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Q&A:シリアの東グータは「大惨事となる危機に瀕しています」
サジャード・マリクUNHCRシリア事務所代表が、人道支援の輸送車と共に包囲された地域に入り、目の当たりにした状況を説明します

3月5日、東グータ地区に囚われた約40万人へ救援物資を届けるため、シリア赤十字社の輸送車が包囲されたこの地域に入ります

ベイルート(レバノン)2018年3月5日 ― 3月5日、サジャード・マリクUNHCRシリア事務所代表は、包囲されたシリア東グータ地区に入る人道支援の輸送車に同行しました。そこで彼が出会ったのは、過去5年間そこに囚われている約39万3,000人の姿です。その後、彼はメリッサ・フレミングUNHCR首席報道官に、彼が目撃した状況を語りました。

Q(メリッサ・フレミングUNHCR首席報道官):あなたはシリア代表として2年半在籍し、東グータ地区にも行きました。東グータの街を歩き、何を見ましたか?

A(サジャード・マリクUNHCRシリア事務所代表):東グータは大惨事となる危機に瀕しています。街を歩くと、破壊と避難を目の当たりにします。破壊された建物の中には、まだ死体があります。その地域では、とても強い臭いが発せられています。密集した地下で暮らしている人々もいます。私達がそこにいた際、地下から出て来た人々の姿は ― 筆舌に尽くしがたいものです。彼らの青白い皮膚、吹き出物も見られました。彼らは発育不良であることが分かりました。12、13、14歳と言う子ども達が6、7、8歳のように見えるのです。彼らはとてもとても小さいです。

そして、彼らが経験しているトラウマは、止まない砲撃であり恐怖の中での生活であり、何が起こるかは分からないことなのです。食糧もなく包囲されている他の場所では、多少の援助を実施することはできます。しかしここでは、これらの人々に何を持っていくべきかさえ確かではなかったのです。私達は食糧を持っていきましたが、十分ではありませんでした。

Q:解決策は ― もちろん、彼らは必死に食糧や医療援助、医薬品の供給を必要としています。しかし、彼らがもっとも必死に求めていることは、砲撃、爆撃の終結であり、彼らは安全を求めているのです。

A:彼らは怯えています。彼らは私に、頻繁に起こっているこの爆撃、そして飢餓への恐怖について語りました。彼らは自分の子ども達が苦しんでいるのを目の当たりにしています。しかし、彼らが最も恐れているのは、これから何が起こるのか、分からないことです。

Q:あなたが話した人々の中には「本当は、私は出ていきたいのです」と言った人がいます。人々の避難を妨げているものは何でしょうか?

A:1つは安全、彼らが安全に脱出できるかということです。これは検問所からです。第二に、政府の支配する、安全とされる地域にたどり着いた時、また別の事態に直面しないことです。彼らは言いました「私達は命がけでここから逃れています。そして向こう側に死が待っているなんて、まっぴらごめんです。」だから、彼らは安全にその場所を離れたいのです…安全でいられる地域にたどり着き、そして状況が改善すれば、故郷に戻りたいのです。

彼らは、今まさに起こっている激しい軍事行動に直面しています。内側には抵抗し戦っている武装グループもいます。内部で争い合っているグループもいます。だから、この状況に囚われた市民は、逃げる場所がないのです。

Q:彼らは恐れているに違いありません。

A:私は自分の人生で、あそこで見たほどの怯えた表情を見たことはありません。それが何を意味するのか、あの恐怖は何なのかを表す言葉を見つけなければなりません。それは、彼らの目の中に、彼らの表現に見出すことができます。しかし、彼らはまた、自分達を救出に来てくれる人を必死に求めているのです。

Q:あなたは街を歩き、激しい破壊を目にしました。立寄った建物の1つで、あなたは外に立っていた男性に質問をしました。何を尋ねたのですか?

A:とある建物でした。私がある医師とシリア赤十字社の診察所付近を歩いていると、とても強い臭いが立ち込めました。医師が、これ以上進まないよう提言したのです。私は言いました「これはとても強い臭いです。」それはまだ瓦礫の中に残っている死体だ、と彼は言いました。私はしばらくそこに立ち尽くし、その建物を眺めました ― 完全に崩壊した5階建ての建物でした ― そして私は、そこに何人いるのか尋ねました。彼は「3人分の死体がある」と言いました。

その時、私は背後で誰かが語るのを聞きました。「いや、3人じゃない。4人だ。」私が振り返ると、その紳士は、彼の妻、娘、弟と義理の息子がそこに埋められている、と説明しました。彼はまだ、死体を取り戻してここを閉鎖し、埋葬して、自分の人生の歩みを進める、という望みを持っていたのです。しかし、このような家族はたくさんいます。破壊された建物はそこら中にあります。それぞれの家族に物語があり、それぞれの母親に語るべき物語があります。とても痛々しいことです。

Q:そして、そこにいるほとんどは、女性や子どもです。

A:私が歩き回ったあの付近に住んでいたほとんどが女性や子どもであったことに驚かされています。家族の大多数が今、年齢に関係なく女性 ― 祖母、母親、姉妹 ― によってやりくりされている、と市町村議会から聞きました。彼女達は今、この困難な状況でどうにか暮らしています。どうやってやり繰りしているか、私には想像すらつきません。それでも、彼女達は家庭をどうにか支えているのです。

(マリク代表3月7日のツイート:訳)
東グータにて、母親達が地下に閉じ込められた恐ろしい生活の状況を私に話してくれました。子どもを守るのは難しく、十分な食糧も水もなく、2か月以上も学校に行けていません。トラウマに苦しむ子ども達。彼らは戦闘の停止を必死に求めています。

Q:あなたは、トラックに積んだ物資の一部を何とか搬送した人道支援の輸送車にいました。しかし、トラックに積まれた食糧や供給品の全てを降ろすことができず、あなたは大きな挫折感を味わいました。

A:結局、我々はあれらのトラックの荷を降ろすことができませんでした。爆撃が続き、私達から600メートル離れた所に爆弾が落ちたのです。最終的に、爆撃が酷くなり、私達は退避しなければなりませんでした。私達はボランティア・チーム全体を危険にさらしていたのです。そして、戻ってから、どれだけのトラックの積み荷を降ろせなかったか数えました。10台のトラックは全く積み荷を降ろせないまま戻って来て、4台分のトラックの積み荷は一部降ろせました。それは私達が挫折を感じた時です。あらゆる努力をしても、空腹な人々がいる ― 私達は、そこで目撃しました ― そしてその人々に私達の援助を届けることができなかったのです。私達は決意しています。私達は戻ります。

まさに今、計画は進んでいます。数日後に、私達はさらなる援助と共に、戻って行くことを望んでいます。しかし、援助をもたらすのは人道主義者の決意ではありません。私達は砲撃や爆撃が止まることを求めています。グータにいるどの党派の人々からも、私達が入る地域の安全保障、私達がこの地域に出入りする際、援助物資を運ぶ間は平和であるという確証を得る必要があります。

* 3月9日、2回目となる人道支援の輸送車が東グータへ入り、3月5日に運べなかった残りの支援を届けました。

原文はこちら(英文)
Q&A: Syria’s Eastern Ghouta ‘on the verge of major disaster’

Q&A 動画版(英語)

(動画版より)

Q:あなたは希望を持っていますか?…シリアにおいて、私達はすぐに違いを見出せるでしょうか?

A:私は希望を持っていない、と言ってしまう罪を犯すことはできません。私は希望を持っていない、という権利はないのです。シリアの人々が希望を持ち続けているのなら、私も同じです。

追記

3月15日以降、戦闘激化により多くの市民が避難。UNHCRは避難して来た人々の保護・支援も開始しています。

(マリク代表3月17日のツイート:訳)
包囲されているアフリン(シリア北西部)から、何万もの民間人が脱出しています。危険な徒歩での旅を経てアレッポ北部のノブルに到着する人もいれば、安全の地へたどり着くため、金銭を渡した人もいます。心が痛む話です。コミュニティーと UNHCRシリア、国連、シリア赤十字社は支援を提供しています。

緊急事態:東グータ 爆弾ではなく、支援を!

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