UNHCRの難民支援
紛争や迫害を逃れ、家を追われた人の数は過去最多

UNHCRユーエヌエイチシーアール(国連難民高等弁務官事務所)は、1950年以来、紛争や迫害等により故郷を追われた人々を国際的に保護・支援し、難民問題の解決へ向けた活動を行っています。その対象者は、難民・国内避難民・無国籍者・庇護希望者、そして帰還者等、多岐にわたります。

2020年末時点で故郷を追われた人の数は約8240万人(82,381,000人)。全人類の1%が紛争や迫害、そして暴力等により、避難を余儀なくされたことになります。また、故郷を追われた人の約42%が18歳未満の子どもです。(* Global Trends 2020より)

そんな中、UNHCRの支援対象者は約9190万人(91,923,000人)となり、過去最高だった前年をさらに更新。シリアや南スーダン、ベネズエラ、そしてロヒンギャ難民危機、長期化する紛争や迫害により多くの避難民が長期に渡り故郷を追われている中、2020年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界の避難民を襲いました。アントニオ・グテーレス国連事務総長(前国連難民高等弁務官)はこの未曾有のパンデミックを受け、世界中に停戦を呼びかけましたが、イエメンやコンゴ民主共和国、アフリカのサヘル地域等、暴力行為は終息せず、モザンビークやエチオピアのティグレでぼっ発した戦闘により数万人の民間人が新たに避難を強いられています。

コロナ禍の移動制限や国境封鎖にも関わらず、今も多くの人々が家を追われています。そして紛争や迫害のみならず、気候変動による自然災害や新型コロナによる貧困・食料難も避難の大きな要因となっています。厳しい情勢が今現在も進行する中、一人でも多くの命を安全に保護するため、UNHCRは現地で保護活動を続けています。

難民支援の今 ― 世界で何が起きているのか?

世界の難民・国内避難民・庇護申請者等の分布図

※UNHCRの支援対象者の割合(2020年12月時点)

アフリカ:支援対象者3594万5237人

終わらない人道危機、そしてモザンビークやエチオピアで新たにぼっ発した衝突

2020年12月、過激派の武装グループに襲撃された直後のニジェール・トゥムール村の様子

ブルキナファソ、マリ、ニジェール、ナイジェリアといったサヘル地域、コンゴ民主共和国、中央アフリカ等では武装勢力による暴力行為、誘拐、強奪、GBV(ジェンダーに基づく暴力)といった人道危機により2020年も多くの人々が国内外で避難を強いられました。そしてモザンビーク、エチオピアのティグレといった地域で新たな衝突がぼっ発。UNHCRは今も、現地で緊急支援を展開しています。

コロナ禍により多くの国々が国境を封鎖する中、難民支援に寛容なチャドやウガンダ、ケニア等は逃れて来る人々への門戸を閉じることなく、多くの難民・庇護希望者を受け入れています。また、少しずつですが、自発的な帰還も促されており、2020年、ブルンジへは約4万人、南スーダンには約30万人の難民・国内避難民が故郷への帰還を果たしています。

アメリカ(中南米):支援対象者1835万6358人

新型コロナウイルスの脅威に直面する中南米

「この猫には家がないの、私たちと同じように」と話す、中米ニカラグアの迫害から隣国グアテマラに逃れた少女

新型コロナウイルスが猛威を振るっているこの地域では厳しいロックダウン、国境封鎖が施行されましたが、政情不安と食料難に苦しむ南米ベネズエラ、犯罪組織等による迫害・暴力行為が横行する中米エルサルバドル、ホンジュラス、グアテマラ、ニカラグア等から逃れる避難民の数は今現在も増え続けています。そして2020年、ベネズエラから逃れた難民の数はシリアに続いて2番目に多いことが発表されました。

また、新型コロナはこの地域に経済状況の悪化をもたらし、避難民の生活をさらに悪化させた他、性暴力の増加も報告されています。UNHCRは逃れて来た人々を支援するため、新型コロナウイルス対策に細心の注意を払いながら、この地域に187か所のサポートスペースを設置した他、立ち退きを強いられた人々への宿泊施設の手配、緊急の現金給付等を実施していますが、恒常的に厳しい資金不足にさらされています。

アジア・太平洋:支援対象者975万5055人

長期化するアフガニスタン、ロヒンギャ難民危機

世界最大規模となったバングラデシュのロヒンギャ難民キャンプにて、UNHCRの支援でつくられた階段状の通路に立つ難民の子どもたち

1979年のソ連侵攻以来、世界で最も長く続く難民危機となったアフガニスタン。この国では2020年もテロや暴力が終息することはなく、多くの人々が国内外で避難を強いられています。しかし、難民計220万人を受け入れている隣国イラン、パキスタンでは教育支援、自立支援等も進んでおり、UNHCRはこの2か国の包括的な政策をサポートしています。

今も約86万人が隣国バングラデシュで避難生活を強いられているロヒンギャ難民へも新型コロナ感染予防のための医療支援、証明証の発行等の援助活動を継続していますが、今も難民が望む安全かつ自発的な帰還は難しく、また、ミャンマーから国内外へ逃れるその他の少数民族への援助活動のニーズも増大しています。

ヨーロッパ:支援対象者1201万6349人

今も続く地中海危機に対応するヨーロッパ諸国

2020年9月、ギリシャ・レスボス島のモリア難民受入施設で発生した火災で住み家を失った人々

2015年、世界的を浸透させた地中海難民危機。この地中海ルートから危険な旅を経て避難して来る人々のヨーロッパの受け入れ人数は、新型コロナの国境封鎖等により、前年2019年から40%減少しました。そしてこのルートでの死者・行方不明者数は5%上昇したことが報告されています。そんな中、2020年9月にギリシャ・レスボス島のモリア難民受入施設で大規模な火災が発生。UNHCRは緊急支援を実施すると共に、ギリシャやイタリア、キプロス、スペインといった地中海沿岸諸国の地元当局と協力し、受入センターの環境改善、新型コロナ対策の強化を実施しています。

また、東欧ウクライナでは2020年7月に停戦が発効され、爆撃は減少しましたが、今も武装対立は続いています。新型コロナの移動制限によりウクライナ東部の非政府統制地域で暮らす人々のニーズは特に増大しており、UNHCRはシェルター支援、現金給付等を実施しています。

中東・北アフリカ:支援対象者1584万7447人

政治的解決が見えないシリア、イエメン、そしてリビア

ヨルダンのアンマンにて、UNHCRの現金給付で何とか暮らしをつないでいるシリア難民のアブドゥール・ハミードさん(右)と孫のオダイ君

第二次世界大戦より長く続くシリアの紛争は今も世界最大の難民危機であり、1200万人以上が国内外で避難を強いられています。イラクでも不安定な状況が続いており、国内避難民120万人、帰還民27万人以上が基本的なサービスを受けられない、保護が必要な状況に置かれています。そんな中、苦難を強いられている避難民の生活を新型コロナウイルスのパンデミックが直撃。人々の経済状況はさらに悪化し、この地域で難民・国内避難民の貧困が拡大していることが報告されています。

また、1620万人が食料難に陥っているイエメンでも和平に向けた進展は見られず、人々の貧困はさらに深刻化。アフリカ・リビアでは今も27万人以上が国内で避難を強いられている他、リビアから海を渡る人の数は前年より58%増加していますが、UNHCRはリビアからの救出計画も進めており、2020年、庇護希望者490人がルワンダ等に避難し、難民320人が第三国再定住を果たしました。

UNHCRは難民支援の最前線で援助活動を続けています

2020年にUNHCRが供給した主な緊急支援物資

支援物資を受け取る避難民
紛争と飢餓により人道危機が叫ばれるイエメンにて配布されたUNHCRの救援物資
  • 家庭用テント:10万7,103張
  • 毛布:295万5,670枚
  • 給水容器:38万714個
  • 蚊帳:146万5,079張
  • ビニールシート:162万6,142枚
  • バケツ:102万2,490個
  • ソーラーランタン:59万7,377個
  • 調理器具セット:75万5,372家族分
  • 就寝用マット:159万7,010枚
  • * 日本を含む全世界からの寄付金による支援の一例です

    紛争や迫害等の緊急時において、UNHCRは逃れてきた人々の命を守るための援助活動を行い、テント、毛布、水、食料、医薬品、生活用品等の援助物資を提供。また、十数年に及ぶこともある避難生活の間、学校に行けなくなってしまった子どもたちのための教育支援、家族を失い社会的・経済的弱者となった女性、故郷に戻れず生計を立てられなくなった人々のための女性支援・自立支援を実施しています。

UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・南スーダンなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子供の心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

世界各国より届いた、民間の皆様からのご寄付
皆様からのご支援が、難民の未来を支える大きな力となっています

2020年、民間の皆様から賜ったご寄付総額は5億3750万米ドル、前年度より28%増加しました。
たくさんの皆様からのご支援に厚く御礼申し上げます。

2020年までのご寄付総額・ご寄付者数の表

難民の命と尊厳を守るため、すべての人たちが安心して暮らせる日まで

難民とは、紛争や迫害、人道危機により生命の安全を脅かされ、他国に逃れなければならなかった人々です。
また、2018年~2020年に約100万人の子どもが難民として生まれています。

2021年5月、コンゴ民主共和国ニーラゴンゴ火山噴火から避難した孤児の赤ちゃんをあやすUNHCR職員

「この一つひとつの数の背景には、故郷を追われた一人ひとりの人間の姿があり、そのそれぞれに強制移動、避難、苦しみの物語があります。そのすべてにおいて、人道支援はもちろん、彼らが苦境から抜け出すための解決策への意識喚起、サポートが切に求められています。」2021年6月グローバル・トレンド発表の際、フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官はこのように語りました。紛争や迫害によって故郷を追われる人々がいる限り、いつ、どこであっても、命を守り、尊厳と希望を取り戻すため、UNHCRは活動を続けます。避難生活が十数年以上に及ぶこともある中、皆様からの安定したご支援・ご寄付があることで、UNHCRは支援計画の展望を描くことができます。世界の難民をご支援いただきますよう、どうぞよろしくお願いいたします。

あなたのご支援でできること

※1ドル=106円換算

毎月1,500円のご寄付

避難中でも家族と温かい食事がとれる

調理器具セット10家族分

毎月3,000円のご寄付

子どもの下痢や肺炎の症状を治療する

医薬品34人分

毎月5,000円のご寄付

暑さや寒さ、風雨から家族を守る

テント1張

  • 当協会へのご寄付は、税控除(税制優遇)の対象になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
  • ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
  • Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております

*皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。

皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
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