国連UNHCR協会は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の公式支援窓口です。 《寄付は税控除の対象になります。》

  • 0120-540-732(平日10:00-19:00)
  • メニューを開く

支援の現場から

ニジェールで厳しい未来に直面する、
児童性暴力の生存者

ボコ・ハラムに囚われ、強制結婚から逃れた後、15歳のアディア*は、生き延びるための性行為に頼る多くの女性・少女の1人になっています

アディアはわずか13歳の時、ボコ・ハラムの兵士に誘拐され、監禁されました

わずか13歳でボコ・ハラムの兵士に誘拐され、監禁されたアディア*は、兵士と結婚するか、または公開処刑されるか、という厳しい選択に直面しました。

 
ディファ(ニジェール)2018年11月25日 ― 「彼らは人々を生き埋めにして、死ぬまで地面に首上だけ出したまま、放置するのです」と彼女は説明します。「もしその人に話をしたり、同情や慈悲を請うたら、同じ目にあうのです」と彼女は付け加えます。

 
アフリカ・ニジェール国境付近のナイジェリアでボコ・ハラムの集団に誘拐されたアディアは、5か月間監禁されました。少年たちとは別に隔離され、杭で打ち付けられた高いフェンスに囲まれる収容所の中で、監禁者の思うままに拘束されていました。

「彼らがその気になった時だけ、私たちは飲み食いしました。しばしば何日も食事できずに過ごしました」と彼女は語ります。

 
少年たちは戦う訓練をするためにそこにいました。少女たちは彼らの妻等になるか、または人間爆弾になるためにそこにいました。ボコ・ハラムが遠隔で爆破させる爆発物を体に縛り、村々や市場に入ることを強いられるのです。

「彼らは人々を生き埋めにします」

自らの宿命を待つ間、彼らは奴隷のように強制労働させられ、働いていない時は、“宗教的教義”に従わせられました。もし命令に従わなければ、殴打されたのです。

 
兵士たちは少女を一人ずつ連れて行き、戦士の一人と結婚させます。アディアの順番が来たとき、彼女は拒否しました。他に拒否した少女たちは、子どもたちの前で公開処刑されました。

 
彼女にとって幸運だったのは、ボコ・ハラムの集団のリーダーが考えを改める時間を与えると決めたことです。その間に近隣で戦闘がぼっ発し、戦士の多くが戦闘のためにその場を離れました。幼い少女たちと少年たちのグループは、逃げる機会を得たのです。もし捕まったら、目撃したような公開処刑をされるのは分かっていました。

 
少女たち、少年たちのグループは、1週間、夜中に歩き、ナイジェリア北東部ボルノ州都マイドゥグリに到着しました。そこで、アディアは、安全だろうと言われていた近隣国ニジェールへ行く車両に乗りました。しかし、悲しいことに、彼女の苦難はさらに深まったのです。

ボコ・ハラムに誘拐されていた14歳の少女の話を聞くUNHCRスタッフ

アディアはニジェール南東部ディファ地域のキンジャンジに到着。そこでは、難民や国内避難民の子ども、女性、男性を含む、暴力行為から避難を強いられた約2万5,000人が受け入れられています。彼女は着の身着のままで、自分の家族がどこにいるか全く分かりませんでした。13歳の時に20歳年上の男と強制結婚させられ、その夫は失踪していました。

 
同世代の幼い少女たちの集団が彼女を憐れみ、同じシェルターで暮らすことを許してくれました。しかし、収入を得る手段も人道援助もない若者たちには、売春行為、より正確に言うと“生き延びるための性行為”に頼るしか選択肢がなかったのです。

 
「わずか1、2か月後、すぐに妊娠しました…赤ん坊の父親は誰なのか、全く分かりません」と、赤ん坊を膝に乗せて揺らしながら、彼女は言います。彼は1歳半です。

 
「こんなことはしたくないです…しかし、しなければ彼はお腹をすかせてしまいます。お金を支払わない人もいます。彼らは食糧をくれて、私は赤ん坊とその食糧を分けるのです。相手を見つけられない日があれば、その夜は空腹で過ごすことになります」と彼女は言い添えます。

 
残念ながら、この15歳のストーリーは、あまりにもありふれたものです。アディアはボコ・ハラムから逃れディファで暮らす11万8,000人以上のナイジェリア難民のうちの1人であり、紛争によってナイジェリアでの暮らしから戻ることを強いられた2万5,000人以上のナイジェリア国籍のうちの1人でもあるのです。

 
2015年にナイジェリア国境を越えて暴力行為が広がってから、ディファ地域だけで約10万5,000人が国内で避難を強いられています。

 
避難を強いられた人の半数以上は女性で、55%は18歳未満です。これらの人々の中の少なくとも3,500人はSGBVと言われる、性と性差に基づく暴力からの生存者です。

 
「SGBVはさまざまな形をとります。暴力や虐待はボコ・ハラムから逃れた女性や少女たちに影響するだけではなく、家族全体、そしてコミュニティー全体を不安定にし、屈辱を与え、のけ者にして、汚名を着せるのです」とアレッサンドラ・モレリUNHCRニジェール事務所代表は語ります。

「私たちはSGBVが犯罪だと認識する必要があります」

ボコ・ハラムに誘拐され、結婚を強いられ、人間爆弾として利用される幼い少女たちの苦難は、2014年、ボルノ州チボクの学校で少女約300人が誘拐された時、注目されました。しかし、これは特異な事件だった訳ではなく、女性や少女たちは定常的かつ継続的に誘拐されています。もし仮に逃げても、多くの人々は自身のコミュニティーの中で、汚名を着せられるのです。

 
UNHCRはディファ地域で難民・国内避難民を保護し、援助する先導的組織です。しかし、支援者の関心は薄れています。

 
2018年1月、ニジェール、チャド、カメルーンを含むチャド湖流域で、ボコ・ハラムによって避難を強いられている難民のニーズに応えるために、UNHCRは1億5,700万米ドル(約177億4,100万円、1米ドル=113円換算)の資金が必要と発表しました。7月末までに、必要とされる資金のわずか32%しか集まっていません。

ニジェールにて、難民支援活動をするアレッサンドラ・モレリUNHCRニジェール事務所代表

UNHCRはパートナー団体、SGBV防止を促進するコミュニティー基盤の保護グループとともに、ディファ地域で、医療、社会心理、経済、法的支援を含む十分な対応サービスを確保できるよう、尽力しています。

 
「私たちはSGBVが犯罪であり、福祉や自由、人間の品位への重大な侵害だと認識する必要があります」とモレリ代表は強調します。

 
UNCRはアディアのために適切な解決策を模索しています。まず、教育やさまざまな援助を含む基本的サービスを受けられるよう、彼女を難民キャンプに移送することからスタートします。彼女を第三国定住させる可能性もあります ― 彼女が緊急に必要としている援助をするために。

 
アディアが私たちのもとを離れた時、彼女が背中に背負った赤ん坊の重さ、そして彼女が耐えてきたすべての重さで、その小さな体は弱々しく見えました。

1歳半の息子を背負うアディア(15歳)

* 生存者の保護のため、名前は変更されています

 
Louise Donovan

 
原文はこちら(英文)
Child sexual violence survivor faces bleak future in Niger

あなたのご支援が、弱い立場に置かれた女性・少女たちを守ります

難民や国内避難民等への性的搾取・虐待との闘いは、UNHCRの最優先事項です。女性たちの命と尊厳を守るため、UNHCRの援助活動にご協力ください。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります

一覧ページへ戻る

国連UNHCR協会について
UNHCRを知る
UNHCRを支援する