国連UNHCR協会は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の公式支援窓口です。 《寄付は税控除の対象になります。》

  • 0120-540-732(平日10:00-19:00)
  • メニューを開く

支援の現場から

死の脅威と病によってベネズエラ人の避難がさらに加速

UNHCRは、治安と人道的状況が悪化するベネズエラからの難民および移民が安全な場所にたどり着けるように各国に求めています

ベネズエラ出身、ワラオ族の首長であるエウリゴ・バエツ、ブラジルのボア・ビスタで彼の家族と共に

ホセとユルミは、7か月の我が子を大急ぎで持ち上げ、幾らかの服を詰めて、ベネズエラとコロンビアを隔てる数キロメートルを歩きました。ベネズエラの都市であるバルキシメトにほど近い現地コミュニティでボランティアを行なっていた医師であるホセは、殺害予告を受けたのです。

 
ボゴタ(コロンビア)、2019年5月21日 ― 「私を殺すようお金を支払われた人は、最も近しい患者のうちの一人でした。その患者は、もし彼の親族への私の治療に感謝していなければ、私を殺害するよう依頼された790米ドルを受け入れただろうと言いました」と、ホセは説明します。「非常に多額です。誰でもその依頼を受け入れたでしょう。」

 
ホセとユルミは、安全を求めて、UNHCRが支援を行うコロンビアのボゴタにあるシェルターにたどり着きました。そこで、彼らはその状況を合法的なものとし、家賃を支払って安全に落ち着くまで、数夜を過ごしています。

 
現在、世界にはベネズエラからの難民と移民が370万いて、その大半が南米・カリブ地域にいます。ベネズエラの政治・経済・人権・人道的状況の悪化を受けて、UNHCRは、現在ベネズエラから避難している大多数の人々が国際的な難民保護を必要としていると考えています。

「私を殺すようお金を支払われた人は、最も近しい患者のうちの一人でした」

悪化する状況を受けて、UNHCRは5月21日、最新のガイダンスを発表しました。それは、ベネズエラ人が入国できるよう各国に対して求め、命がけで逃げなければならない人々のための庇護手続きへのアクセスを保障する重要性を強調しています。また、危機に際したベネズエラ人に対して国外退去や送還を強制的に行わないよう各国に勧告しています。

 
ガイダンス・ノートには、3年間ベネズエラにおいて国営事業のコミュニケーション部署で勤務していた28歳のベネズエラ人ジュアン・カルロスのような事例への対処法に関する勧告が含まれています。彼は、彼の勤務先での違法行為を暴く現地メディアとのインタビューが、彼自身を深刻な危険にさらすことになりうるとは、想像もしていませんでした。

 
そのインタビューが公表された時、彼は仕事場で脅迫に苦しみました。「私は、自尊心を傷つけられました」と、彼は振り返ります。「私は価値がないものとして扱われ、私を辞職させようと殺害の脅しを受けました。」

 
これらの脅迫を受けてジュアン・カルロスは仕事を辞めましたが、ハラスメントや殺害の脅迫は止みませんでした。ある夜、彼は帰宅中に武装集団に捕らえられ、攻撃され拷問を受けました。

 
「あくる日、依然ショック状態にありながら、私は告訴しました。その写しを私が受け取ることはありませんでした」と、ジュアン・カルロスは言います。「私は、もはや自分ではありませんでした。一日中泣いていて、自分がどこにいようと怯えていました。」

 
しかし、彼が出生証明書を入手しようとした際に状況は悪化していました。彼は、もはや公的書類に存在していなかったのです。「私の存在を証明する記録は、ありませんでした。コピーも、原本もなかったのです。」

 
ジュアン・カルロスは、エクアドルに避難し庇護申請を行いました。彼は、過去に直面した全ての苦難によって自分は強くなったと言います。彼の現在の関心は、映画制作を学ぶことにあります。

 
彼のようなベネズエラ人46万4,000人以上が、世界中で庇護申請を行っています。さらに、多くの人々が、主に南米の他の国で学校や国民保険制度へのアクセスや就労の権利を提供する他の形態のビザを獲得することができています。しかしながら、多くの人々は容易に安全を得られず、その大多数はベネズエラに帰還することがすぐにはできない異常な状況に置かれています。

 
この地域のUNHCRは、政府がベネズエラ人の法的地位を効率的に定めることを支援し、現在ベネズエラの公共秩序が深刻に乱している出来事の結果、命、安全、そして自由が脅かされていることに基づいて彼らが国際的保護を受けられるよう、政府に対して業務支援と技術補助を提供しています。

 
「この地域の政府は、ベネズエラ人に難民の地位を与えたり、あるいは必要に応じて就労、勉学、基本的なサービスへのアクセスを可能にし、ベネズエラの危機に寛容に対処しています」と、レナタ・デュビニUNHCRアメリカ地域局長は述べました。「状況が悪化しているので、必要に応じて経費や要件を緩和して、ベネズエラ人たちが帰還の恐怖なくいられるようにし続けなければなりません。

 
また、医療の崩壊が、ベネズエラ人を命を守るために駆り立てています。ベネズエラのデルタ・アマクロ出身で5人の子どもの父である33歳のワラオ先住民エウリゴ・バエズもその一人です。彼は、3人の親族が亡くなった後、ワラオの先祖代々の土地を捨て、家族全員でブラジルに移住しました。

「病魔は、私たちよりもずっと強力なものになっていました。去るか死ぬかだと自分自身に問いかけました」

「薬、医師、あるいは治療の欠如が原因で9歳の娘が死んだ時、私は他の子どもが死ぬ前に家族をベネズエラから連れ出すことを決めました」と、エウリジオはあきらかに苦悩しながら話します。「病魔は、私たちよりもずっと強力なものになっていました。去るか死ぬかだと自分自身に問いかけました。」

 
子どもたちは、特に薬や食糧の欠乏の影響を受けやすく、ベネズエラの保健省の報告書は、幼児死亡率の急激な上昇を示しています。

 
エウリジオは、自身の出自を表す土地を放棄する決断が先住民にとって特に難しいものであることを説明しました。「もし、ふるさとであるベネズエラがこの状況に陥っていなければ、私たちが去ることは決してなかったでしょう。何度もとどまることを考えましたが、たくさんの人々が次から次へと亡くなり始めて、去ることだけが唯一の選択肢になってしまったのです。」

 
彼と彼の家族は、現在ベネズエラの国境から約250キロメートル離れたブラジルのボアヴィスタに住んでいます。UNHCR、政府パートナー、そしてNGOの支援を受けて、エウリジオの5人の子どものうち3人が現地の学校で教育を受けています。

 
「仮設住居で暮らすことは、私たちの知っている暮らしとは完全に異なっています。自然とのふれあいはあまりなく、食事や現地の習慣に適応しなければならないのです。しかし、子どもを守るために我々はこれを受け入れています」と、エウリジオは説明します。「私たちのふるさとに戻り、子どもたちが再び安全に暮らすことができる日を夢見ています。」

 
Paola Sarta

 
エクアドルのキトのイラリア・ラピドとブラジルのボアヴィスタのアラナ・フェレリアによる追加報告。パナマのオルガ・サッラド・ムーによる執筆。

 
原文はこちら(英文)
Death threats and disease drive more Venezuelans to flee

南米ベネズエラ難民危機

政情不安と社会経済の混乱、食糧難、そして人道危機等から、何百万もの人々が故郷を追われ、安全を求めて国境へ向かっています。故郷を追われるベネズエラの人々の尊厳と未来を守るため、どうぞ、今すぐ、ご支援ください。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります

一覧ページへ戻る

国連UNHCR協会について
UNHCRを知る
UNHCRを支援する