UNHCRのシリア難民・国内避難民支援
「今」そして「これから」

UNHCRは2011年のシリア内戦の始まりからこの10年間ずっと
シリア難民・国内避難民への支援を継続しています。

今も。これからも。

UNHCRはシリア難民・国内避難民の命を最前線で守り支え続けます。

現地職員の声
UNHCRシリア代表 伊藤礼樹

今、周辺国およびシリアの経済状況の悪化が、シリア難民・国内避難民を瀬戸際まで追い詰めています。

そして他の人の土地で苦しむよりもと、厳しい選択の末、故郷に戻る人が増えています。

このような人々の再定住支援に、実は日本からの支援は非常に貴重な力となっています。シリアへの各国の支援は、政治的背景から緊急支援物資や食料などに使途が限定されている場合も少なくありません。

一方、日本からの支援は「特定の地域にだけ支援をしているわけではない」という中立的立場を維持しつつ、再定住支援にも活用でき、その大きな力になっているのです。

日本からの支援は極めて公平で人道的です。他の支援が行き届かないところでも活用されるため、同じ1ドルでも大きな効果をあげていると言えます。

シリアに関心を持ち、支えてくださってきた皆様にあらためて深謝いたします。そして末筆ですがご健勝を心よりお祈り申し上げます。

※伊藤礼樹職員は 2021年2月に UNHCRシリア代表から UNHCRレバノン代表へ転任いたしました。
現在は UNHCRレバノン代表として引き続きシリア危機に取り組んでおります。

STORY

サマールさん

「この仕事が無かったらどうなっていたかわかりません」と語るサマールさん

サマールさんの場合

娘を抱きかかえるサマールさん
戦闘に巻き込まれ、右足の膝から下を失ってしまった8歳の娘を抱きかかえるサマールさん

2019年に4年ぶりに避難先から故郷に戻ったサマールさんは6人の子どもを抱えるお母さん。戦闘に巻き込まれましたが、子ども達は命を取り留めました。

けれど11歳の娘は精神的トラウマに苦しみ、8歳の娘は右足の膝から下を失いました。故郷に戻ったサマールさんは家族を養えるような仕事に就けず極貧生活に喘いでいました。

ある日サマールさんはUNHCRとパートナー団体が運営するコミュニティセンターを偶然通りかかり、思いきって相談してみました。

相談の結果、サマールさんは仕立て屋の開業資金の融資などの援助をUNHCRから受けられることになり、ミシンを購入して仕立て屋を始めました。

「我が家に笑顔が戻りました」とサマールさん。「今回の自立支援のチャンスが得られなかったら、私の子ども達は学校に通えなかったでしょう」

注:パートナー団体…現在UNHCRは約900のパートナー団体と協働しています。各地のパートナー団体と協働することにより、援助を必要としている人たちの様々なニーズに対して、包括的で効果的な支援を行うことを目指しています。
https://www.unhcr.org/partnerships.html

UNHCRの自立支援

伊藤代表とサマールさん
伊藤礼樹UNHCRシリア代表(左から2人目)一行に自分の事業について説明するサマールさん

伊藤礼樹UNHCRシリア代表は、シリア西部を視察中にサマールさんと出会い、話を聞きました。

「UNHCRの援助によってサマールさん一家が暮らす家にドアや窓が付けられました。 そしてUNHCRの自立支援がサマールさんに収入の道を開きました。ご一家の状況はまだ非常に厳しいものですが、とにかくご家族は今一緒に暮らせています」

避難先から帰還したシリア人の多くが仕事を見つけることに苦労しています。2013年にスタートしたUNHCRの自立支援プログラムにより、2020年までに数千人のシリア人が自立支援を受けることができました。

この数千人が自立して職を得ることにより、数千世帯の状況が改善されました。すなわち自立支援は数万人の生活を改善し、コミュニティ全体にも大きな利益をもたらしています。

UNHCRの自立支援プログラムには職業訓練、起業家への支援、道具の提供、ワークショップ、農業生産のための施設などが含まれます。2020年頭からUNHCRは新たに起業のための融資を開始しました。(2020年の融資枠は850名まで拡大する計画)

援助体制・今年の方針

シリア国内の避難民への支援

UNHCR支援対象者数

714万7738人

出典:UNHCR Syria – Fact sheet October 2020
※シリア国内に他国から避難している難民・庇護申請者も含む シリア地図

シリアにおけるUNHCRの援助体制
職員…491名 事務所…7か所

出典:UNHCR Syria Fact Sheet October 2020
※援助対象は、シリア国内のUNHCRの支援対象者すべてを含みます。

2021年、シリア国内ではまだ人道的ニーズや保護のリスクが残っていますが、治安が安定した地域を中心に難民・国内避難民の帰還が続くと予想されます。ただし帰還の状況は、新型コロナウイルス感染症の流行による移動や国境通過の制限の状況に大きく左右されることとなります。

UNHCRは安全確保や身分証明書などの公的書類の再発行、あるいは地域に根差した保護活動など、多角的な援助活動の実施に注力します。

この多角的な援助活動では、緊急援助物資の提供やシェルター支援、自立支援なども行われ、多角的に様々な援助活動を同時に進めることにより全体的な問題解決の促進を図ります。

なお、UNHCRの援助活動の拠点として重要な役割を果たしているのがUNHCRと各地のパートナー団体が協働で運営しているコミュニティセンターです。

周辺5か国のシリア難民への支援

周辺5か国のUNHCR支援対象の「シリア難民数」

557万5694人

各国の支援対象者数 → https://data2.unhcr.org/en/situations/syria(2021年1月6日現在)

シリア周辺国地図

リア周辺5か国におけるUNHCRの援助体制
職員…2000名以上 事務所…30か所

出典事務所の所在地 → UNHCR各国事務所の作成した2020年の Fact sheet より
各国の支援対象者数 → https://data2.unhcr.org/en/situations/syria
(データの日付およびソースは国ごとに異なります。最新の数字はサイトをご覧ください)

2021年、UNHCRはシリア難民の中でも最も脆弱な立場の人々に対して、大規模な現金給付支援を続行します。その中には、新型コロナウイルス感染症の社会経済的インパクトに最も甚大な影響を受けた人々も含まれます。

シリア難民を受け入れている周辺5か国において、各地で現場の援助活動に携わると共に、難民支援に必要不可欠な受け入れ国側の協力を得ながら、UNHCRは国連開発計画と共に「シリア周辺地域・難民・回復計画(通称:3RP)」を主導して、270以上の支援団体の援助活動をとりまとめます。

★ご参考:今までのシリア危機に対するUNHCRの援助活動の概要はこちら

皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
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