防寒支援について、
現地からUNHCR日本人職員の
レポートをお届けします。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の職員として、シリアの隣国・ヨルダンに赴任している進藤 弘騎(しんどう ひろき)と申します。
シリア紛争から11回目を迎える冬。1,220万人を超えるシリア人が難民・避難民となり、
ヨルダンでも約76万人が難民として生活しています。
冬は、中東地域で暮らすシリア難民を始めとした難民にとって、生死にかかわる季節です。
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暖房をつけられず
寒さに震える子どもたち© UNHCR/Lilly Carlisle シリア難民でシングルマザーのフダさん(36歳)は、5人の子とヨルダン都市部のボロボロに荒廃したアパートで暮らしています。
「お金がないので暖房用のガスを少ししか買えず、子どもたちが寒がってもストーブをほとんどつけてあげられません。
子どもたちが寒さに震える姿を見るのが、とてもつらいです。」
フダさんは悲しげに語ります。
冷蔵庫を見せてもらうと空っぽです。家族の食料にも事欠くギリギリの生活の中、難民の方々が自分の力で防寒対策を行うことは、ほとんど不可能だと再認識させられました。-
© UNHCR/Lilly Carlisle -
© UNHCR/Lilly Carlisle
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身を切るような寒さの中、
シェルターの浸水にも悩まされる© UNHCR/Shawkat Alharfoush シリア出身で未亡人のウム・カマルさん(84歳)は、ヨルダンのザータリ難民キャンプで7年目の避難生活を迎えています。
去年の冬は、シェルターが雪のため、浸水被害に見舞われました。
「泥水が隙間という隙間から入ってきて、足の不自由な私は少し高いところに座って見ていることしかできませんでした。」
難民キャンプの住居はプレハブのような造りのため脆弱です。壁はアルミのような薄い素材なので、家の中にいても冬は底冷えします。
高齢の方は、特に冬の寒さが耐えられないと訴える方が多く、明日の食料よりストーブのガスや防寒具にお金を充てるといいます。-
© UNHCR/Shawkat Alharfoush -
© UNHCR/Lilly Carlisle
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今年も厳しい寒さとコロナ禍が
難民を苦しめる明日生きるための食料や正規の職もなく、凍えながら冬を耐える難民は他にもたくさんいます。
難民の声、そして中東の厳しい冬の様子を動画にまとめましたのでぜひご覧ください。
あなたの温かいご支援が
いま、必要です
難民の方々の命をつなぐため、明日を生き延びることができるという安心感を届けるために、防寒支援はまさに命綱となります。UNHCRでは今年も、冬の寒さから誰一人取り残さず難民を守ることを目指して防寒支援活動を行ってまいります。皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします。

プロフィール
2010年外務省に入職し、スペイン、ホンジュラス、アルゼンチン、アフガニスタンの大使館に勤務。
2019年に外務省を退職。日本のNGOでの勤務を経て、2021年3月より現職。
各世帯が最も必要とする物(食料、ストーブに使用する燃料、防寒具、医薬品等)を購入したり、
家賃や医療費等の支払いなどにも対応できる現金での支援です。
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© UNHCR/Yousef Alhariri -
© UNHCR/Lilly Carlisle -
© UNHCR/Mohammad Hawari
シリア紛争の開始から10年が経ち、人々が着のみ着のままで逃れてきた当初とは、必要とする支援が変化しています。
現金の給付支援は最低限のセーフティネットであり、難民自身がそれぞれのニーズに合わせて給付された現金を使い、生きるために必要不可欠な物を即座に手にすることができるのが特徴です。
ヨルダンで6人の子を育てるアブ・モハマドさん(45歳)は、昨年12月、現金給付の日に窓口で給付金を受け取りました。その足で子どもたちを連れて難民キャンプ内のお店に向かい、防寒具やセーターを買うことができました。
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© UNHCR/Shawkat Alharfoush -
© UNHCR/Shawkat Alharfoush
保温性の高い毛布、防水シート、冬用の衣類など冬に必要な物資を配布しています。
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© UNHCR/Hameed Maarouf -
© UNHCR -
© UNHCR/Diego Ibarra Sánchez
シェルターの修復・補強(雨漏りや浸水、風雪対策)、難民キャンプや居住地の排水システムや他のインフラの改善を支援しています。
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© UNHCR/Diego Ibarra Sánchez -
© UNHCR/Mohammad Hawari -
© UNHCR/Veejay Villafranca
シリアやアフガニスタン、ベネズエラ、そしてロヒンギャ難民危機、長期化する紛争や迫害により多くの難民・避難民が長期に渡り故郷を追われている中、2020年は新型コロナウイルスが世界の難民・避難民を襲いました。
さらに、アフガニスタンでは戦闘や暴力行為が拡大し、人道危機が加速しています。
厳しい情勢は今後も続くとみられます。あなたの継続的なご寄付で、UNHCRは緊急支援体制が確保できるのみならず、
難民・避難民の教育や自立支援が可能となります。

皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。
※上記は1年間続けた場合の例です。1ドル=106円換算。

UNHCR(ユーエヌエイチシーアール)は、1950年に設立された国連の難民支援機関です。
紛争や迫害により難民や避難民となった人々を国際的に保護・支援し、難民問題の解決へ向けた活動を行っています。
1954年、1981年にノーベル平和賞を受賞。スイス・ジュネーブに本部を置き、約130か国で援助活動を行っています。
1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。
国連の難民支援活動を支えるための公式支援窓口が、国連UNHCR協会です。個人・企業・団体の皆様を対象に、日本全国で広報・募金活動を行なっています。
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© UNHCR/Sanne Biesmans -
© UNHCR/Antwan Chnkdji -
© UNHCR/Panos Moumtzis
ご支援についてのQ&A
お問い合わせの多いご質問をQ&Aにまとめました。
- 毎月いくらから寄付できますか?
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はい、月々1,000円以上であれば、500円単位で任意の金額をお選びいただけます。
例えば毎月3,500円のご支援を1年間続けていただけますと、
難民3家族にストーブと専用ガスを提供できます。 - 利用できるクレジットカードを教えてください。
- VISA、MasterCard、JCB、American Express、Diners Club、Discoverのクレジットカードをご利用いただけます。
- クレジットカード情報は安全に取り扱われますか?
- はい、皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております。
- 活動の報告は届きますか?
- はい、ご支援者様には、ニュースレター「With You」(年2回)と活動報告書(年1回)を通じて、ご報告を差し上げております。
- 寄付は、寄付金控除等の対象になりますか?
- はい、ご寄付は税控除(税制優遇)の対象となります。
- 領収証は発行されますか?
- はい、継続的にいただくご寄付の領収証は、1年分をまとめて翌年1月上旬に発行し、郵送でご登録のご住所にお送りしています。確定申告の際に領収証をご提出いただくことで、寄付金控除の対象となります。
- 寄付したお金はどのように
使われますか? -
ご寄付は世界中で支援を待つ難民のために大切に使わせていただきます。
難民支援のための予算は、重大性・緊急性などを考慮して配分されます。 - 1回だけの寄付よりも、継続的な寄付が良いのですか?
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その都度のご寄付も大変ありがたく頂戴しておりますが、できましたら毎月のご寄付によるご支援をお願いしています。
難民としての生活は平均で17年続くため、難民支援は長期に渡ります。継続的なご寄付があることで、難民支援を継続的に支援を行うことができます。 - 支援を停止する場合はどうすればいいですか?
- ご支援金額の変更や停止はいつでも可能です。0120-540-732(通話料無料)または、「毎月寄付の金額・寄付方法の変更、解約」ページよりお手続きをしていただけます。
- UNHCR駐日事務所と
国連UNHCR協会はどのような関係にあるのですか? -
UNHCR駐日事務所は、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)が、現在世界約130か国に置く事務所のひとつであり、主に日本政府との窓口を務めています。
国連UNHCR協会は、スイス・ジュネーブのUNHCR本部やUNHCR駐日事務所と連携して、
日本における公式支援窓口として活動しています。