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支援の現場から

フィリピン・マラウィ市での襲撃から1年、未だ帰還できない住民達
2017年5月、戦闘によりフィリピン人36万人が家を追われました。マラウィが解放され数か月経っても、破壊と不発弾のために、多くの人が家に戻ることができません

サードディン・リガ(19歳)は、一番幼い弟を背負い、マラウィから逃れました

マラウィ市(フィリピン)2018年5月23日 ― 1年前、軍隊が攻撃を始めた時、植物学科の学生だったサードディン・リガは、このフィリピンの都市にある大学で学んでいました。

 
市街で銃撃戦が激化し、軍隊が病院を含む公共の建物を占拠した時、この物静かな19歳は自力で町を突っ切り、両親と8人の兄弟を探し出そうとしました。

 
戦闘が広がると、彼の家族は家を捨て、着の身着のままで避難しました。その日のうちに、今や煙に包まれた都市の郊外で、ようやく家族はサードディンに合流しました。

 
そこで、彼は弟のサミノディン(9歳)を見つけました。彼にはてんかん発作があり、歩くことができません。「避難する間、私は彼を背負わなくてはなりませんでした」とサードディンは語ります。

 
「私達が逃げる間、空から爆弾が降り始めました」と、彼は明らかに怯えた目で回想します。「あの時、何をすればよいのか、私達には分かりませんでした。どうやって逃げるか、分からなかったのです。」

「空から爆弾が降り始めました」

安全を求め、サードディンの家族は歩き続けました。3日後、数キロメール離れたサグランの避難センターに逃れました。

 
リガの一家は、2017年5月23日、マラウィを巻き込んだ軍隊の襲撃から逃れた、少なくとも36万人を数える住民に含まれます。都市は、戦場と化しました。フィリピン軍が各通りで戦い、再び制圧されるまで5か月を要しました。

 
あの戦闘により、マラウィは廃墟となりました。家や店、学校、礼拝所といった場所が砲撃され、銃弾にえぐられ、戦火によって破壊されました。不発弾が、避難している4万2,000以上の家族の速やかな帰還を妨げています。

 
UNHCRは、2017年5月27日から避難民の支援を現地で行ないました。ビニールシート、ソーラーランプ、調理器具を含む援助物資を提供し、政府の身分証明書発行を支援しました。特にお年寄りや障がい者といった弱い立場に置かれた人々を対象とする支援も提供されました。

「マラウィの私達の家に戻れることを、私は望んでいます」

約1年間、サードディンの家族は避難センターにある部屋で暮らしてきました。他の家族とはベニヤ板で区切られている状態です。UNHCRからのビニールシートが、彼らを雨から守っています。

 
サードディンは家族が受けている支援に感謝していますが、「私達が今置かれている状況は、マラウィでのかつての生活と本当にかけ離れています」と語ります。リガの一家は、そこでアルミニウムとガラスを売るビジネスを営んでいました。

 
4月19日から20日まで、政府が促進した帰還の間、彼らは自宅に戻ることができました。最も被害が大きい地域の1つに位置する彼らの家は、廃墟となっていることが分かりました。

 
「マラウィの私達の家に戻れることを、私は望んでいます。そこに私達の生活があったのですから」と彼は言います。避難している間は、ガラスとアルミニウムの家業の再開は叶いませんでした。「ここで店を出すのは難しかったのです。もうすでに私達の多くが店を持っているのですから。」

 
今も彼は母親を手伝い、サミノディンの世話をしています。この一番下の弟は、最近発作を起こしていませんが、サードディンは彼を用心深く見守っています。

 
サードディンは、一時的であることを願っていますが、学業を止め、生活を再建できるまでは家族を助けています。彼らは政府から援助物資の配給を受け、彼らの持つわずかなもので間に合わせています。

 
リガの一家にとって厳しい1年でしたが、サードディンは前向きです。置かれた状況にも関わらず、彼は弟のサミノディンとその笑顔を思い、希望を持ち続けなければならない、とサードディンは知っているのです。

 
「今、私が最優先するものは、家族です」と彼は言います。「特に、サミノディンの世話です。」

 
Althea Gonzales

 
原文はこちら(英文)
A year after assault on Marawi City, residents still unable to return

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