く
安心して暮らせるように
祈っています。

きいぴい さん

1歳の息子がおります。我が子と、ロヒンギャ難民の幼子達と、なにが違うのだろうと、涙が出ます。一人ひとりは微力でも、救える命、救える未来があると信じて寄付します。

maru さん

UNHCRが最も重要視している目標の1つは、約50万2,000人のロヒンギャ難民の子どもたちに学ぶ機会を提供することです。報告によると、ロヒンギャ難民の少女の50%、少年の42%がミャンマーでは公式な教育の機会を得ていなかった、とされています。

学習センター「サンフラワー」で学ぶ子どもたち

UNHCRはパートナー団体と協力して2017年以来、1,602か所の学習センターを建設、学ぶ機会を得たロヒンギャ難民の子どもは6万1,695人にのぼります。
そして、皆様のご支援によって可能となった教育支援の1つが、2018年10月に創設した2階建ての学習センター「サンフラワー」です。1日3シフトで、約240人の生徒が教育を受けることができます。

学校は子どもたちに自立する手段と、より明るい未来の希望を見据える技術と能力を授けます。UNHCRは「失われた世代を決してつくらない」ことを目指し、子どもたちのみならず若者も教育機会を得られるよう尽力します。

動画:ロヒンギャ難民の3姉弟 ― すべての難民に教育を

(動画右下の設定で字幕をオンにしていただければ、日本語字幕が表示されます)

ご支援者の皆様へ

2017年のロヒンギャ危機ぼっ発後、長い道のりを経て、UNHCRは緊急物資の支給から教育支援、難民キャンプのインフラ整備まで、様々な支援を実施してきました。これらの支援は皆様のサポートなしには、決して実現できませんでした

しかし今も、支援を待ち続けている人々がいます。ロヒンギャ難民がより良い未来を築けるように、UNHCRはこれからも命を守る支援を拡大していきます。そして、これからもロヒンギャ難民を守り、力づけるためには皆様のご協力が不可欠です。引き続きUNHCRのロヒンギャ難民支援にご協力いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

ロヒンギャの人々へ、これからも支援が必要です

―今、あなたとUNHCRでできること―

長年差別と迫害に苦しみ、国外へ避難してなお、命の危険にさらされているロヒンギャの人々。1990年代からロヒンギャの保護に取り組んできたUNHCRは、彼らにとって最後の砦です。
ロヒンギャ難民の命を守り、避難生活を支えるために、援助資金が必要です。現地では懸命な支援が続いています。どうぞ今すぐ、皆さまの力をUNHCRにお貸しください。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります

一覧ページへ戻る

国連UNHCR協会について
UNHCRを知る
UNHCRを支援する