紛争・迫害の犠牲となる難民の子どもたち
どうぞ、知ってください。紛争の最大の犠牲者である難民の子どもたちが、声もあげることもできず、一人苦しんでいることを。

避難を強いられた人々の約40%は18歳未満の子どもであり、その中で保護者を失ったり離ればなれとなっている子どもが少なくないことをご存知でしょうか。本来保護者と地域で守られるべき子どもがたった一人になる。そこには多くの危険が潜んでいます。暴力や虐待、児童労働、教育の欠如、早婚など、あらゆる搾取と危険にさらされます。難民の子どもの中には、学校に通わず弟妹を育てていたり、路上で働いたり、まだ10代前半で結婚を強いられることも多くみられ、深刻な問題となっています。
保護者を失い、年下のきょうだいを懸命に育てている子どもたち。家事に追われ学校に通えないまま、早婚を強制される少女たち。栄養失調で弱り、痛々しい姿の乳幼児。まだ幼い彼らが背負わされている苦しみを、UNHCRは決して見過ごすことはできません。
どうぞ、知ってください。紛争の最大の犠牲者である難民の子どもたちが、声もあげることもできず、一人苦しんでいることを。

子どもたちの危機
どうぞ、難民の子どもたちの現実を、その思いを知ってください。

「助けて」と言わなかった少女 ニャリエク(14歳)/南スーダン難民 「1か月、一人で歩いて逃げました。たくさんの遺体を見ました」ジョン(13歳)/南スーダン難民 内戦とコレラと、食料不足。 「8歳の野菜売りの少年」ヤザン(8歳)/レバノン

【動画】南スーダン難民のアナ(12歳)

夜に激しい銃撃の中を逃げてきて、両親の生死は今も分からないままです

UNHCRの子ども支援

難民の子どもたちの命と安全を守るため、 UNHCRは以下のような援助活動を実施しています。

難民のマリーとUNHCR職員
家族とはぐれ一人で避難を強いられている南スーダン難民のマリー(4歳)の話を聞くUNHCR職員

子どもたちの保護
紛争や迫害から逃れて来た子どもたちが人身売買や性暴力の危機にさらされないよう、いち早く保護し、水やシェルターなどの救援物資等、最も必要とされる援助を提供します。
家族の再会
親や家族と離ればなれになってしまった子どもたちを難民登録し、パートナー団体と連携して家族の再会を支援します。親が亡くなっているなどの場合は、里親の紹介等を行います。
心理社会的ケア
子どもたちは暴力や迫害、家族との別離などにより深いトラウマを抱えることがあります。UNHCRはそのような子どもたちに、専門家による心のケアを提供します。
教育
紛争や迫害、児童労働や早婚など、様々な理由で教育を諦めざるをえない多くの難民の子どもたちに、学ぶ機会を提供します。

※上記以外に、保健医療や第三国定住(避難している国で保護が受けられず、別の第三国に移ること)のサポートなど様々な支援を行っています。

「深刻なケースの対応後は、何日も精神的に落ち込むことも。
でも、誰かと一緒に喜んで、共に達成感を味わうことが、私にとって大きな喜びです。」

UNHCRエチオピア事務所 准保護官 貝澤 麻衣

難民の子どもたちの笑顔に囲まれる貝澤職員

16歳の妹が無理やり結婚させられてしまう。助けてください!

ある日、19歳のサラ(仮名)が駆け込んできました。彼女たちは南スーダンで両親を亡くし、叔父夫婦に預けられていました。日常的に暴力を受け、学校に行くことも許されず家事をする毎日だと言います。サラはすでに結婚させられ、1歳の子の母でした。そして16歳の妹、ニャマル(仮名)の結婚式は2日後に迫っていました。相手の持参金(牛)はすでに到着し始めていて、一刻を争う状況です。※南スーダンでは牛は富の象徴として非常に重要

叔父に見つかれば連れ戻されてしまいます。一人ずつそっと家を抜け出し、全員がそろった瞬間に車に乗せ、シェルターへ出発しました。それは、まさに持参金の牛が到着した瞬間でした。本当に危機一髪だったのです。シェルターに無事着いた時、ニャマルたちは安堵のあまり泣き崩れました。「もう殴られなくてすむんだ」と号泣する姿、サラが初めて見せた心から安心した表情は、今も私の目に焼き付いています。

支援の現場は過酷で、私は今年4月にマラリアにかかり寝込んでしまいました。深刻なケースがあると何日も精神的に落ち込むこともあります。厳しい現場ですが、私は人と直接話をして、その問題の解決法を一緒に考え、実行することが好きです。誰かと一緒に喜んで、共に達成感を味わうことが、私にとって大きな喜びです。

一人でも多くの子どもを救うこと。それこそが、紛争国に平和をもたらし復興を進めるための、何よりの貢献になります。平和を知らずに育った子どもたちが平和な国を築くために、私たち日本人が、遠くからでもできることがあります。どうぞ今すぐ、子どもたちの命と未来を守るために、皆様の温かいご支援をいただけますよう、心よりお願いいたします。

UNHCR(国連高等難民弁務官事務所)は、 難民の命を守り、保護する機関です。
緒方貞子さんとルワンダ難民
ルワンダ難民を訪問する緒方元高等弁務官
UNHCRは、シリア・アフガニスタン・ウクライナなど世界中で家を追われた難民・国内避難民を支援・保護し、水や食料、毛布などの物資の配布や、難民キャンプなど避難場所の提供、保護者を失った子どもの心のケアなど、最前線で援助活動に尽力しています。1991年から10年間、緒方貞子さんが日本人として初めてUNHCRのトップである国連難民高等弁務官を務めました。 
※紛争や迫害などのため命の危険があり、国外へ逃れた人を「難民」、国内で避難している人を「国内避難民」と呼びます。

子どもたちの手を、離さない。

難民の子どもたちの人生はまだまだこれからです。たとえ親を失っても、一度も学校に行ったことがなくても、温かい手が差し伸べられ機会さえ提供されれば、必ず子どもたちはやり直すことができます。そして彼らは必ず、暴力の連鎖と貧困に苦しむ国々の未来を変える大きな力になります。
UNHCRは、難民の子どもたちの命と安全を守ります。どうぞ私たちと一緒に、子どもたちを守ってください。

子どもたちへの贈り物

あなたのご支援で、また一つ、笑顔が増えます

学用品などの通学用キット 10,000円(約2人分) 夜でも安心・ソーラーランタン 15,000円(約3個分) 栄養失調の子どものための栄養補助食 25,000円(約3か月分)/50,000円(約6か月分) 心に傷を抱える子どもの心理ケア 30,000円(約8人分) 大切な家族との再会支援 50,000円(約4家族分)/100,000円(約8~9家族分) 命を守る家族用シェルター 60,000円(1家族分)/120,000円(2家族分)

※2019年9月現在/1ドル=113円換算

こちらに記載されている支援の内容は、その金額でできる援助の一例です。地域や状況によって変わることがあります。皆様のご支援は、UNHCRが最も必要性が高いと判断するプログラムに充当させていただきます。どうぞご了承ください。

皆様からのご寄付によって 多くの命が助かります。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
水・食糧の供給から住居、医療、教育まで、長期的に難民を 支えるには、毎月のご支援が欠かせません。ぜひ、ご検討ください。
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