国連UNHCR協会は、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の公式支援窓口です。 《寄付は税控除の対象になります。》

  • 0120-540-732(平日10:00-19:00)
  • メニューを開く

支援の現場から/最新ニュース

大幅な資金不足の犠牲となる難民

本稿は2018年10月9日ジュネーブのパレ・デ・ナシオンで行われた記者会見におけるババル・バロシュUNHCR報道官の報告による要約である。

ブルンジ北部のヒゲロ村にて、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官到着のために集まったブルンジの帰還民

2018年10月9日 ― 世界で避難を強いられた人々、無国籍者のための資金不足が深刻化しつつあります。必要額の辛うじて約半分が充当されているだけで、多くの難民、避難民、彼らが暮らすコミュニティーの苦難と危機を悪化させています。これは、UNHCRの支援者関連資金調達部門によって公表された新たな報告によるものです。

 
2018年初頭、世界で6,850万人が避難を強いられる中、難民及びその他の避難状況に対する各国政府からの資金が、これほど切迫したことはありません。これまでの資金拠出状況によると、2018年は必要額82億米ドルのわずか55%しか調達されないだろうと予想されています。過去と比較すると、2017年は56.6%、2016年は58%となっています。端的に言えば、世界で避難を強いられた人の数は増え続けていますが、避難民の数より支援者からの資金調達は、大幅に不足しているのです。

 
特に、難民と避難民への影響は、まさに現実になりつつあります。栄養不足が蔓延し、医療施設が満杯となり、家屋やシェルターがますます荒廃し、子どもたちは過度に混み合った学校へ通うか、または学校へ行けなくなり、保護者とはぐれた子どもたちや性的暴力の犠牲者への対応をする人員不足により保護上の危険性が高まる状況を目の当たりにしています。

 
世界で6か所の難民及び避難状況が特に痛手を受けています。それは、ブルンジ、コンゴ民主共和国、アフガニスタン、南スーダン、シリア、ソマリア情勢です。

 
UNHCRは、特に指定のない資金を提供してくださった支援者の皆様へ、厚く感謝いたします。このような支援のおかげで、最も支援を必要としている所へ、直接資金を提供することが可能となり、資金不足の影響を軽減することができます。

ブルンジ情勢

今、世界のどの地域よりも資金が集まっていないのが、ブルンジ難民情勢です。必要とされている2億600万米ドルのうち、現時点で28%しか集まっていません。近隣国にいる難民40万人への影響は深刻です。

 
食糧配給の削減により、難民は家族へ十分な食事を与えられない状況に追い込まれています。シェルターがひどい状況になっている地域もあり、医療センターは多くの患者の対応に格闘しています。教室は満杯で、保護者とはぐれた子どもたちや性的暴力の生存者には限られた援助しか提供できません。

 
タンザニアでは、ブルンジ難民23万2,716人の約52%が、短期間の利用を予定されていた緊急用シェルターに、到着から数年経っても、未だに住み続けています。学校施設がなく、約1万8,000人の難民の子どもたちは、その場しのぎで木々の下を教室として利用しています。

 
ウガンダのナキヴァル居住地では、何千もの難民の家族が過度に混み合った共同トイレを使用しています。疾病の集団発生のリスクにさらされ、プライバシーは守られず、特に女性と子どもへ保護が行き届かない状態にさらされています。教育においては、不十分な学習用品、混み合った教室という最低限の環境です。

 
資金不足により、UNHCRはルワンダのマハマ・キャンプにいる1万9,500家族への現金給付プログラムを停止しており、難民の基本的なニーズに応えられないという厳しい影響が出ています。

コンゴ・ブルンジ情勢詳細はこちら

コンゴ情勢

コンゴ北部にて、間に合わせのテントで避難生活を強いられるムブティ族の人々

今、世界のどの地域よりも資金が集まっていないのが、ブルンジ難民情勢です。必要とされている2億600万米ドルのうち、現時点で28%しか集まっていません。近隣国にいる難民40万人への影響は深刻です。

 
紛争に影響されているコンゴ民主共和国(DRC)も、コンゴ難民を受け入れている国々も、UNHCRとパートナー団体が実施する支援プログラムに必要な合計3億6,900万米ドルのうち、現時点で、わずか31%しか充当されていません。

 
資金が限られていることによって、教育や健康、そして若い人々が生きていくための活動への人道支援に、特に影響が出ています。約80万人の難民を受け入れている庇護国では、居住地とキャンプの収容数は限界に達していますが、新たに到着する難民のために、今もさらなる宿泊施設が必要とされています。

 
食糧配給、栄養、健康やその他の基本的ニーズにおける最低限の基準を満たすことさえ、かなり難しくなっています。

 
ゴンゴ民主共和国内では、伝染病の蔓延を食い止めるため、避難民で混雑するキャンプや居住地を除染する資金が緊急に必要とされています。

南スーダン・コンゴ情勢詳細はこちら

アフガニスタン情勢

パキスタンにあるUNHCRの施設で、数十年の避難生活の末、自主帰還の相談をするアフガニスタンの家族

紛争が40年近く続く中、約240万のアフガニスタン人が難民として隣国のパキスタンやイランで暮らし、約190万人がアフガニスタン国内で避難しています。2018年におけるUNHCRのこれら3か所の活動に必要とされている3億400万米ドルに対し、調達された資金は32%です。

 
アフガニスタン国内では、資金不足によって、60か所で実施されているUNHCRのプロジェクトが影響を受けています。これらのプロジェクトには、復旧や建設の賃金雇用、太陽光家庭電器システムの供給、小規模ビジネスへの支援や、若者、女性に友好的なスペースの提供といった、約13万2,700家族への支援が含まれています。

 
アフガン難民約140万人を受け入れているパキスタンでは、資金不足によって、難民の子ども5万7,000人への無料初等教育や、難民が暮らす54か所の村での健康サービスへ影響が出ています。健康や教育といった社会サービスが受けられないということや、職業訓練の機会の減少は、難民がさらに移動せざるを得なくなる危険を伴います。

 
イランにおいて、資金不足は、国の健康保険制度に加入するための補助金を受けられる脆弱性の高い難民の数が減ること、そして最も弱い立場に置かれた難民が加入できなくなることを意味します。基礎的なヘルスケア・システムへの支援が低下すれば、遠方地域でのサービスも低下します。教育システムへの投資が低下すれば、学校へ通えるアフガニスタンの子どもたちの数は限られてしまいます。

アフガニスタン情勢詳細はこちら

南スーダン情勢

ウガンダ北部の一時滞在センターへ移動する、南スーダンの避難民

世界で最も若い国で続いている紛争によって、240万人が難民となることを強いられ、さらに200万人が国内避難民となっています。そして、必要とされている7億8,300万米ドルのうち、33%の資金しか集まっていません。

 
十分な資金がないため、難民への食糧供給は頻繁に中断されています。高い比率での全体的急性栄養不足(GAM)、厳しい栄養不足(SAM)が庇護国で報告され、特に女性や子どもと若者の場合、避難の前から南スーダン難民が直面していた保護上の困難がさらに深刻化しています。

 
十分な食糧配給はケニアとウガンダのみで実施されており、中央アフリカ共和国では、難民の3分の4にしか配給されていません。半永続的なシェルターに暮らす南スーダン難民は、約7%のみです。

 
スーダンでは、全10か所のキャンプにいる難民約8万人が、未だトイレを利用できません。70人以上で1つの共同トイレを使用しているケースもあります。ハルツームにある非公式の居住地で暮らす約5万7,000人の難民は、何の支援もない生活を強いられています。

 
ウガンダでは、資金が限られているため、子ども保護のサービスの質を保証し、子どもへのケアの手配を徹底化させるのに必要なスタッフが確保できていません。子ども150人当たり1人のケースワーカーがいる状況ですが、難民の約63%が子どもです。また、難民への飲料水も、供給量が必要量を下回っています。

南スーダン情勢詳細はこちら

シリア情勢

2018年1月、避難先のレバノンにて、ビニールシートをかけてテントを防寒しようとするシリア難民の少女

周辺国にいる約560万人のシリア難民、さらに620万人の国内避難民が、資金不足に直接的な影響を受けています。UNHCRは、シリア情勢に対して19億6,800万米ドルの資金を必要としていますが、わずか35%しか調達できていません。

 
UNHCRは、周辺国にいるシリア難民130万人とシリア国内にいる国内避難民及び帰還者135万人へ防寒保護及び支援を提供するため、パートナー団体とともに尽力しています。冬の現金給付は、特にレバノンとヨルダンにおいて重要で、寒い気候の中、難民への効率的かつ大切な支援手段となります。

 
さらに資金が調達できなければ、現金給付は11月に停止されてしまいます。それは、多くが貧困ライン以下の生活をしているヨルダンとレバノンの難民の家族に、致命的な影響を与えることになります。約50万人の難民が家賃を払い、日々の生活のニーズに応え、基本的なサービスを受け続けるため、緊急に資金が必要です。

 
ヘルスケアへの費用の上昇によって、子どもへの予防接種といった、必要とされる基本的医療サービスすら受けられない難民の家族のリスクが高まっています。この地域、特にヨルダンとレバノンにいる弱い立場に置かれたシリア難民約3万5,000人にヘルスケアの支援を提供するための資金が必要とされています。

シリア情勢詳細はこちら

ソマリア情勢

イエメンからソマリアへ帰還しようとするソマリア難民の一家

100万人以上のソマリア難民が6か国で受け入れられ、さらに200万人が国内で避難しています。UNHCRはソマリア情勢に5億2,200万米ドルを必要としていますが、今のところ、37%しか充当されていません。

 
何十年にも及んだ紛争の後、ソマリアの人々は多少は前に進みましたが、不安定な状況は続いており、引き続き支援が必要とされています。難民と受入コミュニティーを支援しなければ、人道的な状況は悪化し、受入コミュニティーにおける支援が不足するリスクを負うことになり、ソマリア政府による帰還準備と受入体制が整う前に、人々が帰還を急かされることになりかねません。

 
資金不足の状況についてのさらなる詳細はこちら(英語)からご覧いただけます。

 
原文はこちら(英文)
Refugees bear cost of massive underfunding

UNHCRの難民支援

厳しい世界情勢が続く中、紛争や迫害によって故郷を追われる人々がいる限り、UNHCRは活動を続けます。世界の難民をご支援いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

※当協会は認定NPO法人ですので、ご寄付は税控除(税制上の優遇措置)の対象となります

一覧ページへ戻る

国連UNHCR協会について
UNHCRを知る
UNHCRを支援する