シリア緊急支援のお願い
10年間の紛争の影響と新型コロナウイルス感染症の脅威。
かつてない困難に直面する人々を、どうぞUNHCRとともに支えてください。

2021年3月 ― 、シリアの紛争が始まってから丸10年になります。
2020年はシリアの人々にとって、試練の年でした。未だ世界を覆っている新型コロナウイルスの脅威です。シリア周辺の一部の国では60%以上のシリア難民が収入源を失い、その日の食事に困窮するほど追い込まれている家族も少なくありません。そして、8月にはレバノンの首都ベイルートで大規模な爆発が起きました。
この事故でシリア難民の方々を含む何十万もの人々が住まいを失いました。「自分の家で過ごす」。コロナ禍の中、それさえできず、避難先でウイルスに怯えながら過ごしている人たちがいます。

アレッポの破壊された学校
シリア・アレッポの破壊された学校

10年間、国外に避難できず、紛争の中で生きてきた人たちもいます。包囲され、外を歩けば狙撃される危険と隣り合わせの暮らし。食料の補給路が断たれ、飢えと闘う日々。シリア各地で、人々の住まいや学校、病院が破壊されました。命の危険がすぐそばにあり、子どもの未来が奪われ、病気やケガをしても診てもらえるところがないということは、そこで生きることをあきらめざるを得ないということです。同国では、今も約670万人が避難生活を送り、約1,106万人が人道支援を必要としています。(* 2020年10月現在)

シリアの紛争 試練の連続、奮闘の10年

住み慣れた家、学校、病院……。すべてががれきと化し打ち砕かれたそれ以前の日常。
誰もが大切な誰かを失った10年。深まる困窮、そしてパンデミックの脅威。
今、シリアの人々がもっとも必要としている支援とは……。

今、シリアと周辺国で起きていること、人々が必要としている支援とは

シリアと周辺国地図

・緊急の現金の給付支援
新型コロナウイルスの影響により、シリア周辺の一部の国では、シリア難民の60%以上が収入源を喪失。命と暮らしを守る緊急の現金の給付支援が必要です。

・保健医療、生計支援
周辺国でもっとも必要な支援の優先順位は、現金給付のほか、保護、保健医療支援、生計支援などです。

・人道支援 ― 助けを必要とする人1106万人
シリア国内では約1,106万人が人道支援を必要としています。食料の価格は紛争前の20倍に上昇。経済の悪化により避難先で生活ができなくなり、状況が不安定な故郷に戻る人が増えています。住まいもなく苦しい状況にある人々への支援が急務です。

“シリアに人がいること。国外から戻る人々、国内の避難先から故郷に帰る人々がいること。彼らが緊急の人道支援を必要としていることを、決して忘れてはならないと思うのです”

フィリッポ・グランディ国連難民高等弁務官
2020年9月シリア東グータを訪問したグランディ高等弁務官

かつて苛烈な戦闘があったシリア・東グータ地区を昨年訪れたフィリッポ・グランディ高等弁務官は国際社会に支援を訴えました。

「ここに戻ってきた人々の状況はあまりに過酷で、緊急に人道支援が必要です。水にも問題があり、電力供給も不安定です。薬を買えてもとても高かったり、食料もそうです。そして新型コロナウイルスによって状況はさらに深刻化しています

そこにいるのは、私たちと同じように一人ひとりに自分の名前と顔があり、試練に立ち向かう人たちです

変わり果てた故郷シリアに帰還したジハド(44歳、シリア帰還民)

思い描いてみてください。ドアも、窓も、何もなくなった家を

医療支援を必要とするアブデルラーマン(2歳、シリア難民)

「生まれつき肺に持病があるこの子には、24時間、酸素吸入が必要なのです」

アブデルラーマン

ヨルダンで避難生活を送る2歳のアブデルラーマンは、生まれつき肺に疾患を抱えています。両肺の移植手術が必要で、今は24時間の酸素吸入が不可欠です。父親のバセムは、酸素発生器を絶えず稼働させる費用をまかなうために装飾の仕事を請け負い、UNHCRも医療費の一部を支援してきました。
しかし、新型コロナウイルスによる外出禁止令で収入源を失い、息子が生きるために必要な医療費を稼ぐことができない状況に陥っています。肺に持病のあるアブデルラーマンが感染してしまう可能性もあるため、新型コロナの収束の兆しが見えないことも、家族を精神的に追い詰めています。コロナ禍で苦しい境遇にある難民の方々の多くが必要としている現金給付や医療、保護支援は、このように命を守るために必要不可欠な支援なのです。

ベイルート爆発事故に巻き込まれたマナール(4歳、シリア難民)への心のケア

「音がすると娘は耳をふさぎ、また爆発があるのではないかと怯えるのです」

マナール

轟音とともに地面をゆるがす爆撃。周辺国に避難する子どもの中には、飛行機の音がすると表情がこわばる子どももいます。難民の方々のメンタルヘルスは、紛争の開始から10年が経とうとしている今、新型コロナの影響により一層深刻な問題になり、支援の強化が必要な分野です。
2020年8月のレバノン・ベイルートでの大規模爆発に巻き込まれたシリア難民の状況は、とりわけ深刻です。「もっとも傷を負っているのは、難民の方々です。事故で紛争の記憶が呼び起こされたからです」と精神科医は語ります。シリア難民のファイマも紛争のトラウマにさいなまれながら、ストレス反応の増えた4歳の娘を心配し、UNHCRのパートナー団体のセラピーに通わせています。「音がすると娘は耳をふさぎ、また爆発があるのではないかと怯えるのです」。

心と身体に傷を負った家族を守り生きる母サマール(シリア帰還民)を支えた自立支援

「この支援がなければ、今頃どうしていたことか……。家族に笑顔が戻りました」

サマール母子

故郷に帰還した人々にとって、いかにして生計を立てる手段を取り戻し家族を守っていくかということは喫緊の課題です。UNHCRは2013年から帰還民の自立を目指し、人々とコミュニティを支え続けてきました。6人の子どもの母親であるサマールは、支援を受けて安定した収入を得られるようになった一人です。
避難先も戦火に包まれ、度重なる避難を強いられた一家は、2019年にようやく故郷に帰還。11歳の娘は紛争のトラウマを抱え、8歳の娘は命こそとりとめたものの片足を失いました。故郷に戻っても暮らし向きは楽にならず、苦しい日々を送る中、サマールはコミュニティセンターに相談し起業支援プロジェクトを知りました。彼女は支援を受けてミシンを購入し、現在仕立てで家族を支えています。

日本のご支援者の皆様

伊藤礼樹職員

今、周辺国およびシリアの経済状況の悪化が、シリア難民・国内避難民を瀬戸際まで追い詰めています。そして他の人の土地で苦しむよりもと、厳しい選択の末、故郷に戻る人が増えているのです。
このような人々の再定住支援において、実は日本からの支援は非常に貴重な力となっています。シリアへの各国の支援は、政治的背景から緊急援助物資や食料などに使途が限定されている場合も少なくありません。
一方、日本からの支援は「特定の地域にだけ支援をしているわけではない」という中立的立場を維持しつつ、再定住支援にも活用でき、その大きな力になっているのです。日本からの支援は極めて公平で人道的です。他の支援が行き届かないところでも活用されるため、同じ1ドルでも大きな効果をあげていると言えます。
シリアに関心を持ち、支えてくださってきた皆様にあらためて深謝いたします。そして末筆ですがご健勝を心よりお祈り申し上げます。

UNHCRシリア代表 伊藤礼樹

アブー・アーマッドは、アレッポ城のすぐ横、祖父の代から続くケパブ店を再開。十分な水もなく、電力供給も不安定な場所で、人生を立て直そうと奮闘している

「シリアはまるで、100年前に戻ってしまったかのようだ」

忘れられない、現地の方の言葉です。10年の紛争で失われたものは、はかりしれません。暮らしと人生を取り戻すのに長い年月を要することを、シリアの人々は知っています。まして、不安定な情勢が覆うこの世界です。ただ確かなのは、こういった状況でこそ、私たち一人ひとりの力が頼りだということです。この10年、皆様のご支援は、どんな時も、各国の利害に左右されることなく、確実に難民の方々の元に届き、その命を守り支えてきました。皆様の思いが形になったご寄付は、そういった大きな力を持っています。

紛争開始から10年。深まる困窮。
もっとも苦しい立場にある人々を、決して取り残さない。

紛争の10年、追い打ちをかけるようなコロナ禍の中で、守ってくれる、声を聞いてくれる自分の国がないということは、どれほど心細く、やるせないことでしょう。だからこそ今、「難民の方々の一番近くで声を聞く」UNHCRの活動の根幹が、ますます重要になっています。現場で人々の声に耳を傾けることは、苦境にある人を置き去りにしない人道援助活動の最初の一歩であり、UNHCRが貫いてきた現場主義の最たる例です。新型コロナの影響で支援の現場も変革を余儀なくされていますが、UNHCRは感染予防に配慮しながら現場にも足を運び、援助活動を続けています。

もっとも苦しい立場にある人が決して取り残されることのないよう、
今シリアの人々を支える力を、UNHCRにお貸しください。

UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・南スーダンなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子供の心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

シリアの人々を支えるために - 皆様のご支援でできること

毎月1,500円のご寄付

1年で、新型コロナウイルス感染症検査16人分

毎月3,000円のご寄付

1年で、新型コロナ対策セット9セット、医療用ガウン9人分

毎月5,000円のご寄付

1年で、現金の給付支援3家族分、感染症検査3人分

※1ドル=106円換算

  • 当協会へのご寄付は、税控除(税制優遇)の対象になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
  • ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
  • Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております

*皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。

皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
X

このウェブサイトではサイトの利便性の向上を目的にクッキーを使用します。詳細はプライバシーポリシーをご覧ください。

サイトを閲覧いただく際には、クッキーの使用に同意いただく必要があります。

同意する