UNHCRの難民支援
紛争や迫害を逃れ、家を追われた人の数は過去最多

UNHCRユーエヌエイチシーアール(国連難民高等弁務官事務所)は、1950年以来、紛争や迫害等により故郷を追われた人々を国際的に保護・支援し、難民問題の解決へ向けた活動を行っています。その対象者は、難民・国内避難民・無国籍者・庇護希望者、そして帰還者等、多岐にわたります。

2021年末時点で故郷を追われた人の数は約8930万人(89,312,000人)。全人類の1%が紛争や迫害、そして暴力等により、避難を余儀なくされたことになります。また、故郷を追われた人の約41%が18歳未満の子どもです。(* Global Trends 2021より)

そんな中、UNHCRの支援対象者は約9470万人(94,666,000人)*となり、過去最高だった前年をさらに更新。シリアや南スーダン、ベネズエラ、そしてロヒンギャ難民危機、長期化する紛争や迫害により多くの難民・国内避難民等が長期に渡り故郷を追われている中、2021年8月以降のアフガニスタンでの情勢悪化、ミャンマーでの混乱等、新たな危機がぼっ発し、さらに多くの人々が避難を強いられました。(* Global Report 2021より)

そして、2022年5月、避難を強いられる人の数は1億人を超えました。

ウクライナからの難民の母子
ウクライナからポーランドへ入る国境を進む難民の母子。国境を越える難民の多くは女性と子どもです

2022年2月からのウクライナ情勢の悪化、エチオピア、ブルキナファソ、ナイジェリア、コンゴ民主共和国等の国々での新たな暴力の高まりにより、避難を強いられる人は著しく増加。その数はついに1億人を突破しました。2021年、UNHCRは29か国で40もの新たな危機に対応。フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官は「1億という数は実に厳しく、私たちに衝撃を与え、警告を発するものです。決して記録すべきではなかった数です」と述べ、こうしている今も、避難を強いられている人が増加していることに強い警告を鳴らしました。(* 2022年5月23日UNHCR本部プレスリリースより)

こうしている今も、多くの人々が家を追われています。そして紛争や迫害のみならず、気候変動による自然災害や新型コロナ感染症(COVID-19)のパンデミックによる貧困の深刻化・食料難も避難の大きな要因となっています。厳しい情勢が今現在も進行する中、一人でも多くの命を安全に保護するため、UNHCRは現地で支援活動を続けています。

難民支援の今 ― 世界で何が起きているのか?

UNHCR Global Report 2021より

世界の難民・国内避難民・庇護申請者等の分布図

※UNHCRの支援対象者の割合(2021年12月時点)

アフリカ:支援対象者3826万2920人
気候変動が引き起こす干ばつ、水資源をめぐる衝突

水をめぐる争いにより避難を強いられ、隣国チャドに到着したばかりのカメルーン難民

エチオピア、モザンビーク、中央アフリカ、そしてマリ、ニジェールといったサヘル地域等、2021年も武装勢力による暴力行為、誘拐、強奪、GBV(ジェンダーに基づく暴力)により多くの人々が国内外で避難を強いられました。さらに、5月にはコンゴ民主共和国のニーラゴンゴ火山が噴火、UNHCRは緊急支援を実施しました。
また、アフリカでは干ばつや洪水といった気候変動の影響も大きな影を落としており、カメルーンやサヘル地域では、水資源をめぐる衝突により多くの人々が避難を強いられています。
この地域における危機は世界から注目が集まらず、資金不足が続いていますが、UNHCRは暴力行為から逃れて来た人々を保護し、緊急支援を提供するのみならず、2018年12月に国連総会で採択された難民保護を促進していくための国際的な取り決め、難民に関するグローバル・コンパクト(Global Compact on Refugees)に則り、無国籍者の解消、民間企業等と連携した、タブレット、SMS等を利用した教育やコミュニケーションの促進を展開しています。

アメリカ(中南米):支援対象者1697万5313人
南米最大の危機となったベネズエラ、そして中米危機

南米での暴力から逃れた一組のLGBTIQ+カップル

2021年も情勢は収まらず、政情不安と食料難に苦しむ南米ベネズエラ、犯罪組織等による迫害・暴力行為が横行する中米エルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラ、ニカラグア等から逃れる人々の数は増加の一途をたどりました。
新型コロナウイルス感染症のロックダウンによる国境封鎖は緩和されましたが、このパンデミックによる貧困はさらに悪化し、栄養失調や性暴力のさらなる増加も報告されています。
UNHCRはパートナー団体等と協力し、難民や庇護希望者のみならず無国籍者にも新型コロナ・ワクチンの接種を促進。また、ブラジル、コロンビア、エクアドル等では、保護/居住プロジェクトを展開し、27万人以上を支援しました。メキシコでも、避難して来る人々への緊急支援を実施している他、主に市民社会が運営している避難所を支援し、性暴力の被害者の保護を実施しています。

アジア・太平洋:支援対象者1134万2153人
世界的に報道されたアフガニスタン、ミャンマーの混乱

アフガニスタン国内のキャンプに吹きすさぶ風から隠れようと走る子どもたち

2021年、この地域では世界を震撼させた2つの危機がぼっ発しました ― ミャンマーとアフガニスタンです。情勢悪化と混乱によって、2021年だけでミャンマーでは3万1000人以上が、アフガニスタンでは少なくとも15万8000人が国外に逃れ、国内でも数万人が避難を強いられました。
UNHCRは情勢悪化後も現地にとどまり、アフガニスタンの2021年8月の混乱において、約100万人に支援を提供。救援物資を提供するのみならず、人々の生活を守るための現金給付、零下を記録する冬の防寒支援、そして女性保護を実施しました。 ミャンマーでは、非常に弱い立場に置かれた国内避難民28万7000人を支援。救援物資や新型コロナ対策の設備も提供しています。
バングラデシュでは、今も約90万人のロヒンギャ難民が避難生活を送っており、難民キャンプの混雑を緩和するためにバサンチャー島に新たな居住設備を建設。また、中央アジアでは、無国籍問題を解消するため、ウズベキスタンで3万8000人が国籍を取得しました。

ヨーロッパ:支援対象者1209万7566人
今も続く地中海危機、そしてウクライナ東部での支援活動

イタリアのシチリア島沖で救助された親・保護者のいない子どもたちをケアするUNHCR職員

新型コロナによる国境封鎖を続ける国が残る中、難民・移民は増加し、2021年には12万3000人以上が地中海を渡りました。しかし、多くの人々は粗末なボートや小さな漁船等での航海を強いられ、3130人が命を奪われる、または行方不明となっています。このような避難の旅をする人の中には、人身売買や性暴力の危険にさらされやすい、親や保護者のいない子ども、LGBTIQ+といった非常に弱い立場に置かれた人々も多く含まれています。UNHCRは地元当局と協力し、緊急の保護活動を継続しています。
また、UNHCRは2021年もウクライナ東部において、非政府統制地域、接触線を越えて支援活動を展開。シェルターの修繕、孤立した地域の人々へ法的支援等の基本的サービスを提供するための地域プロジェクトを実施しました。アルメニア、アゼルバイジャンでも、紛争で被害を受けた人々へ支援活動を実施しています。

中東・北アフリカ:支援対象者1598万5782人
長期化するシリア、イエメンの危機

経済危機に苦しむレバノンで厳しい避難生活を強いられるシリア難民の一家

10年以上となったシリア危機は今も続いており、2021年も避難を強いられる人の数は増加。新型コロナウイルスのパンデミックにより人々の経済状況はさらに悪化し、シリア難民の貧困が深刻化していることが報告されています。また、イエメンでも国内各地で攻撃は継続され、多くの国内避難民が栄養失調・飢餓等の人道危機に瀕している他、イラクやリビアでも、国際的な支援が必要とされる状況が続いています。
UNHCRはシリア周辺地域・難民・回復計画(3RP)を基に、シリア難民570万人と受入国の支援を進めていく共に、子ども保護、現金給付等を実施。また、イエメンでは10万5000世帯以上にシェルターと救援物資を提供し、飢餓の危機にある140万人に現金給付を実施しました。

UNHCRは難民支援の最前線で援助活動を続けています

2021年にUNHCRが供給した主な緊急支援物資

支援物資を受け取る避難民
厳しい情勢が続くミャンマーのカヤー州に届けられた救援物資
  • 家庭用テント:9万202張
  • 毛布:486万2,816枚
  • 給水容器:36万3,110個
  • 蚊帳:144万326張
  • ビニールシート:211万8064枚
  • バケツ:100万3,805個
  • ソーラーランタン:130万742個
  • 調理器具セット:98万7,142家族分
  • 就寝用マット:331万9,068枚

* 日本を含む全世界からの寄付金による支援の一例です

紛争や迫害等の緊急時において、UNHCRは逃れてきた人々の命を守るための援助活動を行い、テント、毛布、水、食料、医薬品、生活用品等の援助物資を提供。また、十数年に及ぶこともある避難生活の間、学校に行けなくなってしまった子どもたちのための教育支援、家族を失い社会的・経済的弱者となった女性、故郷に戻れず生計を立てられなくなった人々のための女性支援・自立支援を実施しています。

UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・南スーダンなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料、毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子どもの心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

世界各国より届いた、民間の皆様からのご寄付
皆様からのご支援が、難民の未来を支える大きな力となっています

2021年、民間の皆様から賜ったご寄付総額は6億2500万米ドル
たくさんの皆様からのご支援に厚く御礼申し上げます

2021年までのご寄付総額・ご寄付者数の表

難民の命と尊厳を守るため、すべての人たちが安心して暮らせる日まで

難民とは、紛争や迫害、人道危機により生命の安全を脅かされ、他国に逃れなければならなかった人々です。
また、避難を強いられている人の41%は18歳未満の子どもです。

モーリタニアにて、マリ難民の子どもたちのケアをするUNHCR職員

フィリッポ・グランディ国連難民弁務官は「私たちに残された道は、この人間の悲劇に国際社会がひとつとなって取り組み、紛争を解決し、恒久的な解決策に向けて行動を起こすか、このおそろしい潮流がこのまま続くか、どちらかしかありません」と訴えます。紛争や迫害によって故郷を追われる人々がいる限り、いつ、どこであっても、命を守り、尊厳と希望を取り戻すため、UNHCRは活動を続けます。避難生活が十数年以上に及ぶこともある中、皆様からの安定したご支援・ご寄付があることで、UNHCRは支援計画の展望を描くことができます。

世界の難民をご支援いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

あなたのご支援でできること

※1ドル=112円換算、1年続けた場合

毎月1,500円のご寄付

避手で簡単に持ち運びできる飲料水用バケツ50家族分

毎月3,000円のご寄付

雨風からシェルターを守る防水用のビニールシート23家族分

毎月5,000円のご寄付

避難中でも家族と温かい食事がとれる、調理器具セット24家族分

  • 当協会へのご寄付は、税控除(税制優遇)の対象になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
  • ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
  • Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております

*皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。

皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
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