ロヒンギャ難民危機
UNHCRは、伝えます。ロヒンギャの人々の、声なき声を。

ミャンマーでは軍隊に脅され、家業である農業もできず、移動することも許されなかったモハマド(40歳)は、2017年8月、ミャンマーでの暴力行為から避難するため、15日かけてバングラデシュまで歩いて逃れました。2歳の娘・フォーミナの目は感染症にかかり、ずっと腫れあがったままです。

ミャンマーのラカイン州北部で起きた暴力行為により、2017年8月以降72万人以上の人々がバングラデシュに流入し、未曽有の人道危機となったロヒンギャ難民危機。国境を越えて避難してきたロヒンギャ難民の半数以上は、子どもたちです。そんな中、2020年、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが発生。難民キャンプの過密な環境下で生活をしているロヒンギャ難民の命を危険にさらしています。 UNHCRは「ロヒンギャ難民を決して見捨てない」という決意で、ロヒンギャ難民の命を守る最終的な責任を負う国連機関として、切迫した現場で援助活動にあたっています。しかし、大幅な資金不足が援助活動に深刻な影響を及ぼし、難民キャンプで配給される食料は最低限のものに限られており、いまだ5歳未満の子どもの11%が栄養失調状態にあります。

UNHCRは伝えます、ロヒンギャの人々の声なき声を

「今、この子は私の命です」ドゥル・ベグム(60歳)私は毎日この孫の男の子を抱いて、面倒をみています。ミャンマーでは、近所の人が銃で撃ち殺されるのを目撃しました。それで家族でこうして逃げてきたのです。「父も母も、行方不明のままです」マフムード(18歳・奥の男性)私たちの村は焼かれ、人々は殺されていました。私も妻も、両親は行方不明のままです。私たち家族は夜の間に小さな舟に乗り、ここにたどり着きました。海岸では2千人から3千人が舟を待ち続けていました。皆、なんとかしてバングラデシュに逃れようと必死だったのです。 「レイプされ、閉じ込められて火をつけられました」ムムタズ(30歳)軍隊に家を焼かれ、村の人たちと川岸に隠れました。でも見つかってしまい、夫を含め多くの人が撃ち殺されてしまいました。その後、子どもたちのうち二人が殺され、私はレイプされたのです。娘のロジエ(7歳)も、なたで頭を殴られました。それから私たちは建物に閉じ込められ、火を放たれて…。この火傷は、その時に負ったものです。「お姉ちゃん、戻ってきて」アジア(10歳)/姉の墓のそばにて 私の姉のカブラは、高い熱を出していました。難民キャンプの病院に運ばれましたが、そのまま亡くなってしまいました。まだ14歳だったのに。お姉ちゃん、どうか戻ってきて。一緒に遊ぼうよ。

※年齢などは取材当時の物です。

人々は今、雨期・モンスーンの自然災害のリスクと隣り合わせにあります

UNHCRバングラデシュ・コックスバザール事務所 首席保護調整官 中柴春乃

中柴春乃UNHCR職員

2017年8月以降、累計で72万人以上のロヒンギャの人々がバングラデシュに避難してきました。それは、近年で最速・最大規模の難民危機となり、世界で最大規模の難民キャンプがアジアにできました。ミャンマーでは、多くのロヒンギャの人々がひどい暴力・性暴力を受け、家族の誰かを失いました。人々は心と身体に傷を抱えながらも懸命に生きています。

支援の現場でこれからの時期、喫緊の課題となるのが、すぐに到来する雨期・モンスーンの季節の自然災害の被害への対応です。大多数のロヒンギャ難民が避難しているコックスバザール県は雨の多い地域で、雨期は地滑りや洪水が頻発します。昨年2020年の雨期には、暴風雨によって1700戸のシェルターが完全倒壊し、2万2000戸が部分的被害を受けました。現在難民の方々が暮らしているシェルターは、豪雨に見舞われれば、浸水したり流されてしまう可能性もあります。

UNHCRが支援する学校
難民キャンプの中にあるUNHCRが支援する学校で。教育プログラムの早期再開が待たれる

また、この一年、新型コロナウイルスの影響でさまざまな支援の提供が滞ってしまったという現実もあります。難民の子どもたちの教育はその一つです。実は昨年、バングラデシュ政府から、ミャンマーで使われているカリキュラムおよび教材を使って教育を行う許可が下り、その開始に向けて準備してきました。しかしその矢先、新型コロナウイルスのために学びの場は一律閉鎖になり、ミャンマーのカリキュラムの導入はおろか、学習の場を確保することもできませんでした。家庭学習をサポートするための支援も行いましたが、難民のほとんどが字を読むことができないので、家での学習には限界があります。ミャンマーでロヒンギャの方たちが暮らしていたラカイン州では、人々は移動の制限をされ、教育を受ける機会を奪われてきたのです。キャンプ内の学びの場がなくなり、児童労働や児童婚、虐待などの報告も増えました。一刻も早く教育プログラムを再開し、ミャンマーのカリキュラムを確実に提供できるような支援体制を整えていかなければなりません。

ロヒンギャ難民の方たちが安全に故郷に戻ることができ、自分たちの足でふたたび立つ日が来なければならないと強く思います。今年に入りミャンマーの政治情勢が急激に変わったことは、ロヒンギャの人々の帰還の可能性に影響を与えかねません。 ロヒンギャ難民の将来のために何ができるかを考え続けながら、UNHCRは難民の方々とも対話を重ね、日々必要な援助活動に奔走しています。

バングラデシュで避難生活を送るロヒンギャ難民の方々は今、間もなくやってくるモンスーンの季節に頻発する自然災害の危機に直面しています。 皆様からの貴重なご支援は、UNHCRを通して難民の方々に届きます。 どうぞ、皆様の温かい手を差し伸べていただけますよう、心よりお願いいたします。

UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・南スーダンなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子供の心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

モンスーンの豪雨と感染症からロヒンギャ難民を守る、UNHCRの援助活動

暴風雨と濁流
コックスバザール県のモンスーンの時期にみられる暴風雨と濁流

モンスーン豪雨対策

難民を自然災害のリスクから守るため、UNHCRは緊急対応を急ピッチで進めています。 雨季に向けてUNHCRはパートナー団体と共に、洪水などが起きた際に対応できるよう排水設備や水関連のインフラの点検・拡充を行い、また地滑りの危険がある斜面の土地の整地作業のほか、歩道や階段、橋の修繕や補強作業などを優先的に進めています。 またシェルターへの対応として、ロヒンギャ難民にモンスーン対策キットを配布するほか、豪雨に耐えられるようにシェルターの修繕や新設も積極的に行っており、最近では洪水に強い鉄骨式シェルターの導入も行っています。

手洗いをする子ども
石けんで手洗いをする子ども。キャンプでは、感染症対策の正しい知識をロヒンギャ語で伝えている

新型コロナウイルス対策

UNHCRは新型コロナウイルス対策で3000人以上の難民ボランティアを訓練、咳エチケットや手洗い方法など、馴染みのなかった感染症予防の正しい知識の普及にも取り組んでいます。また、十分に医療が行き届いていないこの地域で難民と地元バングラデシュ地元民の両方の役に立つ隔離・治療施設を新たに建設、病院のICUの設備強化も行い、この地の医療サービスの向上に寄与しています。そして、バングラデシュの国民の方々と同様にロヒンギャ難民もワクチンを接種できるよう、バングラデシュ政府と協力しています。

どうかロヒンギャ難民の命を守る力を貸してください

故郷を追われてこの地にたどり着いたロヒンギャ難民は、ミャンマーの政治情勢の行方が不確かな中、衣食住、教育、医療を人道支援に頼らざるをえない状況にあります。火災で破壊された難民キャンプでゼロからの再出発を強いられながら、新型コロナウイルス、そしてモンスーン豪雨による自然災害の危機に直面するロヒンギャの人々の命を確実に守るためには、今、日本をはじめ世界からの支援が必要なのです。

たとえば、11,000円のご寄付で、マスクや石けんなどの新型コロナウイルス対策セットを3家族に届けることができます。どうぞ今すぐ、ご支援をお願いします。

皆様のご支援でできること

11,000円 のご寄付で
マスクや石けんなどの新型コロナウイルス対策セット3家族分
24,000円 のご寄付で
栄養失調の子どもが緊急に必要な50日分の栄養補助食品6人分
36,000円 のご寄付で
モンスーン被害から住まいを守るモンスーン対策キット56家族分
※1ドル=106円換算
  • 当協会へのご寄付は、税控除(税制優遇)の対象になります。お送りする領収証は確定申告にご利用いただけます。
  • ご支援者の皆様にはメールニュース、活動報告等を送らせていただき、難民支援の「今」、そしてUNHCRの活動を報告させていただきます。
  • Webでご寄付いただく際の皆様の個人情報はSSL暗号化通信により守られております
皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
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