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ナイジェリアで激化する暴力行為により、数千の人々が国境を越える

政情不安が続くナイジェリア・ボルノ州での紛争が激化し、約1万5,000人が隣国チャド及びカメルーンへの避難を強いられています

チャドのングブアに到着する、電動カヌーに詰め込まれたナイジェリア難民

アイチャ・モウサは幸運にも命拾いをしました。ナイジェリア北東部バガにある彼女の村が軍隊に攻撃された3日後、彼女は2人の子どもを連れ、チャドに渡りました。

 
ダルエスサラーム難民キャンプ(チャド)ゴウラ(カメルーン)2019年1月22日 ― 「恐ろしかったです。私と、私の子どもたちの命が危ないところでした」と、この25歳の母親は言います。

 
アイチャは何とかナイジェリア国境に面したチャドのキリカシャという地にたどり着きました。彼女はそこで夜を明かし、木の下で眠りました。彼女にとって恐ろしい経験でした。

 
「最初の夜はとても苦痛でした。私の幼い娘は一晩中、高熱にうなされたのです」と彼女は語ります。

 
次の日、彼女たちはチャド湖岸にあるングブアという村を目指して出発。湖を渡るため、3時間ボートに揺られました。幸運にも、アイチャは地元の診療所で娘の診察を受けることができたのです。

「息子は1日中泣いています。母親に会いたいのです」

イッサ・モハメド(33歳)もまた、命を脅かされ、徒歩でこの暴力から逃れました。7歳の息子を連れて、2日間歩きました。彼の妻がどこにいるのか、彼には全く分かりません。攻撃があった時、彼女は市場にいたのです。

 
「私たちが出発して以来、妻についての情報は全く耳にしていません」と彼は言います。「息子は1日中泣いています。母親に会いたいのです。」

 
2018年12月、バガの町でナイジェリア政府軍と非政府武装グループとの衝突がぼっ発して以来、推定6,000人の難民がナイジェリア・ボルノ州の政情不安から逃れました。武力攻撃に続く報復と威嚇に脅かされ、彼らは命の危険を恐れて逃れています。

チャドのダルエスサラーム難民キャンプにて、新しいシェルターの入口に立つナイジェリア難民のアイチャ・モウサと2人の子どもたち

アイチャやモハメドのような難民の多くは、チャド湖を渡り、ングブアにたどり着きました。そして、UNHCRによりダルエスサラーム難民キャンプに移送されます。これまでに、4,000人以上の難民が、2014年以来ナイジェリア難民約1万1,300人を受け入れているこのキャンプに移っています。

 
UNHCRとチャド当局は新たに到着した人々を登録し、最も弱い立場に置かれた人々のニーズに応えています。UNHCRは現在、毛布、就寝用マット、蚊帳といった救援物資を配布し、難民にシェルターと食糧を提供しています。

 
先週、軍隊がナイジェリア・ボルノ州の国境にあるランという小さな町を攻撃し、略奪を行なった後、新たな暴力の激化により難民9,000人が急遽カメルーンになだれ込みました。

「私の友達は家で生きながら焼かれました。私の伯父は、私の目の前で喉を切られました」

緊急事態が重なり、安全を求めカメルーンの町ゴウラに逃れた難民は、数日後、強制送還されたと報じられました。

 
家族とともに、何とかしてカメルーンに残されたある父親は、森や砂漠の地を逃れ、安全を求めてゴウタまで27キロメートルの旅を耐えたこの出来事を振り返ります。

 
「私の友達は家で生きながら焼かれました。私の伯父は、私の目の前で喉を切られました」とモハメドは語ります。「私は、この目で見たのです。」

 
彼は二度と戻らないと断言します。「もう十分です!あそこへは戻れません」と、彼は涙を流します。

カメルーンの村ゴウラで、家族とポーズを取るナイジェリアの庇護申請者モハメド

彼が涙を隠すために突然歩き去ると、マットの上に静かに座っている彼の妻は、肩を落とし、すすり泣き始めます。

 
ナイジェリア避難民約7万人が逃れているランの町への暴力的な攻撃により、14人の命が奪われ、多くの人々が突如捕らわれました。

 
「その数は、毎時上昇し続けました」と、ジョセフ・ビヨンゴロUNHCRカメルーン・クッセリ事務所長は語ります。「新たに到着した人が5,000人に達したら、緊急の増援が必要になるだろう、と私たちは考えました。」

 
UNHCRは立ち往生していた到着者を登録するチームを派遣し、国境なき医師団(MSF)は迅速に温かい食事を配給しました。

 
UNHCRは強制送還の報道に対して警告を表明し、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官はカメルーンに対し、難民への門戸開放政策を維持するよう力説しました。

「この行為は全く予想外なものであり、何千もの難民の命が危機にさらされています」

「この行為は全く予想外なものであり、何千もの難民の命が危機にさらされています」と、先週の声明でグランディ弁務官は語りました。「カメルーンは自国の法律及び国際法に基づき、これ以上の強制送還を早急に停止し、難民保護の責務を十分に果たすべきです。」

 
カメルーンはこの地域、特にナイジェリアからの難民を受け入れている長い歴史があります。現在、37万人以上の難民が暮らしており、そのうちの10万人がナイジェリア人です。

 
2017年、UNHCRとナイジェリアとカメルーンは、状況が改善し、難民が安全かつ尊厳を保って故郷へ帰還する手助けができるまで、ナイジェリア難民を保護し、支援することを確約する三者協定を結びました。

 
UNHCRは、ナイジェリアの政情不安から逃れる難民のために国境を開放し続けるよう、この地域の国々に重ねて要請しています。

ランの村でぼっ発した暴力行為から逃れた親子。避難の中、川を渡ろうとして溺死した難民もいた上、悪天候に巻き込まれ30人の子どもの命が奪われた

Simplice Kpandji in Dar es Salaam Camp, Chad, and Xavier Bourgois in Goura, Cameroon

 
原文はこちら(英文)
Surging violence in Nigeria drives thousands across borders

ナイジェリア難民危機

ナイジェリア女子生徒拉致事件が世界的に大きく報道された2014年。その後もボコ・ハラム等の武装勢力に襲われ、ナイジェリア難民危機は6年目を迎えました。そして今現在も、この地は重大な人権危機に直面しています。

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