ロヒンギャ難民危機
UNHCRは、伝えます。ロヒンギャの人々の、声なき声を。

ミャンマーでは軍隊に脅され、家業である農業もできず、移動することも許されなかったモハマドさん(40歳)は、2017年8月、ミャンマーでの暴力行為から避難するため、15日かけてバングラデシュまで歩いて逃れました。2歳の娘・フォーミナちゃんの目は感染症にかかり、ずっと腫れあがったままです。

ミャンマーのラカイン州北部で起きた暴力行為により、2017年8月以降累計77万人の人々がバングラデシュに流入し、未曽有の人道危機となったロヒンギャ難民危機。国境を越えて避難してきたロヒンギャ難民の半数以上は子どもです。ミャンマーでは多くのロヒンギャの人々がひどい暴力・性暴力を受け、また、家族の誰かを失いました。ロヒンギャ危機から5年目を迎える現在も、母国に帰って安全に暮らせる見通しがたたない中、人々は心と身体に傷を抱えながら懸命に生きています。
UNHCRはロヒンギャ難民の命を守る最終的な責任を負う国連機関として、切迫した現場で援助活動にあたっています。しかし、援助活動に深刻な影響を及ぼしている大幅な資金不足のため、難民キャンプで配給される食料は必要最低限のものに限られており、いまだ5歳未満の子どもの13.7%が深刻な栄養失調状態に苦しんでいます。
また、今、すぐそこまで来ているモンスーンの季節に頻発する大雨等の自然災害から、ロヒンギャ難民を守るための対策も緊急の課題です。

UNHCRは伝えます、ロヒンギャの人々の声なき声を

「今、この子は私の命です」ドゥル・ベグム(60歳)私は毎日この孫の男の子を抱いて、面倒をみています。ミャンマーでは、近所の人が銃で撃ち殺されるのを目撃しました。それで家族でこうして逃げてきたのです。「父も母も、行方不明のままです」マフムード(18歳・奥の男性)私たちの村は焼かれ、人々は殺されていました。私も妻も、両親は行方不明のままです。私たち家族は夜の間に小さな舟に乗り、ここにたどり着きました。海岸では2千人から3千人が舟を待ち続けていました。皆、なんとかしてバングラデシュに逃れようと必死だったのです。 「レイプされ、閉じ込められて火をつけられました」ムムタズ(30歳)軍隊に家を焼かれ、村の人たちと川岸に隠れました。でも見つかってしまい、夫を含め多くの人が撃ち殺されてしまいました。その後、子どもたちのうち二人が殺され、私はレイプされたのです。娘のロジエ(7歳)も、なたで頭を殴られました。それから私たちは建物に閉じ込められ、火を放たれて…。この火傷は、その時に負ったものです。「お姉ちゃん、戻ってきて」アジア(10歳)/姉の墓のそばにて 私の姉のカブラは、高い熱を出していました。難民キャンプの病院に運ばれましたが、そのまま亡くなってしまいました。まだ14歳だったのに。お姉ちゃん、どうか戻ってきて。一緒に遊ぼうよ。

※年齢などは取材当時の物です。

厳しい環境下でも、ロヒンギャの人々は懸命に前へ進もうとしています

UNHCRバングラデシュ・ダッカ事務所 上級開発担当官 長谷川のどか

長谷川職員
長谷川のどか職員

UNHCRバングラデシュ・ダッカ事務所の長谷川のどかと申します。大学時代に私はミャンマーに留学し、ミャンマーの民族問題や強制移住の問題を目の当たりにし、その中でも複雑なロヒンギャの問題について関心を持つようになりました。10代の終わりごろにはいつかUNHCRのロヒンギャ難民支援に関わると、心に決めていたように思います。 こんなにも長くロヒンギャをめぐる問題が続いていることは悲しくもありますが、こうして私は今、大学時代に思い描いた難民支援の現場で仕事をしています。

ミャンマーの不安定な政治情勢から未だ帰還の見通しが立たないまま、ロヒンギャの人々は教育や就労など様々な制限を課せられた中、現在も難民キャンプで、避難生活を強いられています。しかし厳しい環境下でも、 ロヒンギャの人々は懸命に前へ進もうとしています。ある一人のロヒンギャの青年との出会いは、今でも忘れられません。その青年は、現在の環境下で未来への希望を持ち続けることの難しさを話してくれました。少しでも何かができればと、青年はキャンプ内でボランティア活動に参加したり、ロヒンギャの子どもたちに勉強を教えるなど、就労ができない中でも様々な活動に貢献しています。この青年が難民キャンプで5年間どんな暮らしをしてきたのか、この先希望を持ち続けるために我々は何ができるのか、考えさせられます。UNHCRは政府やパートナー団体と連携し、難民キャンプ内でミャンマーの小学校のカリキュラムを導入した授業を受けられるよう尽力しています 。

長谷川職員と難民女性
自立支援プログラムに参加する難民女性と話す長谷川職員

ロヒンギャ危機から5年目を迎え、変わりゆく世界情勢の中で世界の人々のロヒンギャ難民問題への関心が日に日に薄れていくこと、忘れさられていくことを私たちは最も恐れています。ロヒンギャ難民の現状は、日本からみると遠い国の話に聞こえるかもしれません。しかし、かつて日本人初であり、女性初の国連難民高等弁務官を務められ、数多くの難民・避難民の命を救った緒方貞子さんがおっしゃっていたように、自分の国だけの平和はありえません。世界はつながっているのです。世界で難民を受け入れている国の多くは、様々な課題を抱える開発途上国です。

国際社会が難民問題を自国の問題として捉え、受入国の負担が少しでも軽減されるように手を差し伸べることが、難民問題の解決に繋がると考えています。皆様のご支援は、確実にUNHCRが難民に届けます。ロヒンギャの人々の命を守るために、皆様の温かいご支援を賜りますよう、心よりお願い申し上げます。

UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・南スーダンなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料、毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子どもの心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

モンスーンの豪雨と感染症からロヒンギャ難民を守る、UNHCRの援助活動

暴風雨と濁流
コックスバザール県のモンスーンの時期にみられる暴風雨と濁流

モンスーン豪雨対策

ロヒンギャ難民が避難しているコックスバザール県は雨の多い地域であり、雨季(5月から10月)にはサイクロン*が多発します。(* 台風同様、暴風雨・豪雨を伴う熱帯低気圧)2021年には、24時間の間に7月の月間平均降水量の約半分に相当する300ミリを越える大雨が降り、3800戸の簡易住居が倒壊し1万3000人が避難を余儀なくされたほか、6人のロヒンギャ難民が命を落としました。
UNHCRは斜面の土地の整地作業や排水システムの整備を行い、また危険な地域に住む難民を一時避難をさせるほか、難民キャンプ内の歩道や橋を含むインフラの補強などを雨季が訪れる前に急ピッチで行っています。

手洗いをする子ども
石けんで手洗いをする子ども。感染症対策の正しい知識をロヒンギャ語で伝えている

新型コロナウイルス対策

UNHCRはパートナー団体と共に隔離・治療施設の設置や正しい手洗い方法を含む感染予防知識の呼びかけ、またワクチン接種体制の整備などに尽力し、感染者数及び死者数は比較的抑えられています。難民キャンプ内における新型コロナウイルス感染対策はバングラデシュ政府の国家政策に包含されていますが、難民間における集団感染が発生した際には、合併症を引き起こすリスクが高くなります。また感染が広がった場合、キャンプ内で物資や食料などの最低限の支援さえも提供できなくなる可能性もあるため、今後も引き続き感染予防対策に一切の予断を許さない状況です。

どうかロヒンギャ難民の命を守る力を貸してください

故郷を追われてこの地にたどり着いたロヒンギャ難民は、ミャンマーの政治情勢の行方が不確かな中、衣食住、教育、医療を人道支援に頼らざるをえない状況にあります。過密状態にあり火災等の危険にもさらされている難民キャンプでゼロからの再出発を強いられながら、新型コロナウイルス、そしてモンスーン豪雨による自然災害の危機に直面するロヒンギャの人々の命を確実に守るためには、今、日本をはじめ世界からの支援が必要なのです。

たとえば、15,000円のご寄付で、栄養失調の子どもが緊急に必要な約50日分の栄養補助食品を4人に届けることができます。どうぞ今すぐ、ご支援をお願いします。

皆様のご支援でできること

15,000円 のご寄付で
栄養失調の子どもが緊急に必要な約50日分の栄養補助食品(4人分)
25,000円 のご寄付で
水害から住まいを守るモンスーン対応キットと防水シート(13家族分)
36,000円 のご寄付で
マスクや消毒液などの新型コロナ対策セット(10家族分)
※1ドル=112円換算
  • 当協会へのご寄付は、税控除(税制優遇)の対象になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
  • ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
  • Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております
皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
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