難民・避難民の多くは、紛争や自然災害などの直接的な要因ではなく、それに付随し発生した食料危機や水不足などの間接的な要因によって命を落としていることが多いことをご存知でしょうか?
緊急事態において食料危機が発生した場合、人々は急性栄養失調や発育不良などに苦しむだけではなく、、食料を得るために児童労働や児童婚などの負の対処法に頼らざるを得なくなります。国連の統計によると、新型コロナウイルス感染症の世界的流行やウクライナでの戦争による影響で、世界で深刻な食料危機に直面している人々は3億4500万人にのぼると推測されています。
また命がけの避難や、過酷な避難生活の中で難民と避難民が生きていくために、食料支援は不可欠な支援の一つです。UNHCRは緊急事態や人道危機において、発生から72時間以内に緊急チームを派遣し、命をつなぐ食料やシェルターなどを届ける支援を行っています。そして避難生活が長期化しても難民・避難民を支えられるよう、多岐にわたる支援を実施しています。
避難する家族の67%が飢餓の危機「世界最悪の人道危機」イエメン
イエメンでは、紛争の激化により約430万人以上が国内避難民となり、2340万人以上が人道支援を切実に必要としています。国内避難民の約80%は、女性や子どもです。 また近年では気候変動による大洪水や干ばつの影響で作物が育たず、何百万人ものイエメンの人々の飢餓の危険にさらされています。かつてないほどの大規模な飢饉が国内で発生する可能性があるほど状況は深刻であり、何万人もの人々がすでに飢餓状態で生活をしています。

「ミルクが、ないんです。」
深刻な食料危機に直面しているイエメンから避難してきた生後7か月のアナスくんは、深刻な急性栄養失調に苦しんでいます。アナスくんの両親は命からがら避難した後、生計を立てられないまま食料を買うのもやっとの状況です。アナスくんの母は身体が弱く、母乳を与えることができません。 アナスくんの住むキャンプでは、約100人の子どもたちが同じように急性栄養失調に苦しんでいます。移動診療所の医療スタッフによると、イエメンでは栄養失調の子どもを治療するために届けられた栄養食を、家族全員で分け合って食べている家族もいるほど、危機的な状況に瀕しています。

「食べ物がないときは、パンとお茶だけでしのいでいます。」
そう語る避難民のサフィアさんは、爆撃から逃れるためにたどり着いたイエメンのタイズの避難先で、子どもたちと共にパンを食べています。サフィアさんは避難するため、家族で9人の子どもと病気の夫を連れて、5キロも歩きました。イエメンでは急激な価格高騰のため、食料品などの生活必需品を手に入れることさえも難しい環境にあります。そのため、食料を求めて子どもたちが物乞いなどの児童労働に従事することが多く報告されています。

カメルーンで発生した水資源を巡る衝突により、約10万人が国境を越えてチャドへと避難を余儀なくされました。現在も約4万人がカメルーン国内避難を強いられ、人道支援を必要としています。
UNHCRは、この緊急事態にどの支援団体よりもいち早く緊急支援として、人々に20万3000食の温かい食事を提供しました。また毛布などの緊急支援物資や医療サービス、シェルターなども、必要としている人々に届けられました。

そう語るアハマドさんは、昼食に1枚のパンを9人で分け合って食べています。
アハマドさんは、妻と子どもたちを連れてジャララバードの自宅から避難し、現在はカブールにある仮設住居で暮らしています。過酷な避難生活で生計を立てることもままならない中で、アハマドさんは現金給付支援の重要性を語ってくれました。「食べ物や子どもの服を買うために、支援金が必要なんです。」
UNHCRは、食料を含む難民の様々なニーズに対応できる現金給付支援に力を入れています。

「食料が尽きたので、孫はまだ何も食べていません。私たちにはもう何も食べるものがありません。」
生計の手段がないため、2人は1日1食を食べるのがやっとの状況にあります。UNHCRは難民の栄養状態の管理を行い、栄養補助食品を提供するなどの支援を行っています。

このプロジェクトはSDGs達成に向けた取り組みの一部です
避難先において、食料や安全な飲み水が得られる環境づくりを重視しています。また、栄養不足や疾病への対応として、早期検診や栄養補助食品の配布などを行います。

皆様のご支援でできること

1年で、緊急の食料を購入できる
現金給付支援(6人分)

1年で、子どもを栄養失調から救う
1か月分の栄養補助食品(10人分)

1年で、十分な量と質の食料支援
(59人分)
※1ドル=112円換算
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*皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断する援助活動に充当させていただきます。

