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支援の現場から

孤児となったロヒンギャ難民の姉妹、厳しい未来と向き合う
両親はミャンマーで殺された可能性が高く、マビア(17歳)と3人の妹はバングラデシュで生活再建を図らなければなりません

バングラデシュのクトゥパロン難民居住地でUNHCRのスタッフに話をするマビア(17歳)とシャムシダ(16歳)

クトゥパロン難民居住地(バングラデシュ)2018年5月3日 ― 武装した男性が両親を拘束した後、マビアが聞いたのは連続した銃声でした。17歳の少女は3人の妹を連れて森へ逃げました。

 
タケノコと小川の水で命を繋ぎ、ロヒンギャの姉妹は2018年2月半ばに故郷ミャンマーから歩いてバングラデシュ南東部のクトゥパロン難民居住地に着きました。一家の大黒柱となったマビアには14、15、16歳の妹を育てる重圧がのしかかっています。

 
「家族の大黒柱となってしまい、死んでしまいたいです」と涙ながらに話します。「責任が重すぎます。」

 
両親がミャンマーで殺されたり行方不明になったりして、一家の長となってしまった子どもはこの世界最大規模の難民居住地に少なくとも5,600人おり、この10代の娘はその1人です。

 
彼らは57万人以上を収容する無秩序な居住地内のガタガタする竹製仮設住居で生活再建を図り、厳しい試練に直面します。

「家族の大黒柱となってしまい、死んでしまいたいです」と涙ながらに話します「責任が重すぎます」

妹達のために仮設住居、食糧、水、調理用品、寝床を確保することに加え、マビアには妹達の保護者役を果たす責任があります。

 
「お腹いっぱい食べさせたいし、何よりもミャンマーで見た悪いことを覚えていてほしくないです」と16歳の妹シャムシダの隣でプラスチックの椅子に腰かけてマビアは話します。

 
彼女達は衰弱しているところを自身も難民であるヌル・バハーに発見され、必要な支援を受ける第一歩としてUNHCRが運営する情報提供所に連れていかれました。

 

UNHCRコミュニティ福祉活動員ヌル(30歳)がマビアとシャムシダ姉妹を連れて行った情報提供所の前に立つ

4児の母であるヌル(30歳)は2017年9月に家族とバングラデシュへ辿り着きました。現在はボランティアとして、支援が必要な難民を判断して利用できるサービスへ繋いでいます。この巨大な居住地にはフランス第3の都市、リヨン以上の人口が住んでいます。

 
「ここに来てから色んなことがありました。今はここである程度落ち着いています」と彼女は言います。「しかし、この少女達は未だに弱い立場に置かれているため、彼女達を助けるのは私にとってとても重要なことですし、喜びでもあります。」

「私がいなかったら、私の子ども達も彼女達と同様の状況に置かれていたでしょう」

「私がいなかったら、私の子ども達も彼女達と同様の状況に置かれていたでしょう」とヌルは話します。彼女は300人を超えるUNHCR福祉活動員の一員です。

 
マビアとシャムシダの隣人も彼女達を見守っています。彼女達がいるエリアの長老が家探しを手伝い、空いていたビニールシート屋根の掘っ立て小屋を見つけました。その小屋の前の住人は近くに住んでいて、この少女達用の配給物資を運びます。

 
初めての接触から2日後、ヌルは姉妹を情報提供所に再び連れて行きました。そこではUNHCRとパートナー機関のTechnical Assistance Inc. (TAI)からのチーム5名がこの姉妹のための会議を開いていました。

 

シャムシダ、マビアと話をするTAIのバングラデシュ人スタッフ、ファタマ・イスラムとUNHCRコミュニティ福祉活動員ヌル・バハラ

チームには仮設住居と保護担当スタッフもいて、性暴力から身を守れるようより質の高い住居の提供やカウンセリング、訪問を行います。他のスタッフは本人が希望すれば刺繍、歯磨き粉や石鹸作りといった職業訓練に繋ごうとしています。

 
「姉妹は人と会い、孤独を解消して、自らの意志を表明し、他人と話すことができます。これは彼女達にとって良いことです」と姉妹に職業訓練の話をしたTAIのバングラデシュ人スタッフ、ファタマ・イスラムは言います。「カウンセラーと話す機会も持てます。」

 
ケースミーティングの後、マビアとシャムシダはどうするべきなのか分かりません。彼女達が借りている仮設住居もある程度安全でしたが、もっと良い住居を受けるべきか考えて結論が出ずにいます。ヌルは優しくも毅然とした態度で、自身が彼女達のために行った全ての介入は役に立っていると話します。マビアは耳を傾け頷きます。

 
「私達の利益になることを決めてくださっているのですね」と、大人達にマビアは言います。「お任せします。」

 
黄色と濃い赤色の花柄のヘッドスカーフと足首丈のワンピースを着たマビアとシャムシダはより安心しているように見えます。姉妹は家族で農業をしていたミャンマーでの幸福で守られた子ども時代について話し始めます。

「彼女達がどんな仕事にも就けるよう、平和と適切な教育を望みます」

マビアのお気に入りだった遊びはHa-du-duという南アジアで人気の激しい鬼ごっこでした。シャムシダは友達と走り高跳びをしていたことを思い出します。

 

クトゥパロン難民居住地内で借りた仮設住居の前に立つマビア(左)とシャムシダ(右)

全てのロヒンギャのように、姉妹は無国籍のため出身国での選挙権、移動の自由、サービスを受あける権利がありません。しかしながら、姉妹は教育を受けられていたため、学校に戻りたいと考えています。

 
「4年生以降の勉強を続けるのは私にとって難しいことでしたが、私は医者になりたいです。もし勉強するチャンスがあれば絶対に掴みます」とシャムシダは快活に語ります。「私が教育を受けられるよう取り組んで下さったら、本当に嬉しいです。」

 
彼女は椅子にもたれかかって微笑みます。「すごく頑張って取り組んでいただけたら、私に機会を与えてくれるでしょ」と笑いながら言います。

 
マビアも勉強したいと考えています。「私自身がしっかり教育を受けられていれば、他の人に教育を施せます」と話します。

 
2人は幼い妹への希望を話します。マビアは食糧、服と化粧品をあげたいと考えています。シャムシダは年下ですが、もっと真剣に言いました。「彼女達がどんな仕事にも就けるよう、平和と適切な教育を望みます。」

 
ケースミーティングが終わりました。ヌルは姉妹に付き添って汚臭のする小川にかかる竹で出来た橋を渡り、借家の掘っ立て小屋への迷路のように入り組んだ小道を歩きます。

 
「神様のお蔭で今は安全だと感じます」とマビアは語り、帰っていきました。

 
* 保護のため姉妹の名前は変えてあります。

UNHCR情報提供所で出会った難民の寡婦に付き添われてクトゥパロン難民居住地内の仮設住居まで歩くシャムシダ(左)とマビア(一番右)

Tim Gaynor

 
原文はこちら(英文)
Orphaned Rohingya refugee sisters face daunting future

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