ウクライナ緊急支援のお願い

2022年2月24日から開始されたウクライナでの軍事行動。爆撃や戦闘は今も続き、現在同国国内で591万人*が避難を強いられ、1770万人*が緊急支援を必要としています。*出典:Ukraine Emergency UNHCR Delivery Updates 28 Dec 2022
戦闘で家を破壊された人、大切な家族や隣人を失った人、危険が迫るなか仕事も家も手放さざるをえず苦しい生活を強いられている人、いまだ終わりの見えない紛争の中で心身のバランスを失った人、逃れたくても金銭的な理由や身体的な理由から逃れることができない人、戦闘地域で身動きをとることができず食料や物資も不足し支援を待ち続ける人。
UNHCRは刻々と変化するウクライナにおいて、保護活動や援助物資の配布、現金の給付支援、シェルター(住居)サポート、心理社会的支援など、必要不可欠な援助活動を実施しています

ウクライナの人々のいま いまウクライナ国内は、戦闘でインフラが破壊され、この冬は何百もの町や村で多くの人が電力や暖房のない暮らしを強いられています。家を破壊された人々、帰る場所を失った人々の生活は、さらに過酷です。小さな子どもたちにとっては、これまでで一番厳しい日々に違いありません。国に残った家族は、安全な場所にいるだろうか。暖かくしているだろうか。食べるものはあるだろうか。国外に逃れた人々の心も平穏ではありません。今も戦闘が続くウクライナ。避難を強いられ、いま助けを必要とする人々がいます。紛争の間で、身動きさえとれず、助けを待つ人がいます。

地下室から出て目にしたのは、全壊した家でした
キーウ郊外、村に砲撃音と空襲警報が鳴り響き、地下室に逃げ込んだユリイさん(中央)と家族。その後外に出て目にしたのは、全壊した家でした。「建物の灰で、通りは灰色になっていました」。村では多くの家が破損し、村民の中には命を落とした人もいます。「ご近所の2人は亡くなりました」と、オクサナさん(左)。UNHCRは、一家に一時的なシェルターと生活必需品を提供。自分たちで建て直している家に必要な建材の支援も予定しています。
ある日、女性や子どもが難民になるということ
ウクライナからポーランド・ワルシャワに逃れて、現金の給付支援プログラムの登録の順番を待つ女性。周辺国に逃れたウクライの人々の大多数は、女性と子どもです。彼女たちのおかれている苦しい立場を利用した搾取や人身売買など、避難を強いられた人々はさまざまなリスクに直面しています。現金の給付支援は、一人ひとりがいまもっとも必要なものを選び購入することができると同時に、搾取のリスクの軽減にもつながる有効な支援の方法です。
世界大戦を生き延び、ふたたび避難を強いられ
子どもの頃、第二次世界大戦を生き延びたリュドミラさん(87歳)は、今回の紛争でふたたび避難を強いられました。「いくつもの町で夜を明かしました。どこに行けばいいのかわからずにいたところ、ボランティアからウジホロドの受け入れセンターのことを聞いてここに来ました。泊まる場所と温かい食事を提供してもらい、とても感謝しています」。紛争の影響を受けた人々が尊厳を持って生活できる施設の用意は、もっとも必要な支援のひとつです。
子どもたちの生きる時代の行方
ウクライナ西部・リビウで列車に乗り込み、窓の外を見つめる少年。「これからどうなるんだろう」。そんな不安を抱えているに違いありません。周辺国では子どもだけで逃れているケースもあり、UNHCRはこうした子どもを迅速に特定、専門的な支援を受けられるようにしています。ウクライナ危機に関連して世界規模でさまざまな影響が派生。ウクライナの現実は今の日本、そして子どもたちが生きる時代の行方と、決して無関係ではありません。

戦闘が激化するウクライナ国内、多くの難民が身を寄せる周辺国でいま助けを必要とする人々がいます

国内避難民591万人 国内で緊急に支援を必要としている人1770万人 出典:Ukraine Emergency UNHCR Delivery Updates 28 DEC 2022 欧州に逃れた難民約800万人 出典:data.unhcr.org/en/situations/ukraine *2023年 UNHCRの援助活動拠点

ウクライナ国内で

同国国内では、苛烈な戦闘により591万人が避難を強いられ、1770万人が緊急に支援を必要としています。2022年秋から状況は悪化し、主要なインフラが攻撃を受け電力供給は壊滅状態に。水の供給にも影響を及ぼしており、長引く紛争と避難生活の中で人々のメンタルヘルスへの影響も懸念されています。2023年ウクライナ国内では、相当数の人が避難を続けざるをえないことが予想され、UNHCRは各方面と連携し引き続き保護サービスや緊急シェルター、住居、現金給付、援助物資の支援に尽力していきます。

これまでの主な援助活動

支援物資を配布する様子

①援助物資の配布。発電機の需要の高まりにも対応

戦闘の影響で身動きがとれない人々や国内避難民に、各方面と協働で援助物資を輸送・配布。2022年、インフラが破壊された地域には発電機81台を届けました。

②シェルター関連の支援。受け入れセンターの改善・確保など

適切な建物を修理し、数万人が就寝できるスペースを用意。ベッドや寝具の設置も実施。

避難家族の話を聞くUNHCR職員

③紛争の影響を受けた人々に現金の給付支援を実施

避難を強いられた人々、家や仕事を失った人々のために、迅速な給付を実施。登録センターでは、心理社会的支援なども提供。

④国境地点や受け入れセンターなどで保護支援を強化

西部の受け入れセンターに孫と避難したリュドミラさん(87歳、写真)。UNHCRは、こうした施設や国境地点に拠点を置き人々を支援。

ウクライナ国外で

戦闘の影響で約800万人がウクライナから周辺国をはじめとする欧州に逃れており、その大多数は女性と子どもです。受入国へのアクセスの確保、適切な受け入れ体制や基本的なニーズの充足など、緊急支援に重点を置いていた周辺国での対応は、各国制度への難民の包含を促す長期的な対応へと徐々に移行しています。この冬の優先事項は、人々が暖かく安全で尊厳のある形で生活できる環境を用意するために当局の取り組みを支援し、難民を保護することです。受け入れセンターの改善などシェルター関連の支援も急務です。

これまでの主な援助活動

車いすに乗る女性をケアするUNHCR職員

①国境や主要な受け入れ地域での援助活動

人々が流入する地域で援助活動を展開。弱い立場におかれ支援が必要な人を特定し、ニーズに沿ったサポートを提供。

②安全と安心をもたらす支援拠点「ブルードット」を開設

幅広い支援を受けることができる「ブルードット」をユニセフと各国の国境沿いに設置。保護支援や心理社会的ケア、情報などを提供。子どもが遊べるスペースも用意。

現金給付の受付をするUNHCR職員

③個々人のニーズを満たす現金の給付支援を実施

各国で給付支援センターを迅速に設置。

④シェルター関連の支援。宿泊施設の用意やモニタリングなど

当局の避難所などの環境がニーズに沿うようモニタリングも実施。

ウクライナ危機
UNHCRが注力する援助活動から3つの支援を詳しく紹介します

避難を強いられた人々や紛争で住まいが損傷した人々のために

シェルターサポート

屋根を修理する様子
修理建材等を配布する様子

戦闘で破損した家屋の中・小規模な修理にも尽力

へルソン州の村の約80世帯に、屋根やドアを修理する建材と防水シートを提供

シェルターは、避難時や危機的状況において生存に欠かせないものであり、個人の安全や尊厳の回復の鍵でもあります。UNHCRはウクライナでシェルターと援助物資のクラスター*を主導。受け入れセンターや避難所の改善・キャパシティの拡大、住まいの修理などに注力しています。シェルター関連の支援を通して紛争の影響を受けた人々が、この冬尊厳があり安全で暖かい場所で過ごせるようサポートすることは、最優先事項のひとつです。
*リード機関が中心となって支援のギャップや重複をなくすために調整を行い、さまざまな組織・団体と効率よく援助活動を行う体制

ブルードットの様子
モルドバに入国後、ブルードットに助けを求めたビクトリアさん(左)と家族。現在は、到着した難民のオリエンテーションのボランティアに

国境を越えたらすぐそこに。もっとも弱い立場におかれた人々の支援拠点

ブルードット

「ブルードット」はUNHCRとユニセフが共同で運営し、ウクライナから逃れてきた難民、とりわけもっとも弱い立場にある人々に対して重要な情報と実質的なサポートを提供する支援拠点です。難民の多数を占める女性と子どもは、ジェンダーに基づく暴力や虐待、さらに人身売買に巻き込まれる危険にもさらされています。ブルードットでは、こうした弱い立場にある人々、障がいや医療上のニーズを持つ人々などを特定し、専門的なサービスを紹介。ケースワーカーや法的支援従事者、メンタルヘルスの専門家、通訳などが幅広い支援にあたっています。

どんなサービスを提供? 子どもや家族にとって安全で安心できる場所の提供 (遊べる空間や休める場所、授乳スペースの用意、清潔な水やWi-Fiへのアクセス)メンタルヘルス、心理社会的支援 特別な支援が必要な人の特定と専門的な支援の紹介(一人でいる子ども、女性や少女、高齢者、障がいや医療上のニーズを持つ人、性的少数者など)法的支援、カウンセリング インフォメーションデスク(重要な情報や必要な支援を提供)

現金給付のための登録の様子
避難先で入院している人の元へモバイルチームが出張し登録を実施

一人ひとりが、いまもっとも必要なものを選び手にすることができる

現金の給付支援

現在国内外で避難生活を送る人々の多くが、着の身着のまま逃れてきています。現金の給付支援は、避難を強いられた人たちが各々のニーズに沿って不足している必需品や食料など、必要なものを優先して購入し生活と尊厳を取り戻す助けになります。ウクライナ危機が始まって以降、UNHCRは、国内外で各方面と協力して迅速に現金の給付支援プログラムを立ち上げ、避難を強いられた人々をはじめもっとも弱い立場にある人たちを支援しています。

破壊的な戦争によるトラウマを乗り越え回復するために、多くの国内避難民が心理社会的支援を必要としています

UNHCRウクライナ ヴィンニツァ支所 上級保護官 辻澤明子

辻澤明子UNHCR職員と国内避難民
子どもの「心のケア」をする活動に集まった国内避難民の親子とUNHCRウクライナ辻澤明子職員(中央)

UNHCRはウクライナ国内で1990年代から継続的に援助活動を行ってきました。ウクライナに来てみてUNHCRが長年この国で積み重ねてきた経験とノウハウ、ウクライナ政府、地方自治体、ウクライナのNGOなどの関係者と築いてきた信頼やネットワークが、今回のUNHCRの緊急支援においても大きな強みになっていると感じます。

今、ひときわ重要性が高まっているのが、国内避難民の「心理社会的支援(心のケア)」です。破壊的な戦争によるトラウマを乗り越え回復するために、多くの国内避難民が心理社会的支援を必要としています。私自身、地元自治体の職員や国内避難民から心理社会的支援に対する要望を多く受けます。

ウクライナでは「全く笑顔の無い子ども」にしばしば出会います。笑顔の無い子どもに出会うたび、この子は非常に辛い経験をしてきたのだなと胸が痛みます。そして私はいったいこの子のために何ができるのか、何かしたいという強い思いに駆られます。

心理面でのサポートはとても難しいです。しかし、例えば子どもは心のケアを目的とした心理社会的支援のアクティビティに参加するうちに、少しずつ笑顔を取り戻していきます。

あらためてウクライナの人の苦しみを思ってくださるお気持ちに御礼申し上げます。これからも共にウクライナの人々をお支えいただけますなら、本当に嬉しく存じます。

UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
緒方貞子さんとルワンダ難民
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・ウクライナなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料、毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子どもの心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

いま、私たちができることを
ウクライナの人々のために。

ウクライナ危機の影響もあり、2022年、ヨーロッパの難民の数は2倍以上に増え、ウクライナ国内で急増している国内避難民も含め、多くの人が地域全体で支援を必要としています。

紛争で避難を強いられた人々を守るUNHCRが果たすべき責務は2023年、さらに重要なものになっています。 皆様には重ねてのお願いとなり大変心苦しい限りですが、今も過酷な状況下にあるウクライナの人々を守り支えるため、皆様のご支援が必要です。皆様のご支援は、ウクライナの人々を守り支える大きな力になります。ぜひとも温かいご支援をご検討いただけますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

毎月1,500円のご寄付

破損した家の応急処置に使う防水シート 9枚 

毎月3,000円のご寄付
心のケアなど子どもの心理社会的支援 2人分
毎月4,500円のご寄付

避難を強いられた人々への現金給付 3人分 

※1年続けていただいた場合、1ドル=144円換算

  • 当協会へのご寄付は、寄付金控除(税制上の優遇措置)になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
  • ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
  • Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております

*皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。

皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
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