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「広島からの平和のメッセージは、私たちに大きな力を与えてくれます」
- フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官が初めて広島を訪問

広島市立大学で講演するグランディ高等弁務官

「今の国連難民高等弁務官は誰ですか?」と聞かれて、すぐに名前が思い浮かぶ方は、難民問題にくわしい方かもしれません。答えはフィリッポ・グランディ第11代高等弁務官。今年1月に就任した、世界約125か国で活動するUNHCRのトップです。
 
先月11月末、グランディ高等弁務官は日本を訪問し、初めて公式に広島を訪れました。彼は今年3月に高等弁務官として初めて来日していますが、そのときすでに広島を訪問したいという強い希望を伝えていました。「難民問題を解決する上で、平和を希求する広島を訪問するのは重要だ」というグランディ高等弁務官の思いが、2度目の来日で実現することになったのです。

11月26日、グランディ高等弁務官はまず広島平和記念資料館を訪れました。そこで彼の心に深く刻み込まれたもの―。それは、展示されていた真っ黒に焼け焦げた三輪車でした。
私たちと同じごく普通の人々がごく普通の生活を送っていたその瞬間、戦争によって全てを焼き尽くされた理不尽さを、グランディ高等弁務官は講演でも触れ、ツイッターでも発信しています。
 
続いて、広島市立大学で講演したグランディ高等弁務官は冒頭でこう語りました。
「ここ広島ほど、人間と戦争の悲惨な関係を象徴し、人間が平和を待ち望む気持ちを伝えられる場所はありません。」
また、1945年8月6日、広島に起こった悲劇についてこう続けました。「市民が逃げられる場所などありませんでした。人々は、死体が散乱し変わり果てた街に黒い雨が降り注ぐ中、廃墟となった家を後にして避難場所と保護を探し求めたのです。」それはまさに、今世界中の難民が置かれている状況を思わせます。グランディ高等弁務官は、広島の人々の苦しみと、今UNHCRのトップとして保護する責任を負う、世界中の難民の苦しみを重ね合わせたのです。

広島・平和記念公園にある原爆死没者慰霊碑に献花するグランディ高等弁務官

「しかし、広島はまた、国際的な希望の象徴にもなりました。それは、町を再建し第二次世界大戦の恐ろしい遺産を、人類が耳を傾けざるを得ないメッセージへと変えることを決意した市民の姿です。皆さんの平和のメッセージは、私にも、世界中で紛争の犠牲になっている人々にも、紛争が招いた悲劇的な結果に向き合い活動する全ての人々にも、大きな力を与えてくれます。」
そして、日本へのさらなる期待をこう語りました。
「日本政府は今後5年間、シリア人の学生150人を留学生として、家族とともに受け入れることを発表しました。UNHCRは、このプログラムが今後さらに発展することを期待しています。ここ広島でも、学生の何人かを受け入れていただけるかもしれません。このプログラムを成功させるために、皆様の助けと支援が確実に必要となることでしょう。」
 
講演の最後、グランディ高等弁務官はこう語りかけました。
「最も大事なこととして、私は皆さん、特に若い方々に対し、難民問題とその原因について学び、大学や地域の中で難民とその家族を歓迎し支援する方法を模索していただくよう、強くお願いしたいと思います。難民に対する皆さんの思いやりと平和の追求への理解や決意は、最終的に世界でも日本でも、私たちUNHCRの活動の土台となるのです。」

2015年、支援物資を提供するために東アレッポに入るUNHCR職員。6時間に限られた人道的措置による一時停戦の間に、冬用の衣類や医薬品などを7千人以上に配布した

世界では今も各地で紛争が続き、多くの人が家を追われ命の危険にさらされています。シリア北部のアレッポでは、無差別な空爆が街を破壊し、食糧も医薬品も機能する病院も失われ、人々は言語に絶する状況下にあります。
グランディ高等弁務官は記者会見でこの危機について言及し、「この紛争に、もはや空爆など軍事的解決策はありえません。和平協定を結ぶなど政治的に解決するしかないのです。全ての関係者が、恐怖に怯え苦痛を味わっている子どもたちの目をまっすぐ見て、『今こそ紛争を終えなければならない』と悟ることを願います」と強く訴えました。

若き日にボランティアとしてタイの難民キャンプで働き、「戦争が人間にもたらす結果に取り組むために、全ての人に役割がある」という信念を持ったというグランディ高等弁務官。第8代難民高等弁務官の緒方貞子さんが任期中(1991年~2000年)には、特別補佐官や官房長として緒方さんの右腕となり、難民援助活動に力を尽くしてきました。
今回、平和都市広島、そして唯一の被爆国である日本から強いメッセージを発したグランディ高等弁務官は、今日も世界各国の難民支援の現場を訪れ、難民の痛みに寄り添い彼らの声なき声となって、世界中の全ての人に難民への支援を呼びかけています。

(写真)
南スーダン難民を訪問するグランディ高等弁務官。「私の仕事の中で、難民支援の現場での活動が最も重要です。世界中の難民に直接会って、亡くなったり生き別れになった家族や、捨てざるを得なかった故郷などについて話を聞くのです。難民の窮状を理解しその声を世界中に届けるために、こうした活動は欠かせないと固く信じています」と語った。

 

フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官 略歴

2016年1月、国連難民高等弁務官に就任。これまで世界各地で難民や国際問題に関連する職務を経験。30年以上にわたり国際問題に関わる職務をこなしており、そのうち27年は国連機関で勤務した経歴を持つ。前職はUNRWA (国連パレスチナ難民救済事業機関)のトップである事務局長。それ以前にはNGOやUNHCRのアフリカ、アジア、中東、ジュネーブ本部などでの職務経験がある。イタリア出身。

詳細はこちら(英語)
http://www.unhcr.org/pages/49c3646c8.html

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